また秋に会おう! ~約束と新たな門出!~
琴の家へ戻るタクシーの中、ジークは最後の停車を願い出た。
共鳴本部だ。
答えが必要だった。
「先に帰ってるね、ジークさん。退院したばかりなんだから、あまり遅くならないでよ!」
「分かっとる、すぐ行くわ」
中に入ると、ナオがカウンターの向こうで輝くような笑顔で迎えた。
「覚えてますよ。あなた、六田ジークさん。弘司さんの息子さん」
「結局、親父のこと知っとるんか?」
ジークは尋ねた。彼の目には、父が完全な詐欺師ではないという希望の光が灯っていた。
「いいえ、でも昨日の朝、お父さんの名前を叫んだ時の様子が可愛らしくて」
彼女は母性的な口調で言った。その声に、ジークは自分が五歳の子供になったような気分になった。
「お父さんが大好きなんですね」
ジークは頬が熱くなるのを感じた。
間違いなく、自分の親父は現在、無名の存在だった。
彼は心の中で、二度とあの名前を後ろ盾として使うまいと誓った。
ナオは、初めてのプレオープントーナメントで優勝したことで、委員会から彼にとって非常に疑わしい特典が与えられると説明した。
島で最も重要なホテルチェーン、ミルトンホテルのいずれかで、週末を全額負担で過ごせるパスだった。
「こんな大したことない結果にしては、報酬が大きすぎへんか?」
ジークはそんな寛大さを疑って尋ねた。
「それは共鳴委員会が新人をやる気にさせるための措置です」
ナオは説明した。
「そうやって競争が生まれ、成長のサイクルが維持されるんですよ。ランクが上がれば、新しい特典が与えられます。そして、エリートクラスに到達すれば、好きなだけ無料でそこに住めます。共鳴者の楽園ですよ」
パスを手に、ジークは接続室へと向かった。
タラニスとの再会の時間だ。
◇
リンボの領域にて。
「こんにちは、こんにちは……」
ジークはタラニスの部屋に実体化しながら言った。
そして、その変化に気づいて足を止めた。
玉座の間は、より鮮やかで温かい色合いになっていた。
先史時代のテレビのそばには、古風だがエレガントで広々としたソファが置かれ、三人は楽に座れそうだった。
タラニスは石の玉座を古いタイプライターのそばに移動させ、今では空虚そのものよりもその物体を眺めることを楽しんでいるようだった。
埃は消え去っていた。空気はほのかにお香の香りがした。
「やあ、小僧。勝利おめでとう」
彼女は答えた。その口調は平坦だったが、特徴的な刺々しい攻撃性はなかった。
「冷たいなぁ。賭けのこと忘れたんか? 今は対等やで。もっと丁寧に扱いぃや」
ジークはしたり顔で言い、新しいソファにどさりと身を沈めた。女神のすぐ隣だが、真ん中の席は空けたまま。
タラニスは頭をかき、自分もソファに座った。
「努力はしとるんじゃ、ええか?」
彼女はため息をつき、こめかみを揉んだ。
「この穴ぐらで、もう一人じゃないってことに慣れるには時間がかかるんじゃ」
彼女はすぐに話題を変えた。
「それより、なぜあの最後の一撃を放とうと決めた? 最初に聞いた声が張のものだったのは驚いたぞ」
「彼女が現れるって知っとったんか?」
「いや、だが賢明じゃった。メレニスについて話した時のこと、覚えておるか?」
「ああ……。なんでや?」
明らかに、ジークは忘れていた。
「剣に宿る魂はそれぞれに個性と意志を持っておる。張は誇り高く高潔な戦士で、何より善良な人じゃった。彼女は肉体的には死んだが、その本質は鋼の中に生きておる。お前がメレニスを携える時、彼女たちはお前の視界を共有し、お前を価値あると判断すれば、理想の武器を提案してくるのじゃ」
「つまり、一人で戦っとるわけやないってことか?」
「まあ、そうじゃな。メレニスが要求する精神力に打ち勝てば、声を聞かずとも彼女たちを起動できるようになる」
タラニスは一呼吸置き、タイプライターを見つめた。
「戦戟は、あの二刀の少年に対する最良の選択じゃった。だが張は、助ける前にお前を少し苦しませたかったのじゃろう。お前の胆力を試したかったのじゃ」
