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風の国編17話

城の周りには大量の人が集まっており、ふざけるな!や元に戻せといった怒号が飛び交っている。

そしてバルコニーに出てきた姿を見てそのボルテージはさらに上がる。

「ふざけんなー!」

「国王いるじゃないか!!!」

「早く元に戻せー!!!」

様々な怒号がしたから聞こえてきて国王は困惑する。

「これは………いったい何が………」

ファサードの内心は穏やかではなかった。

(ヤバイヤバイヤバイ。どうする?本来国王が重税を課したというシナリオにする予定だった。ふざけるな。何でこんなときにデモなんか。これじゃまるで普通に俺が国王の味方のようじゃないか?)

「おいファサードこれは一体」

「………順に………説明しますね」

ファサードは必死に思考を回す。

(どうするどうする?民からは今俺はどう見えてる?ここで国王を殺して反乱を高らかに宣言するか?いや駄目だ。シュー王子も国王もいなくなったら魔剣の謎がわからん。あの小娘が知ってるとも思えん………。)

説明するといった手前間が空いてしまい、国王は訝しげにファサードを眺める。

下からは怒号が鳴りやまない。

「お、おいファサード」

「一度部屋に戻りましょう。そこで説明します」

「あぁ。分かった」

怒号を背に一同は玉座の間に戻る。

そしてファサードは勢いよく頭を下げる。

「申し訳ございませんでしたぁ!!!」

「………?」

国王は困惑している。

「じ、実は………国王の奪還のために強い傭兵の力をお借りしたのですが………その条件が国の実権を握ることでして………。一旦国王が戻るまでは重税を課すようにと………。申し訳ありません!本来私が止めるべきでした!」

