26.タパタとポリー
タパタ達と出会った一行は、次の町テーベへ急いで向かう。
回復したとはいえ、タパタ達を休ませたほうがいいとの判断からだった。
「わあ、僕こんなにたくさんのご馳走初めて見たよ。
ほんとにいいの?
僕お金持ってないよ。」
「そうかそうか。気にせず食べるといい。
元気にならないと旅はできないぞ。
ポリーもたくさん食べるんだぞ。」
「とりあえず飯食ったら寝とくんだ。
それがお前さんの今日の仕事だ。」
テーベには普段より少し長めに滞在した。
タパタ達の体力回復、旅支度を済ませる。
このそこそこ大きい町はタパタを十分楽しませた。
「ねえ、ねえ。シバお兄ちゃん、あれなに?」
「あれは串焼きという食べ物だ。
串に肉や野菜を指して直火で焼いたものだな。」
「すごいね、ポリー。知らないものがいっぱいだね。
僕もポリーも楽しいね。」
タパタはすぐにシバになついた。
逆にディオには少し距離を置いている感がある。
一歩引いて二人を見守りながら、ディオとエシャロットがついていく。
「タパタの面倒はシバに見てもらうか。
それがアイツのためにもなるだろうしな。」
「なんだ?拗ねてるのか?」
「馬鹿言ってんじゃねえよ。
それにタパタやポリーの態度の理由に心当たりがないこともないからな。
問題ねえ。」
「そうか。それにしても今いる全員が依頼者ということか。
以前貴殿から聞いてはいるが、契約とは不可解なものだな。」
「まあ、お前はそのことに関して考える必要はねえよ。」
「ふむ。今後はどうする?
タパタの目的を優先して行動ということでいいのか?」
「だな。この旅は危険を孕んでいる。
あんなガキを長いこと連れまわすのはさすがにまずいだろ。」
「ということはまずポリーの帰る場所がどこなのか、か。
とりあえずタパタのことも併せて話を聞く必要があるな。」
「いちおシバにも聞いたんだが、聖獣の情報はあまり持ってないらしくてな。
わからんそうだ。」
宿に戻った一行はタパタにとった部屋で話をすることになった。
「タパタ。ポリーの帰る場所について私たちは心当たりがない。
また旅を共にする君たちのことを知りたい。
どんなことでもいい。
話してもらえないだろうか。」
「うん、わかった。
僕ね、お父さんとお母さんの顔知らないんだ。
魔神が暴れた時に死んじゃったんだって。
小っちゃかったから覚えてないんだ。
お姉ちゃんと二人だけで住んでた。
お姉ちゃん頑張って働いてたけど、食べるのも大変だった。
でもお金持ちの家の人がお姉ちゃん気に入って、住み込みで働かせてもらえるようになったんだ。
僕も一緒だよ。
暫くして、僕病気になっちゃったんだ。
誰も僕を助けられないって言ってた。
でもある日お姉ちゃんが、薬持ってきてくれて僕の病気治してくれたんだ。
それからお姉ちゃんはいつも楽しそうだったよ。
そんなお姉ちゃん見てると僕も楽しくなった。
でもね。お姉ちゃんいなくなっちゃった。
そして住んでた家の人もいなくなっちゃった。
よく来てた行商人のおじさんが家の人戻ってくるまでって、僕を面倒見てくれることになったんだ。」
タパタはポリーを撫でながら話を続ける。
「最初はおじさんもおじさんの家族も、僕のこと大事にしてくれたと思う。
でも、おじさんが商売で失敗しちゃって。
それからみんな僕のこといじめるようになっちゃった。
そんな時、おじさんが嬉しそうに一匹の動物を持って帰ってきたんだ。
これでやり直せるぞって。
それがポリーなんだ。
ポリーはすぐには売られなかった。
おじさんはできるだけ高く売ろうと考えてたから、欲しい人がいてもすぐに売らなかったんだ。
ある時僕が倉庫で仕事してる時、いつものようにおじさんに殴られた。
倒れた拍子に僕は、堅い荷物に頭ぶつけちゃったんだ。
そしたら、ポリーが僕を不思議な力で治してくれたんだ。
それからポリーがお話ができるようになったんだ。
僕は仕事の合間はずっとポリーと一緒にいた。
僕たちは友達になったんだ。
名前も僕がつけたんだよ。
ポリーはいつも帰りたいって言ってた。
でも僕はそんなポリーに何もしてあげられなかった。
ポリーの買い手がついたって話を聞いたとき、気づいたらポリーを連れて逃げちゃってたんだ。
ポリーは行きたい場所の方角だけわかるみたい。
僕はポリーに教えてもらいながら歩いてたんだ。」




