表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
哀しみの向こう側  作者: たい焼きと宝石
33/39

33.踊り子


一行は港町マリナードに着くとすぐに港に向かう。

町の中は来る前にディオが話した通り、多くの人で賑わっていた。

ただ港に近づくにつれて人は多いものの、何やら険悪な表情を浮かべた人が増えていく。


「なあ、アンタ。ちょっといいか?何かあったのか?」


「ん?ああ、俺は仕事でここに来たんだがな。

今さっき船が出せねえって話を聞いてよ。

全くまいったぜ。この辺にいる連中も俺と同じで、予定が狂って困ってるんだろうよ。」


そう言って男は頭を掻きながら、港を後にした。


「船が出せないか。当てが外れてしまったな。」


「まあ、ここで油売っててもしょうがねえ。

酒場に行って飯でも食おうぜ。」


「わかった。その後にでも今後について話し合おう。」





「何なのだ!あの女性は!ほとんど裸ではないか!」


酒場に入ったエシャロットはまず目に映った光景に声を荒げた。

この酒場は今まで旅で訪れたどこよりも一番大きかった。

酒場の中央奥にはステージがあり、その後ろで五人が楽器を演奏している。

ステージ中央ではメルダと同じくらいの年の女性が、音楽に合わせて踊っている。

紫の波打った長い髪、口に薔薇を咥え、小麦色の肌には胸と腰辺りだけ申し訳程度の布を着けていた。

そんな彼女の情熱的な踊りに、店内の客は酒を片手に大盛り上がりである。


ディオはステージに少しだけ目を向けた後、シバと一緒にショックを受けているエシャロットをテーブルへと連れていく。


「とりあえず飯食って落ち着け。

ここの飯はちょいと珍しいぜ。」


「う、うむ。済まない。少し驚いただけだ。」


「ここはディオの言った通りいろいろと変わってるね。

俺は楽しいと思う。」


「だろ?世の中は広い。てめえが知ってる世界がすべてじゃねえ。

いろいろ見て、体験して、そうして自分の世界が広がっていく。

それが人の生ってもんなのかもな。

その形は様々だが、お前さん達の世界が素晴らしいもんになることを祈ってるぜ。なんてな。」


「ほんとに時折貴殿はすごいことを言うな。自分の未熟さを痛感させられるよ。

だが、そうだな。我々の作る世界に乾杯しよう!」



3人は食事を終え、何人かの客から情報をもらいこれからのことを話し出す。


「船がいつ出せるようになるかもわからねえか。」


「これでは今は南東の島にいけないな。いっそのこと私のことは後回しにしてはどうだ?

前にも言ったが私自身は急いでいるわけではない。」


「あら?あなた達船をお探し?」


「君はさっきまで踊っていた・・」


「久しぶりだね、ディスト。やっぱり生きてたんだ。」


「ああ、久しぶりだな。カルア。」


「ディオ。彼女と知り合いだったのか。」


「以前コイツらから依頼を受けたことがあってな。

で、俺になんか用か?

どうせお前のことだ。知り合いの顔見に来たってわけじゃないんだろう?」


「つれないわね。まあ、いいわ。

あなた達の話が少し聞こえてね。船がいるんでしょ?

私が出してやってもいいわ。ただし条件がある。


どう?少しは聞く気になった?」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