「………そうか。それでその傭兵は?」

「はい!国王を取り戻せたので襲おうと思ったのですが、逃げられてしまい!今は城の中に潜伏されており!兵士総出で話しております!」

「………そうか」

「許せない!腹が立ってきた」

そして白々しく大声で叫ぶ。

「オクシジーン!」

オクシジーンは玉座に入ってくる。

「はい」

「あの3人の首を持ってこい!」

「………はい?」

「あの3人の首を持って来いと言ってるんだ!テロリスト共の!あいつらが全ての元凶だ!」

「こちらの護衛は?」

「早く行け!恩を忘れたか!!!」

「………はい。」

オクシジーンは玉座の間を出て走っていった。

「国王申し訳ありません!すぐに奴らに復讐させていただきます!」

「………」

「重税の解除も早く進めなければいけませんね。申し訳ありません。私のせいで民になんて重荷を………」

白々しく顔を覆うファサード。

「………ファサード。ひとまず魔剣を渡してくれないか」

「………国王?」

国王は明らかに警戒の表情を浮かべている。

「………思い出したんだ。シューが大臣が謀反を企てたと言っていた」

「………そんな!謀反なんてとんでもない!」

「もちろんシューが嘘をついている可能性もあるし、聞き間違えだった可能性だってある。」

「そうですよ!私が謀反なんてそんなとんでもない!」

「あぁ。お前はこれまでよく働いてきてくれた。だからお前のことも信じたい」

国王が手を前に出す。

「その魔剣を渡してくれ。頼む。信じさせてくれ」

訴えるような目線を向ける。

「………」

ファサードも国王をまっすぐ見つめて思考を回していた。




同刻城の前に到着カグツチ達一行は反乱の現場を目撃する。

道は人でごった返しており、馬車が進む余力は無さそうである。

「これは………」

一同は一旦馬車を降りる。

目の前の人は国に対して不満を叫び続けている。

城の入口で複数の兵士が必死になだめている。

「………不満が爆発していますね」

「………そうだね」

「………あ」

シューが上の方を見上げるとそこにはちょうどファサードと国王が中に戻って行く姿であった。

逃げるなー!!!といった怒号がさらに響き渡り、一同は一瞬耳を塞ぐ。

「国王だ!」

「生きてた!良かった!早く行かないと!」

「ちょっと待ってください。裏口にはいけます?この人数で!」

「大丈夫!裏口はきっと!空いてるよ!いこ!」

当初の作戦通り一同はこそこそと馬車に乗り込み裏口へと進む。

人々はいかりに熱狂しており馬車には中々気づかなかった。

そして裏口に到着した。

裏口には幸い人々の反乱はなかった。

しかし裏口にも表口の反乱の声は響いている。

「しかしとんでもない反乱ですね」

「よっぽど大臣不満ためてるねー」

一旦一同は一旦馬車を降りる。

裏口付近には兵士が2人ほど見張っていた。

影から見ているためこちらには気づいていない。

「少ないですね」

「反乱があるからねー」

「どうしましょうか?」

シューはゆっくりと目線をハワーに向ける

「ハワー君が僕を捕まえた体で言えばゆっくり潜入できそうじゃない?」

ん!とシューは両腕を揃えてハワーの前に突き出す。

「それなら安全に潜入できそうですね。」

「了解です!ひとまず私は姫や非戦闘員を馬車に乗せて待機しています。」

真っ先にカグツチは待機を提案する。

「分かった!よろしく!」

「………」

アエリが口をつぐんでいる。

「じゃあ行こうか」

シューがお縄にかかったふりをしてハワーに連行され、その後ろをトリトンとフロマがついていこうとする。

それをトリトンの裾を掴んでアエリが阻止する。

「………?アエリ?」

「トリトン様………。今度は死なないでくださいね」

目に涙を浮かべながら、涙声で話す。

フフッとトリトンが笑う。

「前も死んでないよ!大丈夫!ありがとう!死なないからさ」

アエリはコクリと頷く。

そしてトリトンたちは歩いていった。

トリトン達が近づいていくと裏口の警備を行っている兵士がハワーたちに気づく。

兵士たちが警戒する中でハワーが声を上げる。

「レアスサイド師団のハワーです!反乱のシュー王子を捕らえました!」

トリトンとフロマも軽くお辞儀をした。

「反省してまーす」

シューが反省していない声で話す。

裏口の兵士たちが警戒を解く。

そして敬礼をする。

「お疲れ様です!入り口に案内します!どうかこちらへ!」

「ありがとうございます」」

案内されて一同は中に入っていった。

その光景をカグツチ達4人は眺めていた。

「………ご武運を祈ります。」

カグツチが敬礼をする。

アエリはブルブルと震えている

その震える手をラムチが掴む。

「大丈夫ですよ。信じて待ちましょ」

「………はい」

「馬車の中に戻りましょうか。いつでも馬車で逃げる準備は整えておきましょう。」

そう言って一同は馬車に戻ろうとする。

するとお背後から反乱の声とは何か違う声が聞こえてくる。

声の方角を一同が見ると物凄い勢いで風の国の兵士たちが走ってきている。

「うおー反乱だーーー!!!我らはレアスサイド師団制圧部隊!制圧制圧!」

騒動を聞きつけて兵士が走ってきているようである。

一同は何やら嫌な予感を感じる。

遠くから再び声が聞こえる。

「第1反乱者発見!制圧制圧!」

馬車に乗り込めば間違いなくその軍勢にやられてしまうような人の量である。

「………」

カグツチが冷や汗をかく。

「ラムチさん。ウーホスさんの車椅子を押して」

「えっうん。」

そしてカグツチも急いでロスカの車椅子を持つ。

一同は困惑したような何かを覚悟したような表情を浮かべていた。

「走ります!城の裏口!」

そう言って一目散に車椅子を押して走り出した。

そしてカグツチは移動しながらポケットに入り口の前付近に樹の実をばらまく。

そしてちょうど警備がいなくなっている城の裏口に突入する。

突入したところで裏口付近にばらまいた樹の実が燃える。

「制圧制圧!」

後ろから猛追してきていた制圧部隊は燃える入り口に立ち往生する。

「くそう。逃げられたか。」

カグツチは城の中に入ってしまった。

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