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第52話 よし! 二チームに分かれるぞ

 「色々と大掛かりになるかも知れない……」


真一がぼそりと言った。すると、


「俺もそんな気がする……」


悠磨王子も言う。続き、勇瑠王子が、


「現在日本では、その、この異世界で異変が起きてから、ゲーム『World of legend』に何度かログインはしたものの……、こうな、頭が固いのか発想力がないのか……、模索すれど、思い付くものが無くてな……」


と言うと、真一は、


「うん、悠くん、勇瑠おじさん」


間を置くと真一が言葉を続けた。


「その、俺考えたんだ。安全にエンジェルさんと接触するにはどうしたらいいか」


皆が見守っている。


「ねえ、このゲーム経験者て言い方も可笑しいけどさ、このゲームをここでやったことがあるのは、俺、勇瑠おじさん、花琉おばさん、それから悠くんだ。

このゲームにさ、現在日本からのアクセスでもいいし、此処異世界からのアクセスでもいい、この四人の内の誰かがゲームからログインをして、この扉の塔の王の扉の一階なり二階で待ち合わせをするのはどうだ? その、悠くんの話しを聞いていると、この王の扉なら、丁度、エンジェルさんの数も少ないみたいだし、待ち合わせも出来るんじゃないかな?」


字を持つ者たちは、ウンウンと頷きながら聞いている。レオン王とアズキアス魔王はというと、興味深く聞いているようだ。


「あっ!」

「どうした、真一」


声を上げる真一に、勇瑠王子が聞く。


「その……、思い出したんだ。『World of legend』で、緑のダイヤ型の印が付いているときてさ、キャラの名前がわからないじゃないか。攻城戦の時にキャラ同士のいざこざを少しでも防止するために、例えば粘着(特定のプレイヤーに固執して付きまとったり攻撃したりする一種の迷惑行為など)とか……。頭の上には印しか出ないんだった。それに……、俺たちとエンジェルさんは、そもそも会話が出来るのか?」


真一が左手を顎に置き、右手で左腕の肘を支える格好で悩み出す。すると、


「ああ、真一。良いアイディアだと、勇瑠おじさんは思うぞ。そうだな、この四人(真一、勇瑠王子、花琉姫、悠磨王子)の中の誰かがログインをして、待ち合わせでここに居る者に会う。出来そうだが……。ああ、それから頭上にキャラ名が無くても喋れるのだからよくなくか? 合言葉を決めるでもいいし……、あ、いや、名前はゲームの世界では唯一無二だ。かぶりが『World of legend』では無かったはずだな、名前を名乗るのでもいいか……」

「そうか、勇瑠おうじさん、エンジェルさんと会話は出来るんだね?」

「ああ、ああ、多分……」

「多分?」

「そうなんだ、実際に我ら字を持つ者たちは、エンジェルさんと会話をした者がいないんのだ……、多分な。まあ、アルパパ(一の字の父王)は、こっそりエンジェルさんと会話をしていそうなものだがな」

「そうなのか……」

「だから、エンジェルさんの評判も噂なんだよ、真一。曖昧で済まないね」

「ううん、そんなことないよ、勇瑠おじさん。曖昧でも手掛かりだ」

「おお、そうだな真一! ああ、それに、『World of legend』はな、近々、我らの物になるぞ!!!」

「え? どういう意味」

「『World of legend』配給元の会社を丸ごと買収している最中だ。それにスポンサー企業にも根回しをしているところだよ」

「……」

「真一?」


一瞬で固まる真一。


「あ、いや、な? 半年前からのこの『エンジェル現象』騒動なのだが……、王都だけではなくな、その……、我が国でもダンジョンが出現しているんだよ、だから、な? もしかしたら、現在日本で流行っているMMORPG『World of legend』の世界感とこの異世界の世界が似ていると悠磨が言い出した時に、その、アルパパのな、即決で決まったんだよ。つい、三ヶ月前の話だ。それで俺と花琉おばさんで現在日本で買収に乗り出したと……」

