テレポート
「『結界を破る力』が青葉に‥‥」
ヒロは青葉の方を見るが青葉は自分にその様な力があるとは信じられないでいた。
確かに無理もないことだ。いきなりそんな力があると言われても誰もが困惑してしまうものである。が、この結界の壁から出ることが出来る方法が見つかったが
「‥‥問題はあの崩れて穴を塞いだ土砂だが‥‥」
ヒロが考えていると黒い物体が後方から戻ってくる。急に黒い物体はヒロ達の頭上で静止するとまるで何かを探している様な感じで‥‥そして青葉に急接近すると青葉の1メートル手前でピタリと止まる。それに驚いた青葉は後ろの壁に触れてしまった。
「‥あなた、この結界に触れてなんともないの?‥‥に、しても貴女、私がみえるの?」
「あ‥あ‥あ‥あ‥‥‥‥」
驚き身動きが出来ない青葉に
「貴女、やはり私が見えるみたいね」
ずいっと黒い物体は青葉の目の前に来るといきなり手を伸ばし始めた。
「‥‥い‥い‥いやああああ!ヒロ君!」
「青葉あーーーっ!!」
ヒロは黒い物体に体当たりをした。「うっ!」と吹き飛ぶ黒い物体。体当たりで黒い物体を吹き飛ばすヒロは一瞬、「おっ!」とまさか体当たりが当たりるとは思わなかった。
「あいつ、物理的な攻撃はきくのか?」
ゆらっと吹き飛ばされた黒い物体は立ち上がりヒロを向くと、
「貴方も私が見えるみたいですね」
「き‥きさまは誰だ!これの結界もお前がしたことか!」
「ほお〜、この結界、貴方には見えるみたいですね。あっ、当たり前か私が見えるのだから」
黒い物体はヒロの前に、そして両手を出すとヒロの首目掛け伸び、ヒロの首を掴むとそのまま1メートル宙に浮かんだ。足をジタバタするヒロ。両手を首を掴んできた手に、その手を振り払おうとするが‥‥‥。
『こいつの握力は‥‥‥力があり過ぎる』
「くっ‥‥きさまは‥‥だ、誰だ!」
「私か?私は死神だ!」
「くっ‥‥くっ‥死神‥‥だって」
そう言うと死神は掴んだヒロを壁目掛け放り投げた。トンネル全体に『結界の壁』が張り巡らせている為ヒロは背中から当たると高圧の電気の様なのが全身に流れる。
「うわああああっ!!!」
と叫ぶヒロは全身を感電した様に振るえ出しながらカンナの目の前の床に落ちた。
「ヒロ君!!」青葉が叫ぶ。
「人間とはこんなにももろい生き物か」
死神は余裕した様に笑っている。しかしまだカンナには気づいてない。
「‥くっ‥‥カンナ、俺が合図したら青葉を壁の外にテレポートさせてくれ‥‥」
「えっ?無理だわ!結界の壁が‥‥」
「だ‥大丈夫だ。さっき確認した」
「えっ?」
「うっ‥‥くっ‥青葉が結界の壁の一部に穴を開けた時‥くっ‥スマホが震えたんだ」
「スマホが!」
「‥‥ああ‥ヨッシからの‥‥ラインが‥‥つまり電波が通ったんだ」
「じゃあ青葉の開けた穴を使えば」
「テレポート出来るはず」
「テレポート‥‥けど後は‥」
「後は青葉が外から結界の壁に穴を開ければ‥‥くっ‥‥」
「ヒロ!」
「幸い‥‥死神はカンナに気づいてないみたいだし‥‥」
「ヒロ‥‥背中から血が‥‥」
死神に壁に投げ飛ばされて壁に叩きつけられた時、突風で背中に着いたガラス片などのキズが広がり出したヒロはカンナに、
「大丈夫だから‥‥カンナ」
そう言うとニコリと微笑んだ。
「じゃあ、後は頼むぞ!」
「ヒロ!‥‥」
『たっく‥‥ヨッシも良いタイミングでラインを‥‥
入れ過ぎだろう40件以上入れや上がって」
ヒロはニヤリとするとゆっくりと立ち上がり青葉のところまで歩いて行った。そして青葉の前に立ちふさがると小声で青葉に言った。
「青葉、俺が合図したら壁に手をつけ。カンナがお前を外にテレポートさせる。外に出たらお前はこの結界の壁に外から穴を開けてくれ。カンナが中に入る人達をテレポートさせる」
「あっ、うん、わかった。ヒロ君は」
「俺は‥‥‥カンナがテレポートさせている間あいつを惹きつける」
「ヒロ君!‥‥‥」
青葉に何やら小声で話しているのを見た死神はヒロに
「わざわざ見て見ぬフリしてたのにもう別れの挨拶は良いのかい?」
「ああ、ありがとな死神‥‥‥後は俺がお前と相手するだけだよな‥‥」
「うん?何言ってんだ?」
「こう言うことだよ!青葉!」
ヒロの声に青葉は壁に手をついた。だが顔は悲しみに満ちていた。
「カンナ!今だ!」
その言葉にカンナは青葉をテレポートさせた。