「なるほど……そういう仕組みか」
ジークは自分の手を見つめながら考えた。
「なあ、でもそんなに凄い武器で、そんなに強い魂が宿っとるのに、なんであの剣はこんなに錆びて折れとるんや? こんな時代遅れなもんを人前で抜くのは恥ずかしいわ」
突然、鈍い衝撃が胸を襲い、息が止まった。
タラニスが素早く正確な蹴りを食らわせたのだ。
「その剣は、我を象徴しておるからじゃ、馬鹿者!」
彼女は叫んだ。その目は神の怒りに輝いていた。
「人間は我を忘れ、錆びついたものとして見るじゃろう。だが、我は今もなお致命的なのじゃ! 我を侮るな、六田ジーク」
突然、ジークは何かに気づいた。
彼女はもう彼を「小僧」と呼ばなかった。彼の名前を使ったのだ。
「お前に失望されへんのはこっちの方や、小物の女神」
彼はそう答えた。打撃から回復しながら、胸骨をさすりながら、皮肉な笑みを浮かべて。
「馬鹿者!」
タラニスは拳を放ち、ジークをリンボの床に叩きつけた。彼は痛みでのたうち回った。
息を整えようとしながら、ジークはトーナメントでの疑問を思い出した。
「なあ、真面目な話を一つ聞かせてくれ。残響が精神的なダメージなら、なんで準決勝の後から鼻血が出たんや?」
「精神的ストレスじゃろう」
タラニスは腕を組みながら答えた。
「言ったであろう、メレニスには強い精神力が必要じゃと。戦士たちの声が自分の精神をさまようのを感じたことで、状況を理解できないストレスから脳が崩壊したのじゃ。慣れるまではな……受け入れられるようになるまで」
彼女は一呼吸置き、神具をジークに投げつけた。
「それまで……これを見てみよ」
ジークは宙に舞う錆びた剣を掴んだ。
「戦うんか? 俺、弱っとるんやで。それはずるいやろ」
「馬鹿者、鞘から抜いてよく見よ」
ジークはメレニスを鞘から抜き、小さな満足の笑みが顔をよぎった。
刃は完全だった。
メレニスは勝利の後、修復され、元の形を取り戻していた。まだあの錆びた古びた外見は保っていたが。
それは大きな始まりだった。
女神を最後にもう一度かき乱そうと、彼は言った。
「次のトーナメント、わざと負けるわ。折れた刃の剣の方が好きやった」
彼は含み笑いを漏らしたが、その音は激しい風切り音に遮られた。
空気が飛行機のエンジンのように鳴り始めた。
タラニスの拳が、彼の胸に炸裂しようとしていたのだ。
「この愚か者! 我を舐めるなよ!」
彼女は叫び、荒々しくソファに身を投げ出した。
痛みと不確かさの中でも、ジークはこれが始まりに過ぎないことを知っていた。
小倉は最初の一歩だった。
最高になるための道は、まだ始まったばかりだ。
◇
リンボから意識が戻った時、まだ体は牛の群れに踏み潰されたかのようだった。
あのイライラしやすい、手が重い女神タラニスの打撃は、トーナメント後の回復に全くもって役に立たなかった。
琴の家に帰ろうとしたが、共鳴本部の受付に着くと面白い光景に出くわした。
山とウルライスがちょうど到着したところだったのだ。
「ジケッチ、偶然だね!」
山はいつものように元気よく叫んだが、俺の包帯を見て声を潜めた。
「天照先生に呼ばれたんだ。リンボでの僕の攻撃性のなさについて、まだ話すことがあるって。出てくるまで待ってる?」
俺は彼らを待つことにした。
山は神との謁見のために接続室へ入り、ウルライスは優雅な無関心さで出口へ向かって顎をしゃくった。
「煙草を吸いに出る。ここは空気がリサイクル臭くてかなわん」
俺は彼に付き合った。
新鮮な空気が必要だったし、心の底では、このあまりに対照的な二人の関係に鋭い好奇心を抱いていたのだ。
本部の入口で、小倉の午後の柔らかな日差しの下、俺たちはここ数日の混沌の後の静かなひとときを共有した。
ウルライスの煙草の煙が、怠惰に空へと昇っていく。
「やあ、ジケッチ」
ウルライスが突然そう言い、山の甲高い愛らしい口調を完璧にパロディした乾いた笑いを漏らした。