「勇瑠おじさん」

「な、なんだ? し、真一」

「メッセージを送っても二人共、よそよそしかったのはそのせい? いつもなら、毎日毎日、メッセージを送りまくってくるのにぃ、二人共冷たかったよね? それにアルパパからも俺、聞いていないよ? 悠くんは知っていたの?」


真一が悠磨王子に話しを振ると、悠磨王子は、ぽっかりと口を開けている。そして真一の視線に気付いたのか、大きく首をブンブンと横に振った。


「悠くんにも黙っていたんだ?」

「あーーーーー、済まない真一ぃいい、アルパパが真一の会社が大事な時だから言うなって言ってなぁあ」

「勇瑠おじさん、それとこれとは話しが別」

「真ちゃん、怒こらないでぇ~。その分、レイママがしょっちゅう~、真ちゃんの会社に差し入れに行ったでしょう?」

「え? ああ、そう言えば、ここ三ヶ月……、レイママがしょっちゅう会社に差し入れを持って来て……。社員食堂が在るから~、ご飯もスイーツも食べられるから無料だし、社員もそんなに不満はないと思うんだけど……、て、俺、レイママに言っていたんだよ……。もしかして、それってさぁ~、俺の気がそっちに行くように?」

「あらやだ、ウフフ」

「花琉おばさん!」


真一は、勇瑠王子と花琉姫をギロリと睨む。二人は真一と目を合わせないように小首を動かしてあちらの方向を見る。


「後でちゃんと話そうね、勇瑠おじさん、花琉おばさん。俺にはどんな些細なことでも家族会議をするぞ! て、俺たち家族の決まり事として、なにかあったら些細なことでも家族会議します。ていうのがルールだよね?」

「そうだ! そうだ!」


悠磨王子も賛同して、真一と同じように、小柄な体で背筋を伸ばし腕組みをして少し口を尖らかせ顎を上げて上から見るような視線で言う。


「ねっ! 真にぃ」

「ああ、悠くん」


真一も口こそ尖らせはしないが、上から見るように視線を送り、勇瑠王子と花琉姫を見る。こちらは体がでかいので迫力が違う。


「そうだ、アルパパもレイママも共犯だよね? 皆で家族会議します」

「そうだ! そうだ!」


座卓から少し腰を上げた悠磨王子は、向かいに座る真一とハイタッチをする。すると、益々、小さくなる勇瑠王子と花琉姫。

その様子に、レオン王とアズキアス魔王が、プッと吹き出すと、フィオナ姫とシャナ姫は、クスクスと笑い出す。


「話しの内容は我にはよく分からないが、どうやら軍配は真一と悠磨のようだな」


レオン王が言うと、クスクスと笑うアズキアス魔王まで、


「そうですね」


と言う。


「わかった、真一、悠磨。その、悪かったな、後で家族会議をしよう」

「ごめんね、真ちゃん、悠磨」

「分かればよろしい!!!」

「悠くん、それは調子に乗りすぎっ」


勇瑠王子と花琉姫は、真一と悠磨王子に謝ると、調子に乗る悠磨王子。それを真一に指摘されたものだから、えっへへ。と、照れたような苦笑いをするような複雑な顔をする。

それを見て、皆は笑い……。


「では、話しを再開するか」


勇瑠王子が言うと、皆が頷く。


「うん、じゃあ、誰のキャラを出す? あ、話しは、四人の中の誰かが『World of legend』にログインして、それで扉の塔の王の扉で待ち合わせする、でいいんだよね?」

「そうだな」


勇瑠王子が返事をする。聞いている皆も頷く。


「あの、我も同行してよいのか?」


突然、アズキアス魔王が聞く。


「アズキアス、そうだな、一緒に行こう。エンジェルさんを観察する……、ああ、エンジェルさんも人だな、観察は失礼なのかな? でもこの場合はいいのかな……、ブツブツ……。ああ、話しが逸れてはいけないね、なんかどうも、しょっちゅう話しが逸れているような気がするぞ? あ、いや……。どうする? 皆でログインをした誰かに会いに行く?」

