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風の国編18話

カグツチ達は城の入口を進んでいく。

そして少し進んでいくと見慣れた後ろ姿があった。

物音に気づきトリトン達は後ろを向く。

トリトンたちの付き添いの兵士たちも警戒して剣を抜く。

「………え?カグツチ!?皆も!?なんでここに?あ、仲間です。大丈夫です!」

トリトンは兵士をなだめている。

「一緒についてきたー?」

「実は………制圧部隊とやらに勘違いして追われてしまい………」

あー。と風の国の兵士一同は声を揃えて話す。

「外での待機が危険かと思い中に入りました。」

ペコリとラムチとアエリも会釈をする。

「そっか。了解!フロマ!ごめん。アエリとラムチさんの護衛をよろしく!」

「はい!」

フロマはラムチに駆け寄る。

「押すの代わりますよ」

「ありがとう」

そしてフロマがアエリの車椅子を押し始めた。

「でも城の中のほうが安全かもしれませんね。」

ハワーが話す。

「外は反乱が続いてます。城の中はそれなり落ち着いていると思いますよ」

「確かに」

「ひとまず玉座の間に向かいましょう!こちらです!」

見張りをしていた2人の兵士が先行して走って案内する。

「風の城は広いです!構造を理解していない兵士もたくさんいます!」

「ハワーさんも?」

「たまに迷います」

「シュー王子は?」

「めいきゅー」

「ですが我々2人は構造を理解してます!玉座の間への道のりもバッチリです!さぁこちらへ」

風の国の兵士達は廊下にでる。

すると廊下に出た瞬間にかなりの速さの何かが横切り、吹き飛んでしまう。

「!?」

一同は驚愕して、廊下に出る。

見張りの2人は完全にぐったりと失神してしまっている。

「大丈夫ですか!?」

トリトンは失神した2人に駆け寄り体を叩いて声をかけるも2人は何も返答を返さない。

トリトンは首の脈に手を当てる。

「………脈はありそうです」

「………いったい何が。」

廊下を見渡すと転々と兵士たちが失神して転がっている。

「………これは………?」

「………やられてる?いったい何が?」

一同は異様な光景に言葉を失う。

トリトンは駆け寄って脈を確認していっている。

「ひとまず脈はありそうです。」

「んー。部屋に運ぼーか」

「………確かにそちらの方が安全かもしれませんね。」

こうして一同は近くの部屋をガラガラと開けて、倒れている人達を室内へと運んでいく。

少しすると全員を運び終わる。

「………ひとまず玉座に向かいましょう。何となくは道分かるので」

ハワーの呼びかけに一同は応じ最大限警戒をしながら廊下を進んでいく。

その姿を見ているものが一人。

風の国の一般兵が壁に隠れて歩く一行を見ていた。

「あれは………シュー王子?足止めされてるはずじゃ?ひとまず大臣に報告しないと」

そう言って一般兵は走って玉座へと進んでいった。

そう言って警戒しなが廊下を進んでいく。

しかし今度はかなりの速さの物体が横切るといったことも無く、警戒は解かないが平和に進むことができている。

そして次のフロアに上がる階段に到着した。

このフロアは廊下の端と端に階段がついているようである。

「階段登りましょう!」

「はい!」

そんな中でシューは何かの気配を察知する。

「んー。先行っててー!」

「はい………え?」

一同は驚く。

「いやいやいや。どうして?玉座に行くにもシュー王子がいないと!」

「うーん。普通の日だったらよかったんだけど今日は大変な日だからー」

「………?」

にて無言で首を傾げるハワー。

「僕は大丈夫ー。」

「えーっと」

困るハワーを見て、トリトンも声をかける。

「シュー王子?国王達を助けに行かないとでは?」

「んー。任せた!あとで追いつくー」

「………?いったい何を」

「敵が見てるー。」

「!」

「多分この廊下で敵を迎え撃ってる気がするー。だから迎え撃っとくー!」

「………分かりました!お願いします!」

トリトンは少しの間の後に返答を返す。

