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十国十魔剣伝  作者: 禄之羽礼
水の国編
17/30

水の国編12話

トリトン達が洞窟を進んでいる中、カグツチとコカトリスは剣と石の攻防が続いていた。

カグツチは剣を持っていない方の手は握りしめたまま、相手の関節を目掛け剣を繰り出す。

しかしコカトリスに手に持った石で綺麗に合わせて弾かれる。

一方コカトリスも防いだ後に、それぞれ両手に持った石をコンビネーションで相手の顔面や腹などに向けて岩を突き出し攻撃するがカグツチはいずれも躱している。

お互いの攻撃が直撃することはまだなかった。

カグツチはコカトリスの衣服に目線を向ける。

コカトリスはフードのついた黒いローブにを身にまとっている。

カグツチはそのローブ目掛けて拳を繰り出すが、コカトリスはバックステップで躱す。

そしてバックステップ際に石を複数個投げる。

それを剣で防ぐ。

2人の動きが止まり、沈黙の間が生まれ、川の音だけが聞こえていた。

「中々やるでいしね。」

「………」

「無視されて悲しいでいし。たくさんお話したいいし」

(俺の腰の布袋には大量に樹の実が入ってる。だが………)

カグツチはゼストスとの戦闘で、ゼストスの布袋が石にされたのを思い出す。

(多分相手は何かしらを石にできる魔法だろう。)

辺りを少し見渡す。

辺りには瓦礫や石が散乱しているのみで燃えそうな木や布といったものは落ちていることがなかった。

(あまりにも得そうなものはない。布袋を石にされたらヤバい。となると頼れる燃料は………)

カグツチは口を開く。

「俺の魔法は、投擲物を加速させられる魔法だ」

大声で叫んだ。

急な大声にコカトリスも、少し離れているラムチ達もポカンとする。

「………投擲物ってなんでいし?」

首を傾げる。

「………要は凄く速く物を投げられる魔法だ。」

ポカンと呆気にとられ、沈黙の後、コカトリスは笑う。

「ハハっ!ハハハッ!」

「!何がおかしい!」

お腹を抱えながら笑い混じりに話すコカトリス。

「だって!自分の魔法を明かす馬鹿が何処にいるんでいしか!中々阿呆でいしよ!」

「俺は騎士だ。正々堂々お前を倒す。そのための流儀だ。」

カグツチは剣をコカトリスに向ける。

笑いが止まるコカトリス。

「ふーん。騎士というのは大変でいしね。笑って悪かったでいし。」

ペコリと頭を下げる。

「でも僕は騎士じゃないいしから、能力は教えないでいしよ!」

「………お前の能力は何かを石にする能力か?」

「ギクッ!………そんな訳ないでいしよ!」

コカトリスは汗をかいて、身体も若干動揺したかのように震えていた。

カグツチは拳を開く。

握り拳の中には樹の実が入っていた。

そしてその樹の実を思い切り振りかぶって投げる。

樹の実はコカトリスの顔面めがけて飛んでいく。

するとコカトリスの目が光り樹の実は一瞬にして、どんぐりサイズの石となる。

しかし勢いは止まらずにそのままコカトリスのおでこに直撃する。

「あいたっ!」

直撃したおでこを押さえて悶絶する。

その隙に直ぐ様布袋から再度複数の木の実を握る。

そしてゼストスとクリオスとの戦闘を思い出す。

(………吐いた唾、布の袋と水たまり、そしてどんぐり………。こいつは………多分………目で見たものを石にする魔法か。)

おでこを抑えながら恨めしそうにカグツチを見つめるコカトリス。

「くそ!図ったでいしね!」

(でも人間を石にすれば一発のはず、それをやらないのは何故?条件があるからか?)

