|上京《シャンジン》の塔
このエピソードはかなり「日常」要素が強めとなっています。
そういった展開が苦手な方は次の話へ進んでいただいても大丈夫ですが、チームの雰囲気も伝わる回なので、できれば読んでいただけると嬉しいです!
周中の寺での停車から二時間後、夕暮れが最も美しい頃、キャラバンはついに上京へと入った。万済州の鼓動する心臓であり、東方共鳴の発祥地である。
ここで一行は、あまりにも些細で、あまりにも普遍的な障害に直面した。
そう、交通渋滞である。
彼らは最悪のタイミングで到着してしまった。ラッシュアワーだ。
万済州の中心部は、空を引っ掻くような建物がそびえるクリスタルのジャングルだった。贅沢と夜の生活が、島最大の州を定義している。
しかし、キャンピングカーの乗員にとっては――
「全然進まへんやん……」
華凛は退屈そうに不平を言った。異国の風景を見るという彼女の希望は、終わりのないバンパーとブレーキランプの行列へと縮小していた。
「落ち着いて、華凛ちゃん。これも冒険の一部よ! 大事なのは旅を楽しむこと!」
アキはいつもの楽観主義で叫んだ。
「このクソ渋滞をどうやって楽しめって言うのよ、アキ?」
「簡単よ。ボードゲームで!」
魁斗は、携帯ゲーム機に張り付いていたにもかかわらず、まだエネルギーに満ち溢れていて、すぐに飛びついた。
「面白い! でも賭け事にしようぜ」
瞬は最初は無関心だったが、周中の停車の後もアキの財布がまだ膨らんでいることを思い出し、千載一遇のチャンスを見出した。彼は特定のゲームに目を留めた。
「アキ、ジェンガはどれくらい得意なんだ?」
「超得意よ! みんなまとめて相手にできるわ! ピーブイイーでいきましょう!」
アキは、その略語が Player vs Everyone を意味すると信じて叫んだ。
(……その略語、違う意味やないん?)
華凛は心の中で思ったが、あえて口にはしなかった。
三人の共鳴者は、息の合った視線を交わした。
瞬が口を開いた。
「よし。お前が勝ったら、俺たち一人一万円ずつやる。アレクサンドロスも含めてな。だが、俺たちが勝ったら、お前が一人一万円ずつ払うんだ」
「なんで俺が!? 俺はここが動くかどうか見張らないといけないんだぞ!」
運転席でストレスを溜めるアレクサンドロスが抗議した。
「お前もチームの一員だ、プレイしなくてもな」
瞬は冷静に言い放った。
「共鳴者会議だ。アキ、塔を組み始めろ」
「いいわよ、その小さい会議とやらをやりなさい。あんたたちに勝てるわけないんだから」
◇
この戦いは、普段我々が目にするものとは違った。
神の名のもとに栄光を求めて戦う人間たちの話では、決してない。
この戦いは、知性、協力、混沌、そしてエゴの衝突だった。
瞬もアキも、それぞれ計画を抱えていた。
即席のチーム会議は、ほとんど聞こえない囁きで行われた。三人の共鳴者の頭が、テーブルの隅で寄り合わさった。
「聞け、俺には考えがある」
瞬は目に悪意の火花を宿して言った。
「アキがズルをするのは分かってる。あの無邪気な顔は何キロ先からでもバレる。だが、とどめを刺すのは俺たちじゃない。その役はアレクサンドロスだ」
魁斗は困惑して眉をひそめ、運転席をちらりと見た。
「どうやってあいつと連絡を取るんだよ? 車の反対側で、渋滞に集中してるんだぞ」
そこに口を挟んだのは華凛だった。敵のキャプテン――まだ塔を組み立てるのに夢中なアキを横目で見ながら、したり顔で言った。
「簡単よぉ。合言葉を使うの。それを聞いた瞬間、彼は何をすべきか正確に分かるわ」
瞬は頷き、すぐに相棒の思考の糸を理解した。
「つまり……」
「そう。それよ」
華凛は了解の仕草で確認した。
二人は無言の合図を交わした。二人の戦略家にしか分からない完璧なシンクロだ。そして、それぞれの席に戻った。
「おい、ちょっと待てよ……」
魁斗が後頭部を掻きむしりながら口を挟んだ。
「全然分からん。あの大男が何をするって?」
◇
三人の共鳴者が計画を練り終える頃、テーブルの反対側には、輝くようなアキがいた。軽やかなメロディーを鼻歌で歌いながら、怪しいほど繊細な手つきで木のピースを積み上げていた。
しかし、彼女の内心の独白は、野心と皮肉の戦場だった。
(ふふん! あの無能どもが、本当に私の罠に気づかないと思ってるの? 私には完璧な対抗策があるわ:私自身の罠よ! 中空の核を作るの。数ターンで、塔を不安定にして、ほんの少しの息で彼らの上に崩れ落ちるようにするわ。五万円で何するって? もう見えるわ:ウォレスビーチ州で一番豪華なスパのフルデイ。マッサージ、ビュッフェ、サウナ……ああ、最高よ、そして全部私のもの!)
