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十国十魔剣伝  作者: 禄之羽礼
水の国編
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水の国編5話

町中をしばらく進むと大きな城に到着した。

「到着!ここがチューン城です!」

目の前には青と水色と白のコントラストが美しい、まるできれいな海のようなカラーの壮大な城がそびえ立っていた。

馬車を止めて城の中へと進む一行。

城の前には兵士が複数人立っていた。

「おかえりなさいませトリトン王子!」

「おつかれ!国王はもう空いてる?」

「はい!玉座でお待ちです」

「オッケー!ありがとう!」

兵士にお礼を言って、5人は城の中を進む。

「玉座を進むと国王様がいらっしゃいます。頭を下げるのをお忘れなく。」

そして城を進んでいくと玉座に到着する。

玉座の扉は既に開いており、その先にはそれなりに若く見える男性が玉座に座っており、その他に青い服を来た軍人が複数人立っていた。

一同は中央まで進み、玉座を前に跪き頭を下げる。

玉座に座る男性が話す。

「こんにちは。頭をお上げください。」

頭を上げると男性は笑っていた

「ようこそチューン王国へ。私がチューン王国国王のポセイドンです。ラムチさんお久しぶりですね」

「お久しぶりです。この度はお時間をいただましてありがとうございます。」

「いえいえ。」

ポセイドンはカグツチと車椅子のロスカに目線を向ける。

」そちらがロスカ姫と、横にいらっしゃるのが護衛の方ですか?」

「はい。クリオネッタ王国騎士団 王女直属護衛隊隊長のカグツチ·ホーテンシスです。」

「ホーテンシスということはハッセル殿の近親者の方ですね。とても優秀そうな方だ。」

本日はクリオネッタ王国より依頼があって参りました。」

カグツチは書状を取り出す。

側近のものがカグツチに近寄り、書状を受け取りその後ポセイドンに渡す。

国王は書状を受け取り目を通す。

「なるほど。事前に簡単に話は聞いております。チューン国王として間違いなく受け取りました。まずはすぐさま兵をお送りします。」

そう行って側近の一人に指示を出し、側近が玉座から走って出ていった。

「本当にありがとうございます。何とお礼を表現したらよいか」

カグツチは膝立ちになり、頭を床につける。

「いえいえ。同盟国として当然のことをしたまでですよ。」

ポセイドンは笑みを浮かべている。

「父さん。トリトンからもよろしいですか?」

「国王とお呼び下さい。特別作戦部隊隊長トリトン殿」

トリトンはやりづらそうな苦い表情を浮かべる

「………国王。トリトンからも依頼が。ロスカ姫は魔剣により意思疎通が取れない状態になっております。こちらの調査も協力いただけないでしょうか?」

「えぇ。魔剣の学者、魔法の学者それぞれに調査を依頼しましょう。」

「………本当にありがとうございます。感謝してもしきれません。」

「いえいえお気になさらず。」

「もしよければ自分に何かお手伝いさせていただけないでしょうか?少しでも恩返しをしたく」

「お気持ちだけ頂いておきます。こちらが困った時にまた助けていただければ。」

「本当にありがとうございます。」

頭を地面に強く押し付け、深く深く土下座をするカグツチ。

「しかし。魔剣を奪うとは。物騒なやつらもいたものですねー。我々も何か対策を考えなくてはなりませんね。」

トリトンが口を開く

「国王。水の魔剣の保護任務を我々特別作戦部隊で実施する計画を早めて実施するのはいかがでしょうか?」

「うーん。そうですねー」

「トリトン様。そのお話は客人がいるこの場ではするべきではないかと」

「アエリ副隊長。いいですよ。」

アエリが少し不満そうな表情を浮かべる。

「………昨今賊が各地に大量発生しています。確保した賊達はこれから俺達の時代が来ると言っているそうです。関連性は分かりませんが何かしらの理由で賊達の団結力が上がっているのではないかと考えております」

