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JK望月 香美の渦  作者: 葉月 優奈
三話:モテない俺が恋愛相談をしていいのか
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昼間になった、場所は屋上だ。

普段は一緒の聖也の姿は、今日の所は無い。

人気の無い屋上を、ある人物との待ち合わせ場所で使っていた。

秋風がしみる昼下がり、制服を来ていた俺は待っていた。


「やっときたか」

「なぜ、あなたは私を呼んだの?

わざわざ、昨日の夜に電話をかけてまで?」

「話がしたいからな、唐園」

俺が呼んだのは、唐園 夢女(ユメッチ)だ。

昨日ゲーセンで、望月と喧嘩をした女だ。

巻き髪ツインテールで、メガネをかけて、凜とした顔。

小柄な唐園は、それでもどこかオドオドしていた。


「何かしら?カガミンに弄ばれた男」

「酷い言い方だな」

「酷くない、現実よ」

「唐園……まずはちゃんと訂正しておくことがある。

俺は望月の彼氏では無い、ただのクラスメイトだ」

「そうね、アオインも一緒にいたし。それは認めるわ」

冷静な顔で唐園は、あっさりと認めた。

だけど、俺は真顔で唐園を見ていた。

なにか、彼女から俺と似たようなオーラを感じられたから。


「唐園は、蛭地生徒会長が好きなのか?」

「……うん、彼が好き。幼い頃から、よく知っていたから」

「どんなところが?」

「いつでも何事にも熱心なところ。

どこにでもいそうな顔で、でもちょっとかっこいい彼。

それから、それから……」

唐園が、生徒会長を流暢に語っていた。

頬を赤らめて嬉しそうに語る唐園に、俺は話を聞いていた。


「おほん!とにかく彼を奪ったカガミンは、嫌いなの」

「でも、唐園は望月と親友なのだろう」

その言葉に、否定も肯定もしなかった。

唐園は、喧嘩をしたい訳じゃ無いのはすぐに分かった。


言い合いながらも、後ろめたさも彼女の中ににじむ。

ああ、青春だな。俺の時には、そんな青春は無かったけど。


「唐園は、何が不満なんだ?」

「不満は無い……ないから」

「俺も、どうにもならないことがある。

好きでも、好きを続けられないことがある。

それは、どこかで折り合いをつけないといけないんだよ」

「でも、私……」

やはり、唐園は迷っていた。


自分の親友が、自分の好きな人を奪った。

そのことが、唐園の中で絶対に許せない。

許せないけど、自分はもうどうすることもできない。


「どちらも、どうしても失いたくない」

眼鏡越しに、唐園が俺を見てきた。

悲しげな眼差しは、しっかり俺の顔を写していた。



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