27.怒りの足跡
ポリーの示す方向を頼りに一行は歩を進める。
道中タパタとポリーは楽しそうに話しながら、駆けずり回っている。
道に咲いている花を眺めたり、飛んでいる虫を追っかけたり。
「ポリーは確かペガサスという聖獣だったな。」
「ああ、調べもんしてる時何度か文献で目にしたな。
もっともこんな小さくはなかったんだが。」
ポリーは白い体毛に覆われた馬に小さな羽が生えている。
体は成熟した猫ぐらいの体格で、本来より非常に小さい。
今ある情報で行き先の目星を考察しつつ、一行はバハラの町につく。
「ん?タパタどうした?」
「う、うん。ここね。僕とお姉ちゃんが住んでた町なんだ。」
早速皆情報を集めるため行動を開始する。
シバとタパタとポリーはタパタが住んでいた家へと向かった。
「すまない。こちらはそれらしい情報は得られなかった。」
「こっちもだな。
まあ、変わった話ではもう少し東へ向かった先に、誰も近づかない湖があってな。
そこに魔族が住み着いてるってやつだな。
もっとも何か被害があるってわけでもねえんだが。」
「タパタと姉を養っていた屋敷の周辺で聞き込みをした。
いなくなった家の者は帰ってきていない。
おそらくディオのいう湖。
その屋敷の者はいなくなる少し前に、そこに向かったのではないかという話があった。」
「どちらもポリーの行き先には関係なさそうだが。
タパタの姉の失踪の手掛かりになるのではないか?」
「まあな。どうする?シバ。」
「魔族は人と生息域が異なる。
寿命にもよるけど人にない知識を持つ者もいる。
タパタのことも含めていくべきだと俺は思う。」
「相手は魔族だぞ。」
「前にも言ったと思うけど、この世界の生き物は種を問わず、すべてが人に敵対するわけじゃない。
魔素の影響で暴れるものがいるが、どちらかと言えば人間側が勝手に恐れている部分が大きい。」
「まあ、被害があってからじゃ遅いからな。
だが、わかった。その湖に行くとしよう。」
湖周辺にはたくさんの背の高い木々が湖を囲うように生えている。
一行がその木々の中に足を踏み入れると魔物の襲撃を受ける。
(おかしい。これらの魔物の魔素はそれほど多くない。
逆に多いのは。。)
明らかに殺気だった魔物たちを一掃してからシバが口を開く。
「この魔物は写魔の影響を受けている。
ウルガ族の感知は感情を色のように判別するんだけど、これらは基本的に確当する色に当てはまらない。
これではっきりした。
里を滅ぼしたのも、この魔物たちの異変も怒の写魔の仕業だ。」
シバの言葉を聞いて嫌な予感を感じつつ一行は林を抜ける。
【そこで止まれ。人間よ。】