彼女の壮大な妄想にもかかわらず、アキの悪意に満ちた表情はあまりに明白で、彼女の顔は一行にとって開かれた本のようだった。
瞬、魁斗、華凛の脳裏に同時に浮かんだ。
(ズルをする気だ。明白すぎる)
「ああ、一つ忘れてたわ」
華凛は自然にそう言った。
彼女は静かに立ち上がり、運転席に身をかがめてアレクサンドロスに短い言葉を囁き、運転手からほとんど気づかれないほどの頷きを得てから、平静な笑みを浮かべてテーブルに戻った。
◇
塔が組まれ、チームが決まり、キャラバンの空気に緊張が漂い、ゲームの準備が整った。
「アキ、お前からだ」
魁斗が腕を組んで言い放った。
「いいえ、いいえ、お願い……」
彼女は甘い笑みで答えた。
「あなたたちから始めて。最初の一手を譲ってあげるわ」
華凛は片眉を上げた。
「でもアキ、たった三手で追い詰められても文句言わないでよ。あんたから始めな」
「ふん! それなら……私から始めるわ!」
(馬鹿ども! これも全部私の計画よ。最後に始めさせてもらえないのは分かってたから、どんな動きにも対応できるように心のパターンを組んでおいたの。私の手のひらの上よ!)
事務所のオーナーはほくそ笑んだ。
しかし、瞬は彼女から目を離さなかった。
神経質なくせ、座り方、そして自信に満ちた目の輝きを分析した。
突然、彼の視線が一瞬だけバックミラーに逸れ、すべてが繋がった。
(アキ、お前はなんて予測しやすいんだ)
戦略家は、三国時代の将軍のような冷静さで思った。
(お前の背中に隠したピースがある。ミラーから見えるぞ。一つ、二つ……六つ。上部と中間は正しく見えるが、土台には通常のパターンに従わないピースが置かれている。見つけたぞ、このずる賢い女)
◇
アキは手を伸ばし、屋根から中間のピースを抜いた。構造を損なわない安全な一手だ。
ゲームが始まった。ローテーションは固まった:アキ、魁斗、華凛、瞬。
次は魁斗だった。決闘の深さをあまり理解していなかった彼は、屋根からもう一つピースを抜くだけに留め、今のところ安定を保った。
その次は華凛の番だった。
瞬の無言の指示に従い、彼女は時間をかけ、外の渋滞の混沌を観察してから、アキに目を据えた。
「これ、抜くわ」
彼女は冷徹な声で言った。
外科医のような精密さで、彼女は塔の土台の端を抜き、わずかに傾けた。
そしてついに、瞬の番だった。
バックミラーを通してアキの背中に隠されたピースをすでに見抜いていた戦略家は、構造にとどめを刺すことにした。迷わず、土台のもう一方の端を抜いた。
塔は絶対的な王手に置かれた。重力に逆らう奇跡的な均衡で支えられていた。
番はアキに戻り、そのプレッシャーは息苦しいものだった。
(今だ)
瞬は計算した。
(アキが救おうと一つのピースに触れた瞬間、俺の計画を実行する)
一方、アキの頭の中の歯車は、自分の従業員に囲まれて煙を上げていた。
(なんてこった! なんだこの動きは? 早く終わらせたいのか、でもそうはさせない。あんたたちの終わりよ!)
