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047話

知人から「一々設定を探すのがツラいからどっかに纏めてくれ」と言われてしまいましたので、今週末にでもある程度纏めて「設定集」として出そうと思います。

ただ、本当に大して考えないで始めてしまったものですから、その設定も結構更新して行くと思いますので、その辺はどうかご容赦をお願いします。


 指定された部屋に入ると、中には既に6人の人間が居た。


 大きな長方形の机がこちらから見て横向けに置いてあり、向かって真ん前にエラそうに踏ん反り返ったおっさん二人が居て、机の右側にしぶちょー、左側に補佐のおっさんとドニさんが座ってた。


 隅っこの方に別に小さな机があり、そこはソレーヌさんが座ってる。


 多分書記なんだろうと思うけど、相変わらずの無表情だ。


 それにしても参ったな。予想はしてたけど、これじゃまるで何かの査問会だよ。


「君がマリア・コーニス譲かね。思ったより小柄だな」


 エラそうなおっさん二人の内、向かって右側のバカが、クソデカい態度で声を掛けて来た。


 上級騎士だな。こいつがキング・オブ・屑で間違い無いだろうね。


 銀色の指輪を嵌めてるからほぼ間違いないと思うけど、もしコイツが爵位を持ってれば、まず間違い無く、直接口を利いては来ないだろうってタイプだ。


「従騎士など汚らわしい」とか何とか言って、従者に喋らせるクチだよ。


 左側の阿呆は貴族だな。騎士爵か。


 右側のバカと並んで座ってる所を見ると、口を利かないこいつが、リプロンの部隊の大将の「なんちゃら卿」に違いない。


 討伐士協会の金ぴか(金章討伐卿)で、この場の最高責任者って感じだ。


 ただ、指輪を嵌めていないのがちょっと気になる。


 ワタシを含めて普通の騎士なら、印章指輪なんて用が無ければ嵌めないけれど、その理由は「戦闘の邪魔だから」だ。


 別にたしなみとかそんな理由じゃ無い。


 もしこいつも「そう」なら、それは要注意って事だね。


 どれ程そいつが腐ってても、その事とそいつの「強さ」とは全く関係が無い。


 それに剣気はまだ感じないけど、こいつからはちょっとシャレになんない気配がするんですよ。


「何のお話でしょうか?」


 取り敢えず目の前の椅子に座ると、右のバカに返事をしてやる。ここはまだ我慢ガマガマって感じだ。


 しぶちょーが何か拝む様な感じでこっちを見た。


 にゅう。悪いけど秘密主義のヤツのメンツなんて立ててる余裕は無いよん。


 何か頼みたいなら、少なくともある程度はハラを割ってからにしろっつーの。さっき時間はあった筈だよね?


「ふむ。聞いていないのかね? ここはキミが成したとされる討伐を詮議する場だよ」


 うーん。改めて見ると、コイツはホントに酷いな。目の腐り方がハンパじゃない。


 かなりの小悪党だわぁ。典型的な虎の威を借る狐って所だね。


 身に着けている物を見ただけで、コイツがボキューズとかって屑より数枚上の悪党だって事は判る。


 袖のカフス一つ取っても、騎士風情が普段使いで身に着けられる物じゃないしね。


 劣るのは腕だけだ。コイツはあの屑と比べても足元にも及ばない、なんちゃって騎士野郎だよ。


 ワタシが黙ってると、我が意を得たりとばかりに、バカが書状でも読む様に御決まりの文句を喋って来た。


「正直に言うがね、私は君が魔将級の超大型リッパーを仕留めたなどとは、全く信じておらんのだ。大体・・・」


 頭だけ聞いて、後は放棄。


 要するに難癖付けたいってワケなんだろうし、奴等の頭の中ではとっくに筋書きは決まってて、こっちが何を言ってもムダな足掻きってコトは聞かなくても判る。


 権威を笠に着て、白い物を黒くする、クソ貴族特有のやり方だ。


 こんなヤツが手下だなんて、デラージュも腐ったな。まだそれ程の歳じゃ無いと思ったけど、若年性の老害かね。


 しかし目下の問題は、この左の阿呆だ。


 ワタシがまだ完全にモノにしていない、「あの魔法」を使わない限り、多分こいつには通用しないだろうと思う。


 今の段階だと保っても約3分だから、最悪はその間にコイツを片付けなくちゃなんない。


 ホントだったら銃で行きたい所だけど、剣じゃ無いと尋常な勝負になんないしなぁ。


 正々堂々と斬り捨てないと、最悪は貴族をヤった罪で重罪人にされちゃうから、この場じゃ銃なんて使えないんだよね。


 取り敢えず、挨拶代わりに一瞬だけ気配の押さえを解いて、ピンポイントで阿呆に剣気を食らわす。


 と、その瞬間、背筋に寒気が走った。


 阿呆が全く同じ事を即座に返して来たからだ。


 思わず口笛を吹きそうになって、必死に押さえ込む。


 コイツ、踏ん反り返った屑野郎のクセに、やっぱり出来るコなんじゃんかっ!


 ヤバいわ。完全に火が点いちゃったよっ。


 だって剣気の切り返しを食らうなんて、ししょー以外では初めてだしっ。


 嬉しくなって、口笛を押さえ込む為に俯いた顔を上げると、阿呆は何かせせら笑う様な顔で応じた。


 ああ、今ワタシが俯いちゃったのを、剣気返しでビビッたとでも思っちゃったのかな。


 御免ね。でも舐めないで。ちゃんと本気で全力を出してね。


 ニッコリと極上の笑みを浮かべて、阿呆と目を合わせてあげると、どうやらソレは向こうに通じたようで、微かにだけど、ブルッと阿呆の身体が震えた。


 おおう、武者震いですねぇ。ヤる気満々じゃぁないですか! いいねぇー、最高ですわっ。


 銃とか無粋なモノは考えから捨てて良かった!


