17.シバとチャロ
ドリアードは元々知性の高い生物であり、人の言葉を知らないだけである。
シバとチャロは人の言葉で会話しているのではない。
シバは人の言葉に写魔と対話する技を用いて話した。
チャロはシバの思念から人の言葉を理解していく。
それでもわからない時はシバに直接聞いた。
チャロが生きるための環境作りは劇的に進んだ。
何が必要か、この地で使えそうなのはどんなものか、チャロ本人に確認できるようになったためだ。
【シバ、いつもありがとう。
いつかチャロシバの役に立つ。
シバにお返しする。約束。】
【ありがとうチャロ。どんなお返しかなあ。楽しみにしてるよ。】
植物の手入れをしながらシバは気になっていたことを聞いた。
【本来生息できないここにチャロがいたのはなぜなんだ?】
【チャロここに落ちてきた。
チャロここじゃない場所で生まれた。
そこたくさん他の生き物いた。
よく生き物喧嘩してた。
いつもチャロ木になってじっとしてた。
大きな生き物ともっと大きな羽の生えた生き物喧嘩した。
大きな生き物たくさん動いた。
大きな生き物動かなくなった時、木になったチャロ横で倒れてた。
もっと大きな羽の生えた生き物、大きな生き物と木になったチャロ持って空飛んだ。
ずっと空飛んでて、チャロだけ落ちちゃった。】
【生存競争に巻き込まれちゃったんだね。仲間とはぐれて寂しくないか?】
【ここに仲間いない。でもシバいる。寂しくない。】
【僕もそうだよ。チャロがいるから寂しくない。一緒だ。】
ある時いつものようにチャロの周りの植物の手入れをしていた時、一匹の魔物が襲ってきた。
シバはチャロを守りながら魔物を殺す。
【この子かわいそう。シバと友達になれない。】
この世界に存在する人外は、すべてがむやみに人を襲うわけではない。
野生の動物とほとんど変わらない。
ただ魔素と結合している彼らは個体差はあるが、魔素を取り込みすぎると力と引き換えに狂暴性が増す。
【チャロこの子みたいになるのやだ。
チャロじゃなくなっちゃう。
もしなったらシバいじめちゃう。】
【だいじょぶ。チャロは魔素のコントロールが上手な種だ。
自分で魔素を吸いでもしない限りそんなことにはならない。
でももしなったら僕がチャロを止めるよ。約束だ。】
【うん。約束。】