恥ずかしさで頬が熱くなるのを感じた。
「お前もそんな風に話すんか? 一人で十分やわ」
俺は視線をそらしながら答えた。
「安心しろ、俺はあいつほど熱狂的じゃない」
彼は真面目な口調に戻って言った。
「山はいい奴だ。だがな、一人でいるのが死ぬほど苦手なんだ。部屋に誰かいると感じないとパニックになる子犬みたいなもんだ」
「いつから知り合ったんや?」
俺は、あまりに対極な二人の絆を解き明かそうと尋ねた。
「三ヶ月前、だな。万済州で会った。俺はそこで二つのオープントーナメントを勝ち上がったばかりで、掲示板でルームメイト募集の貼り紙を見つけたんだ。しばらく滞在して訓練するつもりだったから、一ヶ月のつもりで紙を剥がした」
「山は一人で住んどったんか? 想像できへんな……」
「正確には違う。アパートに着いた時、山はすっかり落ち込んでいた。途中で知り合った友人と一緒に借りたが、二週間でそいつは何も言わずに逃げ出し、家賃の請求書と公共料金の借金、明け渡しの脅しだけを残していった。俺が自己紹介すると、山は昔からの知り合いかのように両腕を広げて迎えてくれた」
「じゃあ、いつもそんなに人を信じやすいんか?」
俺は、山が何度も騙されている姿を想像しながら尋ねた。
「そうだ。普通、俺は他人に興味がない、ジーク。自分のペースが好きだ。だが、あいつには何か壊れた部分がある。直さなければならない何かが。それを個人的な挑戦だと受け止めた。旅を続ける前に、彼を自立できるように導きたい」
俺はため息をつき、新しいのに擦り切れたスニーカーを見つめた。
「島での生活は、一人で来て金がなければ厳しいやろ?」
自分のぎりぎりの金銭管理を思い出しながら言った。
「相対的だな」
ウルライスは煙草を一服しながら答えた。
「俺は一人で来て、金には困らなかった。才能のある新人共鳴者は、住む場所や訓練のルーチン、トーナメントのスケジュールを得るために事務所に応募する。だが山の場合は……まあ、彼は特殊なケースだ」
ウルライスは虚空を見つめ、一瞬、その目は時間を遡るかのようだった。
◇
「なあ、ウルライス! ずっと助けてくれてありがとう!」
数ヶ月前、山は飛び跳ねながら叫んだ。
「もう大きな一歩を踏み出す準備ができたと思う。今日こそ、ついに共鳴カードを手に入れるんだ!」
「気にするな、山」
ウルライスは皮肉な笑みで答えた。
「俺も今月は多くを学んだ。特に、人間の胃袋が一日でどれだけのインスタントラーメンを処理できるか、ってことをな……」
「あの日はすごくお腹が空いてたんだ、ははは! 六杯食べたっけ? それとも七杯? よく覚えてないけど、スープが最高だった!」
万済州の第12共鳴本部へ向かって歩きながら、ウルライスは思索にふけった。
(なんて奇妙な感覚だ……なぜ置いていくのが辛い? これは一ヶ月だけのつもりだった。まあ、十分に助けられたはずだ。山が正式な共鳴者として戻ったら、選んだエージェンシーに同行して、正式に別れよう。そう……何しろ、俺はいつも一人で道を切り開いてきたのだから)
「行ってくるよ、ウルライス! 見てて、新しい人間になって戻るから!」
山は建物の敷居をまたぐ前に叫んだ。
「分かってる、山。ここで待ってる……」
ウルライスは近くのベンチに座り、辛抱強く待った。
しかし、二十分も経たないうちにドアが再び開いた。
山はあの陽気なオーラを纏ってはいなかった。肩を落とし、おどおどと歩き、おずおずと指をいじっていた。
「どうだった、山?」
ウルライスは立ち上がって尋ねた。
「うん、ウルライス。強い神と共鳴したよ、本当に……」
「おお、素晴らしい。で、誰だった?」
「天照……」
「おい、それは高位の女神だぞ!」
ウルライスは心から驚いて叫んだ。
「なんでそんな顔してるんだ? 祝うべきだろ」
「エージェンシーを見に行かない?」
山はいつになく早口で遮った。
