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第十六話: ラストバトル

尊は鏡花が連れ去られたであろう道を辿ると、ついに山の頂に鎮座する古びた神社へと辿り着いた。

拝殿の奥の台座の上には眠っているように見える鏡花が横たわっている。


「…鏡花を返してもらうぞ、山神ッ!」

尊が剣を構え、銀色の閃光が周囲を圧する。

すると台座の奥から大蛇が顔を表し、一瞬即初の空気が流れる。


だが、

「…待て。和平を提案しようではないか」

大蛇が地を這うような声で切り出した。


「別の生贄を捧げよ…さすればその娘は返してやる」

「断る」

尊の即答に大蛇は不安そうに長い舌を伸ばす。

「ならば、血筋でなくても良い。若い娘なら…」

「断る」

「…それなら男でもよい」

「断る。人間に危害を加えるなら、ここでお前を完全に封じるしかない」

尊が再び剣を握り直す。そして尊と大蛇は睨み合う。

しかし蛇は動かない。というより半身を切られこれ以上の消耗を避けたいようで戦いたくないようだった。


「あの、山神様、一緒に下界へ降りてきませんか?」

尊の後ろに隠れていた琥珀がひょいと飛び出して、言った。

「…何だと?我が人の世に?」

「山神様も人や人の暮らし、現世の文明に興味を示していましたよね。

姉様たちが私たちが現代で暮らせるようにしてくれますよ。」

「ふーむ。それは面白そうだが、今は空腹で仕方がない。」

「今の時代は生贄よりも美味しいスイーツがたくさんありますよ」

「…スイーツ?家来の猿や蛙が美味いと言っておった甘いものか?」

大蛇の瞳が揺れた。

「はい!パンケーキにパフェ、チョコレート、生贄一人を食べるより、ずっと幸せになりますよ!」

「…。よかろう、下界の味、我が確かめてやろうではないか」

その瞬間、大蛇の巨体が眩しい光に包まれた。

光の中から現れたのは長い黒髪を靡かせた切れ長の瞳が妖艶な美女。

年上のお姉さんチックな姿に尊は思わず声を上げた。


「…おまえ、女だったのか…」

「私のことは(なぎ)と呼ぶがいい。…ふふ、案外お前たちとは気が合いそうだ」

尊は呆気に取られていたが、琥珀がの手を優しく握った。

「大丈夫です。四人で楽しく過ごしましょう!」

「…いいのかこれで…」

尊は誰ともなしに呟いた。

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