◇
キャラバンの緊張は絶頂だった。
アキは震える手で、自殺的な一手を打とうとした:反対側の土台からピースを抜く。
彼女の指が木に触れたその瞬間、瞬が合図を送った。
「なあ、華凛、ヨンセ州で食べたデザート、どう思った?」
「青リンゴのケーキのこと?」
「ああ、そう! 青リンゴが大好きなんだよ!」
魁斗が叫んだ。
その瞬間、魁斗の叫びでアレクサンドロスが合図を聞いた。
信号はまだ赤だったが、キャラバンと最も近い車の間には三メートルの余裕があった。アレクサンドロスはそれを知っていた。
(うーん、俺は青リンゴのケーキ、気に入ったな。少し酸味があったが、甘くてクリームたっぷりだった。……待て、なんでそんなこと考えてる?)
アレクサンドロスは約束の合図を忘れていた。しかし、信号が黄色になり……
トゥク。
「ははは!」
アキが勝利の叫びを上げ、車内に響き渡った。
「やった! 私のものよ! ごめんなさいね、愛しの共鳴者たち。そろそろ財布の準備を始めた方がいいわよ!」
彼女は興奮のあまり飛び上がったが、膝がテーブルの端にぶつかり、鈍い音がした。
塔は均衡を失い、苦悶の表情で揺れ始めた。
「くそっ!」
アキは叫び、その場で凍りついた。
「塔が動いてる! 待て、違う!」
魁斗が前に身を乗り出して轟いた。
「安定してきた!」
華凛が木を見つめて叫んだ。
「まずい、これは深刻だ!」
瞬はキャラバンの前方へ慌てて向き直った。
「アレクサンドロス、早く発進しろ!」
◇
空気は濃く、ほとんど電気を帯びていた。
木の構造は振り子のように揺れたが、ルールは明確だった。アキがターンを終える前に倒れれば、敗北は彼女のものだ。
心を一つにし、猛烈な集中力で、上司は正確な角度を計算した。彼女の手は外科医のスローモーションで動き、決定的なピースを頂点に置き、惨事を安定させようとしていた。
本当に緊迫した瞬間、予期せぬ動きが起きた。
キャラバンが前に出た。
ガシャーン!
ドサドサドサッ!
バラバラバラッ!
塔は倒れただけではなかった。木のブロックの雨と化し、テーブル中に跳ね返った。
「よし! やった!」
瞬は拳を突き上げて叫んだ。
魁斗と華凛は勝利の抱擁を交わし、それから主人公が眠る席に飛びかかり、即席の太鼓のように叩きながら、全力で叫んだ:
「キョー-メイ-シャ! キョー-メイ-シャ!」
◇
その轟音は、ジークを最も乱暴な方法で眠りから引きずり出した。
彼は飛び起き、心臓をバクバクさせ、視線を彷徨わせた。
「な……? え? な……何が起きてるんや……?」
彼はなんとか言葉を絞り出した。眠りで霞んだ頭で音節を繋げようとしながら。
仲間たちの笑い声を見て、肩の緊張は徐々に消えていった。
「くそ……」
アキは敗北し、席に沈み込んだ。
チーム・ボスのキャプテンは、土を舐めたのだった。
「さあ、皮肉屋の所長」
瞬は容赦ない笑みで言った。
「約束を守る時間だ。財布を開けろ」
瞬は容赦なく賭け金を回収した。それぞれに一万円を配り、眠そうなジークにさえも渡し、アレクサンドロスのところへ行ってその分を手渡した。
「いい動きだったぞ、大男。必要なドラマをくれた」
アレクサンドロスは札を受け取り、青リンゴが合言葉だったことをようやく思い出した。
キャラバンがウォレスビーチ州の境界へ向かって道を進む中、運転手は満足げに思った:
(思い知ったか、アキ。結局、この世界で大事なのは、とどめを刺すことだ)
旅は続く。
三十分後、旅の最終目的地が彼らを待っていた。




