|周中《ゾウゾン》の寺
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ジークが沢蟹に加わってから、数時間が経っていた。
夜までにウォレスビーチに着くには、危険だが効率的な道を行かねばならなかった。
小倉州、ヨンセ州、デリー州、万済州、そして最後にウォレスビーチ州。
だが、この旅は順調とは言いがたかった。目的地に着くまでに、多くのことが起きた。
全員が車内で快適に過ごしていた。
特にアレクサンドロスは、あの違法改造のボロ車から最高級のキャンピングカーに乗り換えたことで、身体的にも精神的にも健康を取り戻し、上機嫌でハンドルを握っていた。
後部座席の雰囲気は和やかだった。
魁斗は携帯ゲーム機で瞬とレースゲームに没頭し、親指を狂ったように動かしていた。
華凛はヘッドホンをつけ、憂鬱な目で窓の外の風景が消えていくのを眺めていた。
一方、ジークは何も知らずに深く眠っていた。
無理もなかった。
彼はまだ残響の影響から回復途中だった。あの強烈な同期の後に共鳴者のエネルギーを奪う、残響の残滓から。
加えて、及川を断るという難しい決断による前夜の不眠、重い昼食、そして車の柔らかな揺れが、彼を完全に戦闘不能にしていた。
ヨンセを出ると、道中はデリーへの束の間の訪問を提供した。混沌が常態化した都市で、群衆が至る所に溢れ、絶え間ない埃が全てを覆っているようだった。
しかし、最終目的地に着く前の最後の大きな区間は、島で最大の州である堂々たる万済州だった。そこでは道が危険で不安定になっていく。
デリー州と万済州の境界を走る街道は、険しい山脈に囲まれ、行き交う車の姿もまばらだった。
アレクサンドロスの胆力は、急勾配の道路や、めまいがするような断崖に沿った一方通行の小道を操縦する中で試された。
この区間、アキは完全なパニックに陥った。
アレクサンドロスは聖人のような忍耐で、ついに彼女に目隠しと耳当てを装着させ、平静を保たせた。そして、上司はついに眠りに落ちた。
「……この女、本当に予測不能だな」
アレクサンドロスはそう呟き、安堵のため息をついた。死のルートに熟練した運送業者の経験で、彼は運転を続けた。
◇
最も危険な区間を越えた後、彼らは最初に見つけた村で停まることにした。
この小さな冒険は、まだ休息を必要としていたジーク抜きで行われることになった。
一行は、周中と呼ばれる、質素で絵画的な村に到着した。そこでは時間が止まったかのようだった。
人々は漢服と呼ばれる伝統的な衣装をまとし、穏やかに歩いていた。それは、島における中国中央文化の最後の名残の一つだった。
「わあ、ここ、結構きれいやねぇ……」
華凛の視線が、ある好機を見つけて止まった。
彼女はアキを横目で見た。上司が策略の格好の標的であることを知っていたからだ。
「この衣装を買うのは、完全に正解だと思うんだわぁ。共鳴者の力と優雅さを示すし、沢蟹の名を州を超えたレベルに引き上げられるかもしれんよぉ……」
華凛は口元を隠しながら呟いた。
「老板!请給我拿六件這個衣服!女的两件,男的四件,拜託了!」
単純なアキが叫び、男たちが抗議する間もなく衣料品店に飛び込んだ。
(……今の、中国語だった? アキ、いつの間にそんなん……)
華凛は目を丸くして、一瞬だけ思考が停止した。
しかし、アキは瞬に耳を強く引っ張られ、店から引き離された。ちょうどその時、店員がメジャーを手に現れたところだった。
「華凛の服を買わせるための気まぐれだって、なんで気づかねえんだよ」
瞬はその光景に呆れ果てて言い放った。
「分かった! 耳を離してよ、瞬くん!」
アキは抗議した。
「……瞬、何?」
瞬の視線が冷たく、威圧的になった。
「瞬様! もう、離してくださいぃ!」
瞬は彼女を離した。しかし、それは彼女の懇願のせいではなく、前方の何かが彼の注意を引いたからだった。
◇
一行は彼の視線を追い、堂々たる光景を目にした。村の上にそびえ立つ大きな仏教寺院が、古の平和を放っていた。
「ようこそ、ご一行様」
地元の和尚が一礼して迎えた。
「美しい……このお寺、とても手入れが行き届いていますね」
華凛は心から感嘆して言った。
「それは、我々僧侶がこの寺を守り、敬い、保護するために人生を捧げているからです」
和尚は説明したが、その口調は陰鬱になった。
「しかし、我々の共同体全体を悩ませる問題があります。中央の実業家たちが、この場所を解体して道路を建設しようとしているのです。我々の村の自然の美しさを破壊することになります」
その知らせは一行に衝撃を与えた。