「怒ったでいし!許さんでいし!」

カグツチは握った複数個の木の実を勢いよく投げる。

「その手は食わんでいしよ!」

体を横にずらしてそれを回避するコカトリス。

投げた木の実は地面に落ち散乱した。

カグツチは落ちている石を拾ってすかさず投げる。

かなりのスピードで石はコカトリスに向かう。

コカトリスはそれを素手でキャッチする。

「中々いい肩してるでいしね」

そして勢いよく投げ返す。

カグツチは横に避ける。

石はジャリジャリという音を立てて、地面に落ちて後ろへと転がっていった。

カグツチは布袋から勢いよく大量の樹の実を掴みとる。

そしてコカトリスに向けて投げる。

「よく考えたら」

コカトリスはカグツチに向かって走り始める。

「樹の実くらいなら避けなくても全然余裕いし!」

コカトリスは一直線にカグツチに突進する。

「………いし?」

しかしきのみはそこにはなく、迫ってきているものは大量の火の玉であった。

「!?」

コカトリスの目が光り、燃えかけていたきのみが石へと変わる。

燃える媒介がなくなったことにより火も消えてしまう。

しかしされど勢いのある大量の小石がコカトリスへと迫る。

コカトリスは体勢を小さくして、取ってその石の大群を体で受ける。

「なんで火が………!?」

コカトリスの頭上から何やら光と熱を感じる。

コカトリスが見上げるとそこには火の雨が降り注いでいた。

コカトリスの目が光ると、火の雨も石の雨へと変わり降り注ぐ。

石の雨がコカトリスの頭に腕に当たる。

コカトリスが俯きプルプルと震えている。

「くそ!騙したでいしね!」

コカトリスはカグツチの方向を見るがそこにはもう誰もいない。

コカトリスは後ろに気配を感じる。

振り返るとそこにはカグツチがいた。

カグツチは剣を脇腹に向けて振り抜く。

コカトリスの目が光り剣が石へと変わる。

防御態勢を取るが、石へと変わった剣がコカトリスの直撃する。

衝撃で横によろめくコカトリス。

カグツチはコカトリスのローブに手を振れて、コカトリスを押した後、後ろへと下がった。

コカトリスは脇腹を押さえながらこちらを睨んでいる。

「もう怒ったでいし!」

攻撃耐性を取ってこちらを威嚇する。

ただカグツチが触れた箇所からローブに火がついて燃え上がり始める。

「!?」

コカトリスは急いでローブを脱ぎ捨てる。

捨てたローブはメラメラと燃え続けていた。

ローブの中は特に変哲もない普通の布の黒い衣服を着ていた。

コカトリスはそのコカトリスを眺める。

(………ここで燃やせそうなものはあのロープくらい。どんな人間でも自分の衣服が燃えればさすがに混乱する。ローブ燃やせばもっと隙ができると思ってたが………とは言え残りの衣服は簡単には脱げない。残りを燃やせば俺の勝ちだ。)

「何が騎士でいしか!卑怯者めが!もう許さないでいし!本気出しちゃうでいし!」

カグツチは布袋に手をかけてきのみをつかみ取る。

次の瞬間にはコカトリスの目が光り布袋は石へとなっていた。

(ちっ!これだけあれば十分か。)

カグツチは再度きのみを頭上に投げて火の雨を作る。そしてコカトリスへの突撃する。

コカトリスは頭上を向いて火の雨を石の雨に変える。

石が降り注ぐ中で、石となった剣をコカトリスの首めがけて振り抜く。

コカトリスは体勢を崩しながらしゃがんでそれを躱す

カグツチはそのしゃがんだコカトリスに手を伸ばす。

(貰った!)

しかしカグツチの手はコカトリスの直前で止まってしまう。

「!?」

カグツチは体を動かそうとするが、動かせない。

カグツチが自分の衣服を見るが、自分の着ているものが全て石となっていた。

コカトリスの方を見ると下から石のアッパーか飛んできて顎に直撃する。

「服を石にしたでいし。これで関節の可動が効かなくなって動けなくなるでいし」

「くっ!」

すかさずフックにストレートに石による連撃が飛んでくる。

カグツチは体に力を入れた。

元々が薄い衣服であり、薄い石となっていたため、袖から下や膝下の石が割れ、かろうじて可動域を確保する。

しかしその時にはコカトリスが攻撃が目前まで迫ってきている。

カグツチはかわそうとするも躱しきれずに手に持った石による頭に腕にへの連撃を食らってしまう。

カグツチの顔や身体には痣ができ、額からはうっすらと血も流れ落ちてくる。

十回を超える連撃の後、勢いよくとどめの突きを繰り出すコカトリス。

その攻撃がカグツチの眉間に直撃し、カグツチは後ろへと吹き飛び倒れる。

服だった石にヒビが入る。

「悪く思うないでいし。普段は可哀想だから使わないでいしけど。お前が悪いのでいしよ。お前が卑怯者だから。」

カグツチは倒れたまま頭上を見上げていた。

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