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風の国編5話

風の国の大部隊とカグツチ達は草原を抜けて砂漠を進んでいた。

遠くには塔が見えている。

カグツチ達の馬車にはハワーを含めたた出発時のメンバーがそのまま乗っていた。

ハワーはカグツチに伝える。

「すみません。魔法の解除薬の調達は他の兵士に依頼しておりますので」

「いえ。ありがとうございます。」

「しかしあの大臣は何者なんですか?代理にしては随分と態度が大きくはありませんか?」

アエリが不機嫌そうに愚痴を吐く。

「まぁまぁ。」

愚痴を吐くアエリをトリトンがなだめる。

ハワーが気まずそうな表情を浮かべる。

「えーっとすみません。」

「いえいえ。お気になさらず。国の一大事ですから」

「オクシジーン団長様も国の護衛に回られてるようですし。魔剣のことを本気でとりもどしたいのですかね?」

「国を守ることも重要ですので………。それに今回の遠征メンバーも精鋭揃いですから。それに大臣と関係の深い3人の優秀な傭兵を雇っていると聞いています。ご安心を」

「と言って、結局魔剣の対処はトリトン様頼りではないですか。精鋭と言いつつ、自分たちでは奪還できないのですか?」

ハワーは苦笑いを浮かべるが、トリトンは険しめの表情を浮かべる。

「アエリ。そういうことは言っちゃ駄目」

「………はい」

アエリは少しシュンとして落ち込み静かになる。

「すみません」

「いえ。お気になさらず」

ラムチが話題を変える。

「そういえばその精鋭さんの中にはスイーツの精鋭はいらっしゃったりするのですか?やっぱり国に来たらスイーツですよ!」

「そうですね………。スイーツ好きの方は何人かはいるかと思います。それか…………王女様が無類のスイーツ好きで有名です。保護出来たあかつきには色々スイーツのことを聞けるのではないでしょうか?」

「ほうほう。そんなに有名なのですか?」

「はい。しょっちゅう街に目撃情報が出てるとよく聞きます。」

「ほうほう。シュー王子も王女様も中々アクティブな方なのですね。」

「はい。私のような末端の兵士には関わる機会はほぼ無いので、噂ばかりですが」

「いえいえ。じゃあ王女様においしいスイーツのお店を聞くしかありませんね。国王様が戻ればきっと城下町にも活気が生まれますよ!」

「………そうですね。雑談はここまでにして塔についてあとの話をしましょうか。」

そう言ってハワーは大きな紙を広げる。

そこには塔の内部構造図のようなものが記されていた。

「これが塔の内部構造です。入ると大広間があって、奥の方に螺旋階段があります。そこを登っていくとまた大広間について、またその奥に螺旋階段があって、の繰り返しで頂上まで登っていけます。」

ハワーは地図を指刺ししながら説明していく。

「塔についたらまずは先遣隊が突入して様子を見に行きます。そこまで皆さんは塔の前で待機をお願いします。そして先遣隊が2階に入ったら合図を送りますので、そこでトリトン様を含む2次部隊が突入する。そして2次隊が2階に到着したら最後に3次部隊が突入して魔剣の奪取や王族の保護を行う。先遣隊は様子見、恐らく先遣隊がシュー王子と遭遇することになると思うので、そこを2次隊とトリトン王子で足止めおよび魔剣の奪取。最後足止めの間に3次隊が強行突入して王族の保護を行う。そして残りメンバーはいつでも場所を出せるようにここで待機。これが作戦です。」

「なるほど。」

トリトンはうーんと考える。

「カグツチはここで待機と馬車の防衛をお願いしてもいいかな?」

「!はい。分かりました。」

「ありがとう。それで………フロマは俺と一緒に付いてきて。アエリもここで待機かな。」

アエリはシュンとしたまま聞こえていないようである。

「あ、私は?私は?」

ラムチが自分の顔に指さす

「すみません。ラムチさんも待機、当然ロスカ姫も。」

「分かりました。いつでも外で応急処置出来るように構えておきます。」

「ありがとうございます。ハワーさん。我々からは2名向かいます。」

「ありがとうございます。」

辺りから聞こえていた馬の音が鳴り止む。

どうやら塔に到着したようである。

一同が馬車を降り、空を見上げると目の前には大きな塔がそびえ立っていた。

「ここが王子が潜伏していると言われている塔ですか。」

「大きいですねー」

そして塔の入り口には多数の兵士たちが並んでドアを調べている。

そしてその離れた場所にオーラのある3人が佇んでいる。

カグツチが質問する。

「あの3人が傭兵の方ですか?」

「はい。」

3人はトリトンに気付くと近づいてくる。

そして真ん中のピンクのオールバック男がトリトンに声をかける。

「あなたがトリトン様で?」

「はい。そうですが。」

「私は傭兵のパーズ、後ろの二人はケールとピーポです。ピーポが先遣隊、私が2次部隊、ケールはここで待機です。お見知りおきを」

パーズはゴツゴツとした手をトリトンに差し出し、トリトンは握手に応じる。

「はい。よろしくお願いします。」

「水の魔剣の使い手と聞きました。魔剣使いのお力しかと拝見させていただきます。」

「いえいえ。自分はそんな。」

「ご謙遜なさらず。魔剣は最近入手されたのですか?」

「えぇ。まぁ。色々とあって」

「ドアが開かないです」

話していると先遣隊が声を上げる。

どうやら何かで扉が内側からロックされているようである。

「仕方ない。剣で破壊を」

「お待ちください。」

パーズが入口めがけて歩いていく。

そして入り口の扉を触る。

「木の扉か。ヒーポ!突き破れるか?」

「ポゥ!」

妙な掛け声とともにピーポは塔の入口からまっすぐと下がっていく。

「我々にお任せを。道は切り開きます。」

そして50mほどの距離になったところでクラウチングスタートの構えをする。

足からビキビキと音がなり、筋肉が盛り上がり、足が数倍大きくなる。

「ヒー。」

そして力を溜める。

「ポゥ!!!」

掛け声とともにスタートして、勢いよく入り口めがけて走っていく。

人の足とは思えないほど速く、馬に匹敵するほどである。

そして入り口に向けて猛スピードのタックルしてドアを勢いよく破壊する。

その後ブレーキをかけて入った直後の付近で停止する。

「おぉ。扉を破壊した。」

「これで入れます。」

「おおおおお!」

風の兵士たちの士気が上がる。

「ぽおおおお!」

歓声の声に呼応して、謎の掛け声ともにヒーポはまたもや猛スピードで塔の螺旋階段を進んでいく。

それに続いてほかの先遣隊メンバーも塔に勢いよく突入していく。

「さて。では先遣隊を待ちましょうか。」

そういった手前塔の奥から何か奇声が聞こえる。

「ぽおおおおおおお!」

耳を澄ますと、先ほどのピーポの声である。

塔を覗くと入口から突風が吹き髪が揺れる。

そしてその少し後勢いよく突入していったピーポが風に吹き飛ばされて、塔の外に放り出された。

ピーポはドサッと倒れ込むがすぐに起き上がる。

またそのすぐ後に先遣隊の兵士たちも同じようにして塔の外へと放り出させる。

「これは一体?」

「………塔に入ったら風で外に飛ばされる………?」

一同は頭を抱えた。


一方その頃塔の中のとあるフロアに、緑の民族風な衣装を着た緑髪の少年が座っていた。

その少年の手にはサーベルのような少し曲がった刀身の緑色の煌めく剣が握られており、その剣の模様をなぞったり、手で人を作り歩かせるような手遊びをしていた。

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