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十国十魔剣伝  作者: 禄之羽礼
水の国編
16/30

水の国編11話

「この野郎!」

ゼストスが剣を構えてフードの男に突っ込む。

右に左に剣を振るって連続攻撃を繰り出すも男は躱し続ける。

石と化した布袋無理やり外して、振り被り投げるも顔を横にそらして躱される。

「いいスイングでいしけど、それじゃ俺は殺せないでいし」

「てめぇ!」

眉間にさらにシワができ、ゼストスはがむしゃらに剣を振り続ける。

しかしその攻撃はことごとく躱され続ける。

そして躱し際に地面の石を手に取り、腹や顔面に一撃を加えていく。

構わず突っ込むも、カウンターを受けていき、少しずつ傷が増えていった。

ゼストスの目はかなり血走っていた。

クリオスも加勢して攻撃するが的確に躱される。

3人の攻防をアエリとトリトンは観察していた。

「ゼストスさん。完全に頭に血が昇ってます」

「………そうだね」

トリトンがそう言うと3人の足元付近に雨が降り水たまりができる。

ゼストスとクリオスは雨に気づいて後ろに下がる。

フードの男も怪訝な表情を浮かべながら水たまりに足を入れる。

「ん?」

そして水たまりは一瞬で氷となり、フードの男の靴が氷で固定される。

「あれ?動かないでいし」

足を動かして外そうとする。

その隙を見逃さずにゼストスは剣を振りかぶり、一撃を加えようとする。

(死ね!)

しかしフードの男が下を向くと氷は大きな平べったい石となり、あっさりと足の固定が外れてしまう。

フードの男は一歩後ろに下がって攻撃をかわす。

「なにっ?」

ゼストスの剣は宙を斬る。

そしてゼストスは岩盤の上に着地するが体勢が前のめりになる

その前のめりになったゼストスの肩に石を突き出し、攻撃をする。

衝撃でゼストスの体勢が後ろによろける。

岩に乗っていたが岩から足が離れてしまう。

その岩板を手に取るフードの男

「石切りにぴったりでー」

そしてゼストスの側頭部めがけてフルスイングする。

「いしね!」

大きな岩板はゼストスの側頭部に直撃する。

岩板は破裂王とともに大きく砕け、ゼストスは横に大きく吹き飛ぶ。

そして倒れたまま起き上がらない。

「これで1つ目でいし」

「ゼストス兄さん!」

クリオスが叫ぶも、ゼストスは返事をせず倒れたままである。

トリトンがその光景を眺め、険しい表情を浮かべる。

そしてフードの男を睨みつけている。

「お?トリトン王子?怖いでいしよ」

「………?何で俺の名前を?」

「チューン王国では有名みたいいし。漁師の奴らにきいたでいし」

「………あ、まだ名乗ってなかったでいしね。僕の名前は………名前ではないいしけど、コカトリスと呼んでくれでいし」

「………お前たちは何者だ?ただの盗賊ではないようだけど」

「僕達は………………ってその手には乗らないでいし!内緒でいし!兄貴に怒られちゃうでいし!」

手で口を塞ぐような仕草を見せるコカトリス。

「お前らの目的は………?」

「僕たちは………」

洞窟の方から爆音が響く。

まるで大きな岩を砕けちるような音だ。

トリトンは洞窟の方を振り向く。

「隙あり!」

コカトリスは思い切り腕を振り抜いて石を投げる。

トリトンはその石を剣で弾き返す。

「うわ。完璧に決まったと思ったでいしけど。………にしても兄貴はド派手にやってるでいしね」

「?」

「今兄貴が魔剣を取りに行っているのでいし。僕はここで時間稼ぎでいし。兄貴が魔剣を取ってくればゲームセットでいし」

しまったという顔をするフードの男。

「あ………言っちゃったでいし」

「なっ」

クリオスとアエリは驚きの表情表情を浮かべる。

「我々はすぐさま洞窟に向かいます!」

「おっと!」

アエリとクリオスはすぐさま洞窟に向かおうとするが

、アエリの方向にすかさず石が投げられる。

アエリの眼前を石が通過する。

「背中を向けたら当てるでいしよ」

「………」

トリトンは思考する。

(………相手の目的は魔剣。だがただの盗賊ではない。かなりの実力者。簡単には倒せない。)

洞窟の方へ視線を向ける。

(相手が魔剣の強奪を狙っているのであればここでモタモタはしていられない。魔剣を奪われたら本当にまずい。ゲームオーバーだ)

アエリとクリオスの方向に視線を向ける。

(2人にこの場を任せるのがいいか)

カグツチの方にも目線を向ける。

(あるいはカグツチに………?いや………きっとロスカ姫の護衛で離れられない………。誰かに護衛を任せられれば?いや敵の人数が分からない以上危険か?)