そしてカグツチ達は階段を上り始る。

その登る後ろ姿に手を振りつつ、階段の前で警戒をしていた。




とある場内広間。

風の兵士達が複数人がパズズを囲んでいる。

一見風の兵士有利に見える状況がだが、パズズは非常に涼しい顔をしており、反面風の兵士たちが息を切らしながら剣を構えている。

風の国の兵士達の剣は震えていた。

パズズはナイフを構えた状態で口を開く。

「どうしました?僕を倒したいならもっと動かないと」

その声を聞いて顔をしかめる。

「く、くそ!」

怒りの感情をあらわにするも、兵士達の体は感情に追いついていない。

ヨロヨロと近寄るもドサッと兵士達は倒れる。

そして共鳴するかのようにバタバタと次々と兵士たちが倒れていく。

倒れた兵士たちからは大粒の汗がダラダラと垂れ流れていた。

パズズは息を吐く。

「よし。」

そう言って身を隠そうとするも、何か誰かが走るような廊下の音が響く。

急いで近くの一室に身を隠すと誰かが広間に向けて走ってきていた。

ドアをほんの少し開いて外を観察する。

外からカグツチ達が走ってきていた。

ハワーが先導を行っている。

「しかしハワーさん!こっちで合ってるんですかね?」

「多分!」

「しかし結構広いですよね。この城。」

「はい。ですがこっちで合ってるはずです!」

隙間から見ているパズズはトリトンがいることに驚いている。

(トリトン王子………。やはりヒッポの言う通り殺し損なったか。)

パズズは自分の手に持っている水の魔剣を見る。

(トリトン王子はこの水の魔剣を使いこなせる。それに元々この魔剣はトリトン王子の持ち物………となると血走って探してるはず。)

トリトンが近づいてきている。

(そもそも玉座に向かってるなら同士討ちしてもらったほうが好都合。ここは一旦やり過ごすとするか。)

トリトン達は廊下に倒れている人に気づき歩みを止める。

「これは………」

「また倒れてる………」

一同は驚く。

トリトンが駆け寄る。

「大丈夫ですか?」

またもや首に手を当てる。

そこで何かに気づく。

「脈はあるけど………体温が高い。それに………汗?」

トリトンの手に汗のようなものがつく。

トリトンは雨を倒れている人達に降らせる。

そして服を凍らせる。

「暑さで倒れてるならひとまず冷やさないと」

ハワーはその光景を眺めながら服をパタパタとさせる。

「しかし何だかここ暑いですね。他のところより特別暑い気がします。」

「そうですね………。この人達も一旦近くの部屋に運びましょうか。」

トリトンは倒れている兵士を抱えて、近くの部屋の扉を開ける。

開けた瞬間ナイフを構えたパズズか飛び出してくる。

一同は驚く。

パズズのナイフがトリトンの顔面に迫る。

トリトンはすんでのところで躱すも、頬に切り傷ができる。

「パーズさん!?」

トリトンは突然のことで体勢を崩しかける。

その隙を見逃さずに再び顔面めがけナイフを振るうが、前に出てきたカグツチがそのナイフを剣で止める。

ジリジリとした鍔迫り合いの間にトリトンは兵士を優しく置いて自分も剣を抜く。

ハワーとフロマも警戒を強める。

カグツチが剣を振ると、鍔迫り合いしていたパズズが後ろへと下がる。

「………これはパーズさんが?」

「はい」

(この人数は………流石に分が悪いか。)

パズズはジリジリとゆっくり後ろへと下がっていく。

「どうして?あなたは風の国の側の人間では?」

「交渉が決裂しましたので」

「?一体どういうことですか?」

「大臣から裏切られましたので、復讐を考えています。」

「………そうですか」

トリトンはその手に持っている魔剣に目線を寄せる。

「その魔剣返していただけませんか?」

「残念ながらそれは聞けません。しかし折衷案なら」

パズズは剣を向ける。

「私に近寄らないでください。そうすれば命は助けます。もし従えない場合は………魔剣の力で制圧させていただきます。」

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