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哀しみの向こう側  作者: たい焼きと宝石
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37.開戦


船室でエシャロットは、一人ベッドの上で考え事に耽っていた。


(まさか男という者がそのような生き物だとは思わなった。

同じ人間だろうと思っていた私はなんて愚かであろうか。

いや、騎士としてしか男性と関わってこなかったのだ。切り替えよう。

それにしてもカルアの言う駆け引きとはまるで戦争ではないか。

はっ!そうか!恋とは女の戦いなのだな。

だかしかし、カルアの言うようなことは私には厳しい。

なにか私にできることから始めなくては)


ブーオン!ブーオン!ブーオン!ブーオン!


「これはキース殿が言っていた警戒音か!」


エシャロットが甲板に出るとそこには皆が揃っていた。


「ディオ、シバいたのか。何が起きた!」


「エシャロット。前方見てみろよ。」


エシャロットは甲板の前方へと歩きながら前を見る。


「な!!何という大きさだ。あれが深海の悪魔・・」


「あれほどの生物がいるなんて俺も信じられない。ホントに世界は広い。」


「だな。いよいよってわけだ。気合い入れとけよ。」


「皆いるわね。」


カルアは拡声器を手に取り号令をかける。


「今こそ決戦の時!長きに渡り一族の道を阻んできた悪魔が目の前にいる!

だけど私達は進まなければならないわ!

相手が何者でもね!

ナージャの力、知恵、技術、そして一族の誇りを賭して、いざ開戦!!」


「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!!!」


「貴様ら。作戦は頭に入っているな?」


キースの言葉を受け、シバ達は作戦会議を思い浮かべた。






「で?深海の悪魔ってのはどんな魔物なんだ?

俺は名前だけしか知らねえ。」


「見た目は巨大なイカね。色は紫色してるわ。」


「イカ?この街に来た時に食べたあの白いものだな?」


「そう。だけど悪魔についてはすべてが分かっているわけではないわ。キース。」


「俺たちは何度かヤツと遭遇したことがある。

全敗だがな。何しろ戦闘にならない。」


「そりゃどういうことだ?」


「奴は巨体でありながら肉弾戦を仕掛けてこない。

物量による遠距離攻撃と海流操作が攻撃手段と考えられる。

触手から大量のイカを射出する遠距離攻撃。

恐らく口からだろうが、周囲の水を吸い上げたり吐いたりして自分の周りに渦潮を作り出す。

本体には近づくことができず遠距離でやられる。

奴と遭遇する前提で準備をしないと一方的にやられるだけだ。」


「まじかよ。剣でどうこうできるもんじゃねえぞ。」


「ではどうするというのだ。聞いた限りでは打つ手がないように思えるが。」


「貴様らには討伐の依頼をしたが、正直倒そうとは思っていない。

恐らく無理だろう。だが引かせることは可能だと考えている。

海の魔物はな。その行動に性格が出るといっていい。

奴は狡猾だが臆病ともとれる。

出現時期もある一定の周期があることが分かっている。

大方ヤツの天敵に住処を奪われているのだろう。

生命の危機を感じたら撤退する可能性は高いと言える。」


「なんか海すげえな。どんな弱肉強食だよ。」


「そこで作戦の話になる。まずは防御。

お前達にはこれをやってもらう。

遠距離攻撃についてはひたすら耐えろ。

あ、言い忘れたが飛んでくるイカは成人した人並みの大きさがある。

あと甲板に辿り着いたイカはそのまま肉弾戦を仕掛けてくるからそのつもりで。」


口をあんぐりさせる一行をよそにキースは説明を続ける。


「次に攻撃だがこれを実行する3人を紹介する。前に出ろ。」


キースの言葉を受け3人の色黒マッチョが姿を現した。

皆ビキニパンツのパン一で男前な顔をしている。

ディオ達から向かって右から二人は金髪角刈りで残りの一人は剥げていた。


「向かって右からゴズ、メズ、ポワソン、この3兄弟が攻撃の要だ。」


「ちょっとまてえええー!なあ、キース。てめえまじか!まじなのか?!」


「なにを馬鹿なことを。当たり前だ。

この3兄弟は一族でも屈指の実力者だ。

貴様こそなめるなよ。殺すぞ!」


(どうやらまじらしいな。

だがこの状況、俺には難易度が高すぎるだろ。

どっから突っ込めばいいかわからねえ。

あのシバが動揺を隠しきれてねえ。何てことしてくれてんだ。

ってか真ん中のお前!出てんだよ!脇から出ちゃってるんだよ!

なんで誰も突っ込まねえんだ!

おいエシャロット。指の間が空いた手で顔覆っても意味ねえだろ。)


「この3兄弟にナージャの兵器を持たせて本体を攻撃する。

悪魔に悟られないようジェットナージャに乗った一族をおとりに使う。

ああ、ジェットナージャは高速で水上を走る乗り物だ。その数30機。

3人にはそれに紛れて泳いで本体に向かってもらう。

3人とも恐るべき泳力を誇っている。

メズなどは水上を5メートルくらい走れるぞ。

渦潮でも対応可能だろう。」


「その微妙な特技が活かされるかどうかは置いておいて。

おいキース。勝算はあるんだろうな?」


「当たり前だ。殺すぞ!7パーセントぐらいあるわ!」


「もう好きにしろよ。」





上げた気合を下げられげんなりした3人の脇でキースが声を張り上げる。


「第一陣発進!ナージャの戦いとはどういうものか思い知らせてやれ!!」

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