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俺の家に狐が居候している  作者: 夘月
夏イベ到来
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ほとんど決定?

「ホントに申し訳ございませんでした……」

「あの。こちらも不注意でした……」

「いやいや……謝るのはこっちの方なんで……」


 気まずい空気で朝食を取っていた。今思うと、あの場に来たのが凜で本当によかったと思っている。……どの道エラいことなのは変わらん訳だが。


 那菜は県大会出場の為、既に家を出ている。

 母さんは今向こうで洗濯をしているんでこの場にはいない。

 それなんで入り込んだ話が出来る。この家の中じゃ二人しか知らないことについてのな。


「一体何があってあんなことになってたんですか……」

「あの人のことなんだ。実はあれが初犯じゃなくてな。あの騒動の数日後にも同じことがあったんだ」

「それは……なんともまぁ……」


 初犯の時は他の誰かに見つかることなく済んだからよかったが、こんな事態がこれから先続くようだと色々問題でしかないのだ。

 他人の知らないうちに夜這いなんてされていたら問題視しないわけがないであろう。



「なぁ凜。やろうと思ったら魔除けの結界とか張れないのか?」

「まぁ……出来なくはないかと思います……。今はそれのできる用意がこちらにはないので、それなりにお時間は頂くことになりますが……」

「できるって言うならありがたい。頼む」


 本音を言ってしまうと名残惜しくもなるんだが、長い目で見れば自分自身が危ない。

 手をうてるというのならば、打っておくに越したことはない。

 あの人には少々申し訳ないとは思うが、こちらにもこちらの事情というものがあるんだ。そういう面で、できる限りの手は打ってはおきますんで、ご勘弁願えると。



 ともかく過ぎたことをあれこれ考え込むのはやめにしておこう。ずっとこの重苦しい空気のまま食べてても落ち着かないったらありゃしない。

 こういう時は何か明るい話題を切り出す他ないな……うん。それでいこう。


「そういや凛は、夏休みに何かしたいこととかってあるのか?」

「そういえば。何をしましょうか」

「拓弥や橋本は、もう何やら色々と提案してるみたいだがな」

「海かプールに行きたいと言っていましたね。私も気になっていました」


 よし。その辺でなんとか話題が広がりそうだ。


「そういや昨日、凛は海を見たことがないって言ってたけど、里ってそんなに山奥にあるもんなのか?」

「そうですね。山の高い方にはあるんですが、見渡す限り山々や森林が広がっているくらいに山奥ですね」

「もしかしたら、黒羽も海は未体験だったりするんだろうか……」

「どうでしょうか……天狗の方の諸事情についてはよく分かりませんので。でも拠点は近いとは思いますから、おそらく京子ちゃんも海は見たことないんじゃないかなーって」


 狐と天狗って、海とは無縁な生き物だと思う。てか今更だけど、人間体とはいえ二人は泳げるのだろうか。そこんところは少し気になる。


「だったら進言してみたらどうだ? 多分あいつらの事だから、肯定的に受け取ってくれると思うし」

「では早速。食べ終わりましたら桐華さん達に進言しておきます」


 朝食を食べ終わって、食器洗う作業は俺が受け持つことにして。凛は先に部屋へと戻っていった。




 作業も終わって俺も自分の部屋に戻ってくる。そこでスマホに手を伸ばして見れば、休日だからか、朝だというのにもう雑談が繰り広げられているではないか。


【狐村凛】海とかプール。興味あります。行ってみたいです

【堂口明莉】海はいいよー

【吉島虎太郎】プールもいいぜー

【奥村拓弥】へーい!

【吉島虎太郎】いぇーい!

【堂口明莉】フゥー!

【堂口明莉】(なんかのキャラが連続バク転してるスタンプ)


 やっぱりこいつ。俺よかあの二人との方が息合うんじゃないか?


【橋本桐華】朝からテンション高いなー

【堂口明莉】夏休みだからー

【奥村拓弥】ちょっとどころかかーなーり騒ぎたくなーる

【谷内神奈】騒がしい


 というか。なんで朝からこうも元気なんだあんたらは。谷内とか黒羽はそうではないと思うけど。



 つかつかとメッセージを目で追いながら確認していく。話の流れからして。どっちかに行くことはもう決定事項のようだ。

 あとはいつ行こうかって話になってきている。来週行こうか、それとも八月入ってからか。個人の予定との兼ね合いもあるから、決定はもう少し先のことになりそうだな。


 あっ。そうなると……早いうちにそれ用の水着を買っておかなきゃいけねぇじゃねぇか。それにもしかしたら……じゃなくてきっと。凛は水着自体持ってないであろう。向こうにはそんな風習ってか文化があるのかは知らんけど、海とか見た事ないって言ってたからないと考えるが妥当だ。


 現に凛も、トークグループ内にてそのような発言をしている。


【橋本桐華】凛ちゃんの水着。私気になるなー

【狐村凛】私、水着持ってません

【堂口明莉】マジか

【狐村凛】はい。すみません

【狐村凛】(ごめんなさい! と謝ってるスタンプ)


【橋本桐華】いよいよ。気にしてないから

【橋本桐華】だったら水着見に行こうよ! 私も新しいのが欲しいなーって思ったところだから

【狐村凛】本当ですか! ありがとうございます

【堂口明莉】ちょうどいい機会じゃねぇか


 そういう相談するのはいいんだが……そういうことは男子のいない所で話そうな。このやり取り見てしまった俺が言うのもあれだけど。

 ただ俺としてもいい機会かもしれん。でも男一人混ざるのは迷惑か。

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