036
二人を守れたが、体が潰れそうだ。
やっぱり、女子二人はとても重い。
俺は運動神経が悪くない方だけど、特別優れているわけではない。
二人を降ろした俺は、ヨロヨロと立ち上がった。
胸が苦しく、圧迫されてしまった。
それでも、咳をして俺は呼吸を整えた。
「ごめん、学原」
「大丈夫、ゲホゲホっ!」
なんとか咳を止めていた、そのまま葵と望月を見ていた。
「でも、二人が無事で良かった」
「ありがとう、学原君」
かわいい望月に、素直に感謝されて俺は胸が赤くなった。
なんだ、この感覚は。
顔が一気に赤くなる、圧倒的に俺は照れているのだ。
駄目だ駄目だ、俺は彼女を好きになってはいけない。
望月には、既に好きな人がいるんだ。彼氏だって、ちゃんといるんだ。
望月と俺とは、何の関係も無いのだから。
邪念を振り払い、俺は平静を保っていた。
「まあ、病人を怪我させてはいけないだろ」
「そうそう」
「お前は違うだろ、葵!」
俺のツッコミに、葵がてへぺろの顔。
うーん、葵もかわいいな。くそっ、なんて女だ。
「ねえ、二人にお願いできないかな?」
「何を?」
「ユメッチと、どうしても仲直りしたいの」
望月が、やはり自分の本意を言ってきた。
昨日のあの言い合い以降、彼女の中でモヤモヤしていたのだろう。
自分の責任で、彼女の大事なモノを奪ってしまったこと。
それが原因で唐園が、望月に怒っていたことを。
「多分、それは大丈夫だと思うけど……」
「あなたに、何が分かるの?」
反射的に怒ってきた、望月。
でも怒った瞬間に、すぐに申し訳なさそうな顔を見せた。
「ごめん、学原君には関係ないよね」
「そんなことは無いよ」
「そう、学原は意外とやる男なのよ」
俺の事でなぜか、葵が胸を張っていた。
「え?」不思議な顔を見せる望月。
望月と話をする葵を見ながら、俺はある質問をぶつけることにした。
これを質問するのは、彼女には二回目になるのだろうか。
「どうして生徒会長が、好きなんだ?」
この質問を、ついに(JK)の望月にすることにした。