「えぇ。賊への対処のために軍もかなりリソースを分散していますね。」

「もしかすると警備が手薄になったところで魔剣を奪おうとしているのではないでしょうか?」

「うーん。魔剣の情報を一般的の賊が知っているとは思えないですが、可能性としてはあるかもですね。どの道魔剣の強奪事件があった以上、保護任務は急務でしょうね」

そう言ってポセイドンはカグツチに目線を向ける。

「そうですね。カグツチ殿。先ほどの発言の手前すみません。1つ頼まれ事をしてくれませんか?」

「はい!自分に手伝えることがあれば手伝わせて頂きます。」

「ありがとうございます。魔剣の保護の任務に同行していただけませんか?現在水の魔剣は城から離れた洞窟の奥に封印しています。なのですが最近国の各地で強盗事件が乱発していましてね。念の為警備の厚いお城の中で保管しようと思い、洞窟の奥に封印されている魔剣を保護するのです。」

「そこで俺達特別作戦部隊の役目ってね」

カグツチが質問する。

「特別作戦部隊とは?」

「必要と思う作戦を自由に立案して実行する部隊!要するに何でも屋!ちなみにアエリは副隊長」

「トリトン隊長?客人との会話は敬語が望ましいかと思いますよ。」

「国王失礼しました。」

ポセイドンのボヤきにトリトンは少々苦笑いをしながら続ける。

「それでは国王。数日後には魔剣の奪還任務させていただきます。」

「えぇ。よろしくお願いします。カグツチさんもお願いしますね。」

「はい。貢献させていただきます。」

ポセイドンが微笑み。謁見の時間が終わった。




謁見の後、一行は玉座を出て城の中を歩く。

カグツチがロスカの車椅子を押している。

城の窓からはきれいな海や街並みが見える。

「うちの父さん怖いでしょ?」

「いえそんなことは。お優しい方かと」

「そうですよー。ポセイドンさんは結構お優しい方だと思いますよ。」

「いやー。敬語使うの苦手だからさー。結構怖いんだよね。」

「そういえばトリトン王子はカグツチに対してはだいぶフランクになりましたね。」

ハッとした表情を浮かべるトリトン。

「あ!確かに。年が近そうだからつい。ごめんなさい。」

「いえ。お気になさらず。自分は気にしておりません。」

「ありがとう!俺のこともトリトンって呼び捨てでいいよ!」

「滅相もないです。トリトン王子は王族の方なのに部隊の隊長をされているのですね」

「あぁ。父さんの命でさ。自分の部隊を1つ指揮することで、国防の基礎と人を動かすことを実践で覚えろっていう教育方針なんだって。歴代国王も同じことやってる。将来は多分俺が国王になるからさ。結構楽しいから天職かも」

「なるほど。王族の方なのに危険と隣り合わせで前線で戦い続けているのですね。凄いです。」

「いやー。ありがとう。」

頭をポリポリとかくトリトン。

ラムチは笑顔でやりとりを見つめており、アエリは表情を変えずについてきている。

「トリトン様」

「何?アエリ」

「魔剣の保護任務はこの国として重要な任務です。信用出来ない者を作戦に組み込むのは良くないかと」

「んー。俺は信用できると思うけど」

「第一実力も疑問です。この方々の言い分を信じるのであれば護衛なのに姫を守れなかったのですよ。護衛なのに。私なら即刻自害します。」

カグツチはその言葉を聞いて俯く。

「実力についても大丈夫だよ。」

ラムチは首を傾げながら質問する。

「ところでどちらに向かわれているのですか?」

んーと悩んで答えるトリトン。

「特別作戦部隊の訓練場だよ。これから作戦に関して話し合おうと思って。すでに裏で招集は掛けてあるから」

「分かりました。作戦成功に向けて全力を尽くします。」

フフッと微笑むトリトン。

「その前にさカグツチ。」

トリトンは止まって振り向き、カグツチを見つめる。

「俺と手合わせしようぜ」

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