アザゼルの心‥‥
時は遡る。神が人間を作って間もない頃に。
神が天使に『人間に頭を下げ従うように』そう天使達に告げると『作りたての人間に頭を下げるなど』と天使の一部が神に対し反旗を振り上げた。その時の天使の長がルシファ。それに従えるのがアザゼルであった。
アザゼルにとって天使の長ルシファは憧れの存在であったが‥‥。
「ルシファ!ここももうダメだ!我々天使だけでは神に太刀打などできるわけない!」
「諦めるな!アザゼル!誰が神の作った間もない人間に頭など下げるものか!」
「しかしルシファ‥‥」
「‥‥おのれ神よ!我々は負けわせぬぞ!誰が誰が人間になぞ!‥‥」
明らかに誰が見てもルシファ達の負けは火を見るより明らかだった。ルシファに従えていた天使達は次々と地に落とされて行く。
やがてルシファにも神の手が‥‥‥。
「ルシファ!あぶない!」
アザゼルは叫ぶとルシファをかばい自ら神の矢を心臓に受けた。
「アザゼル‥‥お前は‥‥」
「‥‥ルシファ‥‥無事で‥‥よかった」
心臓を撃ち抜かれ息絶えようとするアザゼルに。しかし神の攻撃は続く。そしてルシファに神の矢がいくつも襲い掛かる。
「神よ私は負けても人間などには頭を下げぬ。地に落とされてもだ!私は‥‥私は‥‥」
そしてルシファに無数の神の矢が突き刺さる。まるで近くにいるアザゼルをかばうようにルシファは矢を受けアザゼルと共に地に落ちていった。
地に落ちたルシファとアザゼル。ルシファは背中の羽を盾にしていた為ほぼ無傷のまま地に落とされたが‥‥、アザゼルは心臓を撃ち抜かれ息絶えようとしていた。
「アザゼル!アザゼル‥‥」
ルシファはアザゼルの名を何回も叫ぶが‥アザゼルの反応はない。
「神よ私のことを傲慢と言うが‥‥あなた達のが傲慢でわないか!」
空を仰ぎルシファは叫んだ。空からは次々に流星が降る注ぐ。いやあれは流星ではない。あれは神にはむかった天使達が地におとされているのだ!
「おのれ!おのれ!おのれ!おのれ!‥‥」
ルシファはあまりの悔しさに頭からツノが生え、目からは血の涙が流れた。
ルシファは辺りを見渡すと一人の人間の女性が倒れていた。たぶん地に落とされた天使達と間違えられ地に落とされたのだろう。その女性も息絶えようとしていた。ルシファは倒れた女性の近くに行くと、
「おのれ!お前達人間に何故我々が頭を下げ従わないといけないのだ!‥‥‥ハアッ!」
ルシファは何かを思いついた。
神の矢は天使達には効果があるが人間には効果がない。しかも矢を抜くことが出来るのは神のみ。
「この人間をつかえばアザゼルは蘇るかもしれない‥‥‥」
ルシファは倒れた女性を持ち上げアザゼルの横に置くと、魔法陣を一瞬で書いた。左腕を差し伸ばすと右手で左腕を切ると流れた血をアザゼルと女性の間に流した。
「アザゼルに我が命の一部を‥‥そしてアザゼルとこの人間の融合を‥‥」
魔法陣が光り出したが黒くそれはまるで魔法陣の周りだけが夜の様になった。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥そしてアザゼルは人間と融合した。人間の心を持って。
そしてルシファは神の届かない地に潜ると『悪魔サタン』と名を変え地を支配していった。アザゼルは女として生まれ変わりルシファに従えたが‥‥人間の心を持ってしまったアザゼルはルシファいや『悪魔サタン』のおこないに疑問を持つ様になる。そんなアザゼルは悪魔サタンの裏切り行為を三度受ける。
そしてアザゼルは悪魔サタンの命令でヒロ達の前に現れた。天使に戻りたいと言う心を持って‥‥‥‥‥‥。