同時にカグツチはその戦いを眺めながらあることを考えていた。

(中々強い。加勢したいけど、この場を離れるわけにはいかない。姫のお傍は離れられない。)

カグツチは横目で洞窟を見る。

(しかし………魔剣を強奪されればもっと危険な状態になるかもしれない………。姫が巻き込まれる可能性がある………)

俯いた後に顔を上げる。

「おい!」

カグツチが急に大声を上げる。

近くにいたラムチは驚き、フードの男もびっくりしてカグツチを見る。

「なんでいしかー?」

「ここにいるのはお前と洞窟にいるその兄貴だけなのか?」

「そうでいし!………あっ………内緒でいし!」

トリトンはハッした表情を浮かべる。

カグツチは考える。

(姫を洞窟内には何があっても流石に連れてはいけない。ただ魔剣を放置するのも駄目だ。敵があいつと洞窟のもう一人だけなら、王子たちに魔剣の奪取は任せて、俺はあいつを倒してここで負傷者の治療をするのが一番無難…………か………?)

刹那の熟考の末、2人は決断する。

トリトンは意を決した表情を浮かべる。

この時2人は同じ事を考えていた。

「………トリトン王子!」

「カグツチ!」

同時に2人は声を発する。

少しの間の後どちらも話し出さなかったのでカグツチが話す!

「こいつは私が倒します!王子とアエリ様は洞窟に行ってください!クリオス様だけ姫の護衛に!」

少し驚きの表情を浮かべ、直後微笑むトリトン。

「同じ事考えてた!ありがとう!クリオス頼んだ!」

「え?あ、はい!」

そう言ってクリオスはロスカの元まで走り出す。

「アエリ!行こう!」

「はい!」

クリオスがロスカの前に来たのを見てトリトン達も走り出す。

「いやいや行かせないでいしよ」

コカトリスは大きく腕を振りかぶり石を投げようとする。

しかし直後カグツチがコカトリスの眼前に迫る。

カグツチは剣を振るうが投げようとした石を剣に当て、攻撃を防ぐ。

そして剣を押し返して双方に距離が生まれる。

「邪魔でいし!」

「………」

カグツチはすかさず剣を振るうがいずれも躱すか、手の石に弾かれる。

だがコカトリスのカウンターもカグツチは的確に防ぐか躱している。

互角の攻防が続いていた。


時を同じくしてトリトン達は洞窟の目の前まで到着する。

洞窟の入口入り口には足場はなく、川の先が洞窟へと繋がっている。

だが普段であれば存在しない大岩が洞窟の前に存在していた。

川の流れがその大きな岩により食い止められ、水は横へと流れて水浸しの状態になっている。

その光景に2人は驚きの表情を浮かべ、顔を見合わせる

「………普段なら川の流れで簡単には入れないけど………これで川をせき止めてるのか」

「………そうですね」

「岩を壊したいけど………俺たちの魔法じゃすぐには厳しいか」

洞窟の奥から爆発したかのような鈍い音が響く。

少しだけ洞窟の入口の上から砂煙が立った。

「突入しよう!」

2人は急いで岩へ飛び移り、洞窟へと降りる。

またもともと川が流れていたからか地面はまだ濡れ、所々に水たまりができている。

また入り口の岩の隙間から水が僅かに弱く流れ落ちている。

洞窟内には断続的に大きな炸裂音が響いていた。

2人は耳を塞ぐ。

その音から異常事態を2人は察していた。

「急ごう!」

「はい!」

トリトンの呼びかけにアエリは頷く。

そして2人は洞窟の奥へと走っていった。

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