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哀しみの向こう側  作者: たい焼きと宝石
15/39

15.メルダ


メルダから武器が完成したという報が届いたのはこの王都に来てから10日後のことだった。


「だいぶ待たせちまったね。

これがアンタの武器だ。」


包んでいた布を取るとそこには見事な武器が姿を現す。


「こいつぁ」


「これは青龍刀なのか?見事だな。」


シバは武器をじっと見ている。

エシャロットを除く3人にはこの武器の棒の部分が淡く光っているのが見えている。


「アタシはいろんな武器を造ってきたが、似たことはあるけどこんなのは初めてだ。

シバ、打ち合わせの時ディストからアンタのことを少し聞いた。

アンタが知っていることを話してくれないか?

この武器のこともそうだけどアタシと旦那のことだ。」



「恐らくメルダ。あなたには俺と同じ一族の血が混じっている。

そしてあなたの夫は一族の者ではないかと思っている。

一年前に一族は大量にその命を散らしている。

今も戻ってきていないということは。。」



「そうか。

アタシは父親の顔を知らない。

母親が女手一つでアタシを育ててくれたんだ。

アタシは物心ついたころから周りの人間には感じ取れないものを感じるようになった。

言葉で表現するのは難しいけれど、見えてないのにそこには確かに何かが存在してるんだ。

だから自分の異常性がなんなのか知りたかった。

当時の自分はその理由を顔も知らない父親にあると考えたんだ。

母親から聞く父親は人柄や性格といったこと以外はわからない謎の多い人だった。

一つ気になったのは彼が使っていた刀という武器のことだった。

この世界にそんな武器は存在しない。

そこに父親との繋がりがあると信じてアタシは鍛冶師になったんだ。

何本か自分なりに刀を作っても見た。」


<へえ、これは驚いたな。それは刀か?いい線いってるじゃないか。>


「驚いたのはこっちの方さ。

誰も知らないはずの刀を知っているやつが現れたんだから。

それからちょくちょくアイツはアタシの前に顔を出した。

アタシはアイツに当然興味を持った。

だけど父親と一緒でアイツは自分のことも刀のことも何も話さなかった。

そんなことを繰り返してたらいつの間にか夫婦になってた。

母親のことを思い出すと、自分の姿とよくダブって見えたよ。

笑っちまうね。

結局子供はできなかったけどね。

アイツはちょくちょく姿を消した。

いつかこんな日が来るんじゃないかと思ったよ。

こんなところまでアタシは母親そっくりだね。」






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