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JK望月 香美の渦  作者: 葉月 優奈
三話:モテない俺が恋愛相談をしていいのか
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屋上で、冷たい風が吹いていた。

昼休みでも、この寒さだと俺と唐園の二人しかいない。

だけど、唐園は興奮していて顔が少し赤い。

俺から聞かされた言葉に、混乱していた。


「どうして、どうして、そんなことが分かるの?」

「本人に、意志確認をしたからな」

俺が確認できたのは、赤ん坊の香美からだ。


赤ん坊であっても同じ香美に、さっき裏山で聞いた。

生徒会長の事が、好きかというかを。

(JK)望月は、生徒会長の話をしていても、どこか冷めているように見えた。

(赤ん坊)望月は、「ぼんやり好き」という答えが返ってきた。


だけど、唐園の熱量は望月と違う。

本当に好きだと、感情が言葉に溢れていた。

取り繕うとしても、取り繕えない。彼女の気持ちは、とても正直だった。


「だから、チャンスはまだある」

「信じていいの?」

「信じろ!」俺ははっきり言い放った。

唐園は、俺の言葉を聞いてはっきりと表情が明るくなった。

明るくなったが、同時に俺の顔を疑惑の目で見てきた。


「でも、どうして私にそんなことを話すの?」

「はっきり言って、喧嘩をして欲しくない」

「喧嘩?カガミンと?」

「望月とも、葵とも。三人とも、仲良くはして欲しいかな。

それに、今の君は若いんだ。失敗しても、後悔しては駄目だ!」

「学原君……変なの」

「え?」

俺は、いつの間にか唐園の手を離していた。

唐園は、じっと俺の顔を見ていた。


「それに唐園だって、よく見たらかわいいよ」

「え?そうかな?」

メガネをかけた唐園は、俺の言葉でも照れていた。


陰キャラの唐園は、あまり言われたことが無いのだろう。

落ち着いた雰囲気で小柄の唐園は、奥ゆかしくもあり、かわいくも見えた。

巻き髪ツインテールが、かわいらしさに拍車をかけていた。


「くそっ、俺もモテモテになりたいぞ!」

「学原君って、とにかく意外な人」

「意外って、どういう意味だ?」

「なんというか、落ち着いているというか、大人びているというか……」

唐園が、一瞬俺の本質を鋭く突いてきた。

大人びていると言うより、中身がおっさんだ。

三十四年、二倍長生きしているのだから当たり前だ。


「大人の言うことは、素直に聞くもんだ」

「高校生でしょ、学原君」

「あ」言った俺は、はにかんで笑っていた。

それを見て、唐園も笑顔を見せていた。

やはりかわいい顔の唐園、蛭地生徒会長を羨ましく思えてしまう。


「うん、その顔ができれば大丈夫だな」

「ありがとう、学原君」

「おう。それと……葵」

俺が屋上の入り口の方を、指さした。

そこには、ドアの後ろに隠れていた葵が恥ずかしそうな顔で出てきた。


「な、な、なんでアオイが分かったのよ?」

「俺は大人だからな」

「まだ、それを言うのですか?」

横目で俺を睨む、唐園。

だけど、彼女から既に怒りは消えていた。

かわいらしく笑っている唐園が、そこにはいた。



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