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JK望月 香美の渦  作者: 葉月 優奈
四話:俺は望月を守ってもいいのだろうか
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この学校の生徒会長は、どこからどう見ても陽キャラだ。

蛭地生徒会長は、望月の公認彼氏。

女子の人気が圧倒的に高く、その人気を背景に生徒会長になった男だ。

相変わらず、男で香水をつけていた。


「ただいま」驚くほど、丁寧に話しかけてきた蛭地生徒会長。

「生徒会長、お疲れ様です」

生徒会のメンバーである唐園も、深々と頭を下げていた。

当然、蛭地生徒会長の顔が俺に向けられた。


「君は?」

「D組の学原(がくはら) 涼真です」

「そうか、学原君か」

生徒会長は、まるで初めましてと言わんばかりに顔を見せていた。

実際初めてでは無いが、俺は陰キャラだ。

向こうに覚えられていなくても、無理もない。


「君はなんで、ここに来たんだい?」

「久しぶりにこっちに来たら、迷ってしまって。

唐園が偶然いたから……彼女を追いかけて」

俺は、咄嗟(とっさ)に嘘をついた。

まさかここで生徒会長を調べているとかは、目の前で堂々と言えない。

唐園も、俺の言葉にアイコンタクトをしていた。


「うん、まったく学原君ったら……」

「そうか、それは災難だね」

穏やかな顔で、生徒会長は部屋の中に入った。

そのまま、自分の椅子に慣れた様子で座っていた生徒会長。無論上座だ。


「まあ、君も座りなよ」

「いえ、俺はそろそろ……帰ろうかと」

「座りなよ」

生徒会長の言葉に、俺は不思議な何かを感じた。

目を細めて、笑っていた生徒会長。

同じ年にも関わらず、雰囲気は大人をも凌駕する落ち着き。

まるで、現代の上司と会話をしているかのような感覚に陥った。


「うん、座って……学原君」

なぜか唐園も、俺に対して促してきた。

生徒会長の、左隣に座り俺に指さす真正面の席。

奥にある机をくっつけた、唐園。六人の生徒会役人の席が、そこにはあった。


「わ、わかりました」

俺はおとなしく、席に着いていた。


(だけど、この空気はなんか……イヤだ)

一番気になるのは、唐園の目だ。

死んだ魚のような目で、眼鏡越しに俺を見ていた。


「さて、これから君に質問をさせてもらうよ」

いきなり、不敵な笑みを浮かべて俺を見てきた。

いつの間にか、ドアが閉まっていた。


「質問って、俺は普通の学生で……」

「なに、難しいことはしない。

ただ、お話だけだよ。まあ嘘をついたら……君は大変なことになるかもね」

「そうです、生徒会長に絶対嘘はいけません」

唐園が、抑揚の無い声で言い返してきた。

やはり、この生徒会長は何かがおかしい。

俺の蘇った記憶で、危険な人間だと判断できた。


(さて、どうするか?)

俺はそういいながら、生徒会長との会話を始めていた。



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