第2話★15
腕を切ったり、薬を飲んでみたり、徘徊してみたり、一人が苦痛で、誰かと話したくて夜中街に座り込んだりしていたことがあった。
何もせず、ただ来る日も来る日も。
当時、高校一年であった私は、祖父母の家で暮らしていた。
幼い頃、母を亡くした私は、幼少期を母方の祖父母のもとで暮らしていた。
やがて父と兄と姉の住む家に戻されるても、私には受け入れる事ができず、平日と週末で行き来しながら育った。
高校生になったらずっとここにいていいよ。
その言葉を信じ、自分の家、家族と思える祖父母の家で暮らすことを夢見ていた。
しかし、祖父は厳しい人で、私に家族のもとでくらしてほしいのと、手に負えないのとで、
帰れ! 家族でもないのに何でいるんだ?!キチガイ!
などと毎日そんな風に邪険にされていた。
徘徊して出会った男と付き合うようになり、高校はずるずる引きずるようにしてやめた。
男やその周りとの関係も途切れ、何もなくなった頃、
大乱闘の末に私は父のいる実家に引き取られることになった。
「うちが嫌なら一人暮らしをしてもいいから。だから今は、きなさい」
それを聞いて、安心し、私はワゴンにつまれ運ばれた。
流れる高速道路を眺めながら、廃人のようなうんざりする程の毎日を、やっと終えることができる。そんな風に思っていた。
一人で、覇気ある暮らしを生きたみたい
自分の力で自分の人生を手に入れてみたい。
そして十六歳の夏が始まった。