「すぐにでも入ってリズムを崩したくないんだ」
二人はその地域で最も権威ある事務所の一つ、朝獅子へ向かった。
山はおどおどと入り、十分後に完全な敗北の表情で戻ってきた。
「どうした、山? お前らしくない。中で何があったか話せよ」
「実は……神具をもらえなかったんだ」
山はほとんど囁くように告白した。
「どういうことだ? 同期エラーでもあったのか?」
「女神が僕を見て、リンボにいる間ずっと可愛がってたんだ。抱きしめて、可愛いって言い続けて……武器を頼む時間がなかった」
ウルライスは完全な不信感で彼を見た。
「本当か? 共鳴の歴史で初めて聞く話だな。まあいい。事務所に誰と共鳴してるか言ったのか? 天照の名前だけでレッドカーペットを敷くぞ」
「言ったよ。でも神具を見せてくれって言われて、できなかった。嘘つき呼ばわりされて、エリート事務所に潜り込もうとする詐欺師だって言われて、追い出されたんだ……あまり優しくない形で」
「何だと!? あいつら、覚えてろよ!」
ウルライスは拳を握り、オフィスに乗り込もうとした。
山は彼の腕を掴み、黙って首を振った。
その瞬間、ウルライスは彼を置いていけないと悟った。
もうしばらく留まろう。少なくとも、この無防備で優しい少年が武器を手に入れ、自立できるようになるまで。
山の機嫌は、友が去らないと知って一瞬で変わった。ウルライスもその馬鹿げたエネルギーに感染し、出発の計画を忘れることにした。
◇
「とまあ、そういうことだ」
ウルライスは煙草の吸殻を舗装路に押し付けながら締めくくった。
「なるほど。お前、ほんまにええやつやな、ウルライス」
俺は心からの笑みを浮かべて言った。硬派な外見の裏に、巨大な心を持っていた。
「いや……そうでもない」
彼は視線をそらし、その外見に似つかわしくない恥ずかしさの痕を見せて答えた。
「ただいま、みんな!」
山が突然現れ、本部から幸福に満ち溢れて出てきた。人生に一瞬たりとも悲しみがなかったかのように。
「師匠との話はどうだった?」
ウルライスが尋ねた。
「うん! 天照先生がついに剣の構造を説明してくれて、それに強力な技も教えてくれた。早く戦闘で使いたいな」
「俺もトーナメントでまた会いたいわ、山」
俺は付け加えた。
「緊張に飲まれへん時の実力、ほんまに見てみたい」
「今日、勝負しない? なあ、やろうよ! ここで友情の決闘! 近くのトーナメントを探そう!」
「おい、アホ」
ウルライスは軽くげんこつを食らわせて叱った。
「昨日のジークの様子を見なかったのか? やっと立てるかどうかだ。それにお前も昨日のせいで腕がまだ弱ってる。考える前に口を開け」
「ウルライスの言う通りや。身体的に回復するには少し時間がかかる」
俺は認めた。
「ところで、これからどこに行くんや?」
「今日は小倉を少し観光するつもりだ。何しろ、明日には万済に帰るからな」
ウルライスが説明した。
「そこに住んどるんか? 遠くないか? じゃあなんでここに?」
「実は、ウルライスはウォレスビーチであるサザンクラシックに出たかったんだ。七日後だけど……うーん」
山は手をいじりながら、おずおずと笑い始めた。
「技術的な理由は、ランキングのトップ16に入るのにあと五十五ポイント足りなかったんだ。それがあれば、ウォレスビーチのサマークラシックに出られた。そのポイントをくれるクラシックトーナメントがここ、小倉で開かれるはずだった……」
ウルライスは諦めのため息をついて説明した。
「三日前、登録前に、山が十度目の正直で神具をもらいに共鳴本部に行きたいと言い出した。待って、待って、待った……があのバカは出てこなかった。ようやく現れた時には、女神のキスの跡で顔中が覆われていて、トーナメントの登録は締め切られていた。別の大会にギリギリで登録することもできたが、クラシックレベルのイベントに十分な休息なしで臨みたくない」
「少なくとも今回の訪問は無駄じゃなかった」
ウルライスは付け加えた。
