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JK望月 香美の渦  作者: 葉月 優奈
四話:俺は望月を守ってもいいのだろうか
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「ふざけるなよ、アイツ!」

俺は憤っていた。

生徒会長の前で、冷静でいられるのがやっとだった。

生徒会長から別れ、裏山に来た俺はとても怒っていた。

静かな裏山に、俺の怒り声が響いていた。


「荒れておるな」ベンチの上には、赤ん坊がハイハイしていた。

「当たり前だ、なんで望月はあんな嫌みなヤツが好きなんだ?

俺の事を馬鹿にしているし……いやそれは悔しいけどまだ許せる。

でもアレだけは許せない。唐園の目の前で、彼氏宣言とかウザすぎる」

「そうか……」

「まだムカムカするだろうが、話をしよう」

俺はベンチのそばに座った。

赤ん坊は、ベンチの上から俺を見上げた。

俺も怒りを押し殺して、赤ん坊の前に立っていた。


「一つ分かったことがある」

「なんだ?」

「記憶を失ったことだ。あれは唐園も俺も……お前にも起きている。

三人に共通して言えることは、蛭地生徒会長だ」

「彼が?」

「それは間違いない。

おそらく、記憶を失った22日に何かが起った。

起ったことで、記憶を失った。その記憶を、蛭地は消したかったのでは無いか?」

「でも、何でそんなことができるの?」

「それは、分からないが……キーワードは見つけた。

『猫魔術』という言葉だ。本まである」

蛭地が持っていた、怪しい本。

この本の中身を、俺は詳しく見ることはできなかった。


「何かしら無いか?」

「なにそれ、初めて聞くわ」

「俺もだ。『猫魔術』ってなんだ?」

分からないし、普通では無い単語だ。

だけど、俺は大人だ。ここで諦めることだけは、したくない。

それに、相手の素性は分からなくても行動はしないといけない。


「あのさ、香美」

「ん?」

「お前、携帯を持っていなかったか?」

「ああ、あるけど……でもこの携帯電話」

取り出したのは、黒い折りたたみ式の携帯電話。

赤ん坊香美が言うには、これは自分の携帯電話だそうだ。


「このスマホには、何もデータが無いぞ」

「通話はできるのか?」

「できるけど、連絡先は分からない。

元々あたしは、電話帳から電話をしていたりしていたし」

「問題ないよ、貸して」

俺はそのまま、赤ん坊から携帯電話を取り上げた。

赤ん坊は、難しい顔で俺の方を見ていた。

赤ん坊に視線を落とすように、俺はスマホを下げた。


「どうするつもりだ?

連絡するにも、誰にもつながらない。電話帳も消えた携帯電話で」

「別に電話帳が無くても、電話だけならできる」

「誰にかけるんだ?」

「まあ、見てろって。ちょっとお前に、謝っておくが」

「なぜ、謝る?」

「いいから、俺がかける相手は……つながった」

携帯電話を耳に当てた。


そのまま、俺は一人の電話に電話をかけていた。

この判断が正しければ、アイツにちゃんとつながるはずだ。


「もしもし、どちら様ですか?」そう、つながった相手こそJK望月だった。

「お前に協力して欲しいことがある。

それは、俺はお前を助ける事につながるのだから」

俺は、望月と初めて電話で会話をしていた。



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