「真一、この際、エンジェルさん観察で良いと思うぞ? それでだ、そうだなぁ、この際、二手に分かれるのはどうだ?」

「二手に?」

「そうだ、地下のパソコン室からログインする者と一緒にモニター画面を観察するチームと、実際に王の扉でログインしたエンジェルさんとなった者を観察するチームにだ」

「良い考えだね、勇瑠おじさん」

「そうだろ? 真一」


汚名? を挽回したように勇瑠王子が少し背筋を伸ばして言うと、


「勇瑠兄様、今のパソコン室の環境でいいの? その、接続が不安定だって怒こっていたじゃないか」

「そうだなぁ、まあ、もう新しい環境は出来ているんだ。パソコンを設置してからでもいいが……」

「新しい環境て?」

「ああ、悠磨が引き籠もっている場所の……、そう地下の上に建物を建ててだな? もう、ケーブルは引き込んであるので、今後は、地下にケーブルを走らせて王城の一部にパソコン室を作る。勿論、字の宮には、それぞれ設置するぞ。そこらのすりあわせはまだだがな」


真一と悠磨王子が固まる。


「えぇええええええ!!!」


やっと声が出たようだ。


「はい、今は急ぎ! それ以上、言わないぃいい~~~、はい、聞かないぃいい~~~」


勇瑠王子が先手を打つと、


「だから、ここ数ヶ月……、俺が居る地下の上がうるさかったのか……ブツブツ」


小声でひとり言のようにいう悠磨王子。真一は、


「後で家族会議ね」


それだけを言う。すると、勇瑠王子と花琉姫は、大きく首を縦に振ると、チラリと真一の顔を見る。真一は、その視線に気付き、にっこりと笑う。その笑顔を見て、勇瑠王子と花琉姫は、ほっと胸を撫で下ろすのだった。そして、調子に乗った勇瑠王子は、


「俺のへっぽこ剣士を出すか?」

「あら、私のママ姫だって出せるわよ、今だったギルマス(ギルドマスター)やっているんだから!!!」

「お、俺だって出せるぞ! ニート王子……」


勇瑠王子と花琉姫が言うと、悠磨王子も負けじと参加する。真一は、


「え……、勇瑠おじさん、へっぽこ剣士のままなの? レベルと名前が噛み合わないて、ギルメン(ギルドメンバー)の下の子に言われて悩んでいたじゃない? というか、花琉おばさん、ママ姫、その、またギルマスなの? 悠くんは……」

「あ、いやな、他の古参のギルメンにな、へっぽこ剣士はへっぽこのままで格好いいんじゃないかと言われてなぁ~」

「そうなのよ、真ちゃん、ギルドマスター、一ヶ月ほど前にね、ちょっと忙しくなったからて、綾藤君とまた交代したのよぉ~、折角、真ちゃんが高校生の時に、真ちゃんと綾藤君、蔵守くらもり君、勇瑠おじさんと花琉おばさんの五人で作ったギルドじゃない? 解散させるのも勿体ないしねぇ~、城も継続して占拠してるしね、人数も増えたのよぉ~」

「え……」

「ああーーーー、真にぃ、俺のキャラのことはぁあああ」


勇瑠王子と花琉姫、悠磨王子と真一。またも話しが脱線しようとしている。


「あぁ~もう、我が決めてやる! 話しが進まん!!!」


レオン王がつい口を出すのであった。



 地下のパソコン室から、MMORPG『World of legend』に接続してログインをして、エンジェルさんになる者とそれをモニター画面で一緒に観察をするチームと、扉の塔の王の扉で実際にエンジェルさんとなった者と接触をするチームと、二チームに分かれることが決まった。


さて、レオン王のチーム分けは、どうなるのだろうか?

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