 こんな所でこんなヤツと対一の勝負になるなんて、神様とやらのお導きなのかな?


 スタンピードの帰りだって、ハイオーガでも出ないかと随分ウロウロしちゃった位、ホントは鬱憤が堪ってたんだよね。


 ソレーヌさんがちょっと心配だけど、しぶちょーがいるから、余波を食って死んだりとかはしないだろうし、思う存分、掛け値無しの本気で斬り合える。


 やばっ、なんかこっちもちょっと震えちゃいましたよ。


 震えちゃった照れ隠しに、もう一度阿呆と目を合わせると、向こうもガッチリとこっちの目を睨み付けて来る。


 イイですねぇ。中々判ってるコだわぁ、この阿呆のおっさん。


 そのまま、ワタシと阿呆はお互い目を逸らさず、睨み合う形になった。


 踏ん反り返ったバカが、馬鹿馬鹿しい話を御大層に続けて行く中、静かな緊張が部屋内を満たして行く。


 ぬにゅう。しかしよくよく考えてみれば、別に一等功とかどうでもイイんだよね。マジでいらないし。


 一々、バカに付き合うのもアホらしいかぁ。


 ワタシは何食わぬ顔で椅子から立ち上がると、即座に大玉を召喚して一体化した。


「なっ!!」


 直後にエラそうな二人組を筆頭に、その場の全員が血相を変える。


 そりゃいきなりデカい魔法力が目の前に現れれば、魔法力を持ってるヤツはバカでも気づくからねぇ。


 でもお楽しみはこれからだよん。


 最初は大人しくしてる積りだったけど、こうなったらもう止まんない。


 それに、このバカはここで潰しておかないと、どんなド汚い手を使って来るか判ったもんじゃないしね。


 どうせ西聖王国なんかさっさと出ちゃうんだし、旅の恥は掻き捨てってか?


「クソ野郎がデカいコト言ってんじゃねえよ! ナンなら今すぐこの場で、てめえのその生っちろい首を叩き落としてやってもイイんだぜ?」


 タンカを切って気配の押さえを解く。


 討伐士には、その討伐した獲物の占有権と言う物が絶対的に認められているから、それに「後から来た屑」がケチを付けて横取りしようとすれば、最悪でも決闘で決める権利があるし、ケチをつけた側は受けなきゃなんない。


 軍監でも討伐士協会の担当(この場合しぶちょー)でも無いヤツが戦果にケチを付けるってのは、本当はそう言う事だ。


「まあまあ、君、ちょっと待ちたまえ」


 金ぴかの阿呆が、辛うじてって感じで立ち上がった。


「オイオイ、今まで黙って見てたカス野郎が口挟むなよ? てめえが今そんな事を言える立場かっ。寝言は寝て言ってろ!」


 思いっきり睨みつけて凄むと、金ぴか阿呆はちょっと下を向いて黙る。


 当たり前だよね。


 大体、こんな茶番劇がこう言う公式の場で行われて、それを責任者が黙って見てたって事になれば、責任者はヘタすれば身分を剥ぎ取られて放逐だ。


 討伐士協会ってのは敵に回すと本当に恐い。


 まずもって、その後は二度と表舞台に上がれないだろう。


 つまり、ワタシがこのバカを決闘で斬り捨てれば、事が明るみになるワケで、そうなればこの阿呆も無事じゃ済まないって事だね。


 さっきのワタシの剣気に、この阿呆がああ言う反応を返したのは、そう言う事だ。


「殺されたくなければ黙ってろ」って感じかな? ま、ワタシには通用しないけどさ。


 こっちは流れの従騎士で誰の配下でも無いんだから、初めから権威なんてクソ食らえだし、腕っぷしだって、今じゃそこらの金ぴかならタメ以上にヤれる自信がある。


 残念だったなぁ? 屑野郎共。


「おいお前! 一等功が欲しいんだろ? 纏めてくれてやるから表に出ろやっ!!」


 金ぴかおっさんが黙った後、ワタシはバカの方に本気の殺気を叩きつけた。


「かっ・・・」


 バカが口から泡を吹いて、椅子から崩れ落ちた。


「バカじゃね?」


 片手を振りながら水魔法を行使して水をブッ掛けると、バカは「ひぃっ!」とか何とか言いながら、今度は床にヘタり込んだ。


 あーあ、何か床に妙な水溜りが広がって行ってるんですけど、ココって後で誰が掃除するの?


「おい金ぴか、さっさとソイツに剣渡して表に運び出せ。騎士なんだろ? やるこたぁ、判ってるよな?」


 本命の阿呆にも殺気を叩きつけて、開戦の合図だ。


 カタナ剣と鉄棒をインベントリから引っ手繰る様にしてスッパ抜く。


 阿呆が剣に手を掛けたら、即座に励起出来る様に「あの魔法」も準備OK。


 どのみち、こうなった以上はワタシの首を取らない限り、この阿呆に明日は無い。


 モロにワタシの殺気を食らった阿呆が、何とか耐え切った感じで立ち上がった。


 さぁ抜けよ、金ぴかっ。決着を付けようぜ?


本日もこの辺で終わりにさせて頂きます。

読んで頂いた方、有難う御座いました。

なお、明日も投稿は行う予定です。


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