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俺の家に狐が居候している  作者: 夘月
夏イベ到来
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買い物にはきちんと付き合うべき

 なんて思ってはいたんだが、実際はそうでもなかったというか、よくわからんというか。


「よかったのか? 男の俺まで着いてきちゃっても」

「いいのいいの。別々に行くよりも、一緒の方が何かと楽でしょ」

「いや。俺としては気を遣うし、そっちは尚更だと思うんだが……」


 あの後凛は橋本と個別で話をしていたそうで。その日の午後に早速ってことになり、駅近くのショッピングモールにて水着を見に行くことになったのだ。

 俺は二人で行ってこいって行ったんだけど、電話にて架谷くんも来いって。

 こんな言い回しではないものの、来いよ! ってオブラートに包んで言われたようなもんだから、事実絶対来いよ! って言われたようなもの。

 押しに弱い俺は、断るという選択肢が与えられやしないのだ。


「私は気にしないよー」

「その心の広さに感心するよ」


 まぁ橋本が寛大なのはいいとしてだ。もう一人の同行人はなんとも複雑な顔をしている。

 顔はやや赤くなりツンとした顔をしているので、行きたくないのかそうでないのかが断定しづらい。


「何故、私まで」

「急な頼みですまないと思っている」

「貴方が謝ることはないのですが」


 黒羽も来ることになった。駅向かう直前に凛が少し時間欲しいとは言っていたけど、黒羽誘う為だったのか。


「私は行くと決めたわけではないのですが」

「一緒に行きたかったから誘ったの!」

「……いつものあれか」

「ご想像にお任せします」


 これ以上騒がしくはならないと思えばましな所か。

 堂口と谷内に関しては用件ありってことで来れないそうで。

 拓弥と虎太郎に関しては、そもそも本件についての連絡は一切していない。元々は橋本と凛の間で交わされた約束だったからな。

 俺と黒羽は、あくまで後からついてきただけの事。


「まーまー。ここで立ち話もあれだから早く中入ろー。ここ暑いもん」

「そうですね」


「大人しく付き合うしかなさそうだな」

「そのようですね。ここまでついてきてしまった以上は」




 モール入口でのてんやわんやも終わり、すぐさま目的を果たすことに。


「架谷くんあれで良かったの?」

「別にいいんだよ。変な柄とかでなくて、サイズさえあっていりゃあな」

「あまり拘らないタイプ?」

「まぁ深いこだわりは無いな。さっき言ったみたく、最低限の条件は設けるが」


 すぐに終わるからってことで、先に男物の俺の水着を選ぶことになった。

 オススメ商品として並べられているものから、黒のシンプルなデザインのものにした。派手すぎても変なアクセサリーとかがついてても落ち着かなくてしょうがない。

 こういうのは変に手の込んでいない、シンプルなものが一番だと思う。


「俺の用事は終わったから、今度はそっちだな」

「そうだね。それじゃあ今度は私たちの方だね」

「はい。桐華さん、よろしくお願いします」

「ハイハーイ! 任されましたー」

「それじゃあ任せるわ橋本。俺はどっかで適当に時間潰してるから、終わったら連絡を……」


 くるっと二人に背中向けて立ち去ろうとしたんだが、すぐに左肩を掴まれる。


「ダメだよー架谷くん。私たちの買い物にも付き合うのー」

「京子ちゃんもさりげなく逃げようとしない」

「ダメ?」

「うん。駄目」

「私も、ですの?」

「もちろん」


 いやいやいや。俺が言ってもやることないでしょ。できることないでしょ。ソムリエでも変態でもないんだよ俺は。

 アドバイスできることなんかないんだよ俺は。


 黒羽は興味がなかったってか、そもそも当初は行くつもりじゃなかったからな……凛が無理やり連れてきたようなもんだからな……。


「俺が言っても邪魔なだけだろ」

「そんな事言わない。そういう塩対応だと女の子に冷たい目で見られることになるよ」

「塩対応って、そういう言い回しだったっけ」


「京子ちゃんも水着ないって言ってたじゃん」

「そこまでは言っていません。学校指定の古いものがあるからそれでも充分だと言ったんです」

「いやいやー。スク水は確かに着る人によっちゃポイント高いけど、せっかくだからオシャレで可愛いやつ着ようよー」


 あれか。貧乳とか幼女とかならお似合いですよってやつか。

 まぁ橋本は俺と違ってそんなつもりで言ったわけではないと思うが。コスプレ好きってのもあって、服装にはこだわりがあるのだろう。


「京子ちゃん、背が高くてスタイルいいんだから、もっと飾らないともったいないよー」

「そんなお望みはないのですが……」

「でも着いてきてくれたってことは、行くってことだよね!」

「……‼」

「だったらいいもの選んどかないと! 大丈夫! 私がサポート致しますから!」

「い、いえ……そんなつもりは……」


 会話の途中で黒羽の顔が赤くなっていた。

 あぁは言ってるけどホントは行きたかったんだな。本心を表に出さないタイプか。

 でも図星つかれると表情がすぐに変わるからわかりやすい。たじろぐあたりは谷内と似てると思う。


「まぁまぁ。こんな所で話しててもあれだから、早く行こう」

「ほらほら祐真さん行きましょう。京子ちゃんも」

「あーれー」

「仕方ありませんね……」


 ズルズル引っ張られながら、女性陣の水着選びにもついて行くことになった。

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