「解体まで、あとどれくらいの猶予があるんですか?」
瞬が尋ねた。
「徒歩六時間の村へ移るのに、三ヶ月です。しかし、我々は手をこまねいてはいません」
和尚は決意を込めて言った。
「我々には計画があります。ただし、危険な賭けではありますが」
「話してください」
華凛が頼んだ。
「我々の弟子の一人が、一年前に共鳴者になりました。彼は努力を重ね、クラシックランクにまで到達しました。今はサザンクラシックで優勝するために訓練しています。もしそれを成し遂げれば、エリートに挑戦してその座を奪うことができます。その地位があれば、解体を回避できるのです」
アレクサンドロスと魁斗は顔を見合わせた。
彼らもランキングで予選を通過しており、参加する予定だった。
「その人に会うことはできますか?」
アレクサンドロスが期待を込めて尋ねた。
「残念ながら、彼はここにはいません。すでにウォレスビーチで訓練しています。大会は五日後で、絶対的な集中が必要なのです」
和尚は衣の内側から写真を取り出した。
「彼です。名前は李芳。我々の仏陀に選ばれし者です」
写真の中で、李芳はチベット僧の衣をまとし、短く黒い髪を持ち、規律と信念に満ちた固い眼差しをしていた。
「俺……あいつ覚えとるで」
魁斗は珍しく真面目な顔で言った。
「チャレンジャーサーキットで三回戦った。全ての試合で負けた。あいつはめちゃくちゃ強く、神具も極めて強力や」
「彼がサザンクラシックに出るのか? 我々もそこに行く」
アレクサンドロスは和尚を見て言った。
「では、李芳と対戦するのですね。ご武運を祈ります」
和尚は敬意の仕草をした。事務所のベテランたちも厳粛にそれに応えた。
「直接また戦うかどうかは分からんが、そうでなければあいつを応援するで。あいつの大義は高潔やからな」
魁斗はいつもの楽観を取り戻して付け加えた。
◇
会話の途中、華凛はアキを呼び、寺院を背景に写真を撮ってもらった。
すると和尚は驚くべき敏捷さで二人に近づいた。
「美しいでしょう?」
「はい、こんな景色を保存するには、多くの……」
華凛は和尚の皮肉な仕草に遮られた。彼は親指と人差し指で輪を作る「お金」のジェスチャーをしながら、無言で手を差し出した。
華凛は諦めて上司を見た。
「アキ、二千五百円ちょうだい」
「なんで私が!? 写真を撮ったのはあんたでしょ!」
「でも、あんたも写ってるだで。ほら、払いなよぉ」
二人は魁斗とアレクサンドロスの面白がった視線の下で支払った。
「せっかくだから、全員で写真を撮ろうや!」
魁斗が提案し、五人と和尚を集めた。
写真は完璧に撮れた。背景には、訓練する若い弟子たちと、寺院の彫像や巨大な鐘を磨く者たちが見えた。
「はい、和尚さん。五千円や」
魁斗は笑顔で言った。
「一万二千五百円だ、若造」
和尚は動じずに訂正した。
「でも、彼女には五千円しか請求してへんやないか!」
「ああ、二人だったからな。一人二千五百円だ」
魁斗は大笑いした。
「分かったわ、爺さん。アキ、華凛、二人の分を寄こせ」
「なんでまたぁ……!?」
アキは財布から金を出しながらすすり泣いた。
「まあ、インスタに上げるにはいい写真になったでねぇ」
華凛は落ち着いて締めくくった。
その時、瞬が鋭い論理で目を細めた。
「待てよ、爺さん。一人二千五百円なら、あんたが俺たちに一人五百円ずつ払うべきだろ。あんたも一緒に写ってるんだからな」
和尚は瞬の大胆さに驚き、小さく笑い声を漏らした。
「分かったよ、若造。二千五百円まけてやる。一万円で手を打とう」
「それでいい」
瞬は勝利の笑みで頷いた。
◇
奇妙な体験の後、一行はキャンピングカーに戻った。
「よし、出発するよ! ウォレスビーチで夕食をとるなら、急がなきゃ!」
アキが指示を出した。
「ところで、ジークはどこだべ?」
「まだ寝てるで……おい、瞬、マジックペン持ってるか?」
魁斗が悪戯な笑みを浮かべて後方を指さしながら言った。
「やめとけ。彼は休む必要がある。シートベルトを締めろ」
アレクサンドロスがエンジンをかけながら言った。
「アキ、前の席に座っていい? 景色を見るのが好きなんだわぁ」
華凛が頼んだ。
「もちろん、華凛ちゃん! 私はこんな高い崖を見るのは怖いからさ……」
「おい、私はあんたより年上だでね。ちゃん付けはやめなよ」
「ノープ! 華凛ちゃん!」
こうして、快適なキャンピングカーは再び進路を取り、周中の平和を後にして、万済州の喧騒へと入っていった。南へと目を向けて。
アキの中国語のセリフは「店主さん! この服を六着ください! 女性用が二着、男性用が四着でお願いします!」という意味です。