「山はデビューできた。だが家に帰ったら過酷な訓練が待っている」
「なるほど。災難やったな」
俺は彼らに少し罪悪感を感じながら言った。
「まあ、心配すんな。秋のクラシックに登録できる。準備の時間はまだある。もしかしたら、三ヶ月後にそのアリーナで会えるかもしれない」
「そうだよ、ジーク! クラシックランクに上がって、秋のクラシックに出よう!」
この挑戦が、これからの俺の励みになる。
「約束や。万済でまた会おう」
俺は固く言った。
「へっ。そうなるさ」
ウルライスは手を振って別れを告げた。
「そろそろ行く時間だ。山がテレビで話題のココナッツ餅を食べたがってる。それに、抹茶もまだ飲んだことがない。今日はいい機会かもしれない」
「じゃあな、ジケッチ、そこで会おう! 訓練頑張れよ!」
俺は二人が人混みに消えていくのを見送った。
帰り道を歩きながら、つい先ほどの約束を考えずにはいられなかった。
早く回復して、メレニスとの技術を磨き、万済に万全の状態で行かねばならない。
彼らの前で負けるわけにはいかない。
だがその前に、できるだけ早くランクを上げる方法を考えなければ。
物思いにふけっていると、角を曲がったところで突然叫び声が聞こえた。
「危なあああああい!」
太く力強い声だった。
衝撃は避けられなかった。
トラックのような力で正面からぶつかられた。
二人は四肢とプラスチックの轟音と共に地面に倒れた。
「このアホ、何しとんねん!」
俺を轢いた男のすぐ後ろを走ってきた別の少年が叫んだ。
「でも兄ちゃん、兄ちゃんが殴ろうとするから走ったんやで!」
俺の上にいた大柄な男が叫んだ。
「だから殴りたかったんだよ、バカ! ガチャポンに全財産を使う奴があるか! 見ろ! 袋が役に立たないプラスチックの動物でいっぱいだ!」
まだ痛みを感じながら、衝撃で破れた袋の中身が見えた。
何十ものアヒル、ひよこ、子牛、子豚のプラスチックが、ガチャポンのカプセルに入ったまま歩道を転がっている。
「すまんな、友よ。大丈夫か?」
大柄な男が手を差し伸べて尋ねた。
(いや! 明らかに大丈夫やない!)
「ああ、心配すんな」
俺は肋骨の抗議を感じながら立ち上がろうとして答えた。
「立つのを手伝ってくれ」
「おい……お前、ボロボロじゃないか」
男は俺の包帯とよろめく歩き方を見て言った。
「何があったんや? 電車に轢かれたんか?」
「昨日トーナメントに出て勝ったんやけど、かなり重症でな」
俺は顔をしかめて説明した。
「心配すんな、歩ける……たぶん」
その瞬間、二人の男は意味ありげな視線を交わした。俺には読み取れないものだった。
現場に新たな強さを宿した目が向けられた。
「なあ、一つ聞きたいんやけど」
より真面目な顔をした少年が、ためらいの仕草をしながら言った。
「二本の刀で戦う男について、何か知らないか?」
「は、はい」
俺は答え、声に疑念が混じり始めた。
「なんでそんなこと聞くんや? 坂田の友達か?」
「俺たちに付き合ってくれへんか? まさにその人を探しとるんや」
大柄な男が突然の、ほとんど圧倒的なエネルギーで叫んだ。
「俺、何か悪いことしたか? 坂田の病院のことなら、一銭も持ってへんと先に言うとくで……」
「そんなことちゃう」
真面目な少年が説明した。
「俺たちが探しとるのが本当にお前かどうか、誰かに確認してもらう必要があるだけや」
歩きながら、緊張を和らげるために自己紹介をすることにした。
大柄で外向的な男は井上魁斗、21歳。
金髪に紫のメッシュがとても目立ち、決して消えないような笑顔を持っていた。
もう一人は井上瞬、19歳。より分析的で、鋭い視線。すぐに彼が二人の頭脳だと分かった。
まあ、三人なら、俺も含めてだが。
彼らは俺に何を求めているのか正確には説明しなかったが、好奇心と、この島に来てから俺を追いかけているような奇妙な慣性に引きずられ、俺は未知へと彼らについていくことにした。




