ゴメン
今回はこうなればこうなりますよ、的なことを書きました。
(なんか最近面白い事が書けない。スランプかな?)
_φ( ̄ー ̄ )
あの加藤龍美が慌て逃げた事が大平さんと千晶さんが不思議がっていて、
「ねえ、さっきも聞いたけどなんで加藤があんな風になったの?」
千晶さんが聞いてきた。横にいた大平さんも頷きながら。
俺は「う〜ん(悩み)」としながらカンナの方を見てカンナに手招きをして呼んだ。
「‥‥カンナ‥‥あのさ‥あの二人にカンナの‥‥」と俺が言いかけるとカンナは
「いいわよ、私は」
カンナは笑顔でそう答えた。多分、大平さんの事を思っての事だろう。今から一番辛い思いをするのは大平さんなのだから。
俺は二人にカンナの秘密を話した。最初二人は疑いの目で見ていたが、目の前(人目につかない場所)でカンナの力を見て目を丸くしていた。
「‥‥本当にカンナちゃんは妖精なの?超能力者じゃなくて‥‥」大平さんはまだ信じられないでいた。昔(中学時代しかしらないが)大平さんは結構、完璧主義、みたいな人だからこのてのは信じられないでいたのだろう。
俺からしたらこちらの人がそっち系だと思ったんだが‥‥‥。
「す、凄いじゃないの!カンナちゃんて妖精さんだったんだ!やっぱり居たんだ妖精さん!私は今、猛烈に感動しているう!!」
と何処か一部聞いたことのあるセリフを言って感極まっている千晶さん。カンナに触るわ抱きつくわでカンナが隣に居た青葉に助けを求めたが「ち、千晶さん、ちょっとカンナが‥‥」
と言ったが聞く耳持たず。
「ヒ、ヒロお!た、助けてえ!」
今度は俺に助けを求めにきたが、千晶さんが俺の方を「ギロリ」と怖い顔で見たので
「カンナ、我慢だ。千晶さんが満足するまで」
「えーっ!そ、そんなあああ!」
カンナは千晶さんに抱きつかれたり触られたりする度に「わー!」「ひえーっ!」とか叫んでいる。
俺は大平さんに
「千晶さんてこんな性格だったの?」
と聞くと大平さんは
「そ、そうねぇ。あははは」
と恥ずかしそうに笑いながら答えた。
で、俺たちは大平さんが予約した産婦人科に来ていた。
俺は病院は昔から苦手だ。注射が嫌とかではなく雰囲気が‥‥。今は『これが病院?』と思える程の病院がいくつもあるが‥‥それでも苦手な物は苦手だ。
特に今回の産婦人科は。女性には普通の場所だが男性には未知の場所(結婚して妻が妊娠した時以外はほとんどと言っていい程行かない場所)。
「こことここに名前と住所を書けばいいんですね?」
俺が看護師さんに尋ねると「ハイ、そうです」と答えた。
産婦人科の待合室は俺たち以外はだれもいない。シーンと静まり返った待合室はなんだか不気味にも感じた。
大平さんは既に書類にサインを済ませ処置室にいる。
普通の手術なら「頑張れよ!」「必ず治るからな!」とか励ましの言葉を掛けれるが、今回「中絶」。
俺達は大平さんに何も言葉を掛ける事が出来なかった。唯一、千晶さんが大平さんの肩を軽くたたいて頷くぐらいだった。
大平さんは妊娠16週ぐらいに当たるため、妊娠12週(妊娠中期)を過ぎて中絶した場合、死胎は火葬、埋葬がされる(自治体の事例に沿う)。分娩した日から7日以内に市役所へ死産届けを提出し、死胎火葬許可申請書を受け取り、手続きを終えて許可証をもらうという流れになるらしい事と21週から少し過ぎると国の法律上、中絶は出来ない事を看護師さんが説明してくれた。
手術事態も10分から20分ぐらいで終わるらしい。その待っている間の時間が俺達は1時間にも2時間にも感じ取れた。
本来産婦人科は病気以外は新しい生命誕生に喜び祝福されて産婦人科の扉を出て行くものだと思っていた。だが「中絶」は扉を出て行く時は暗く重い物(罪?)を背負って出て行かなければならない。
そして手術は終わり処置室から産婦人科の先生が出て来た。歳は60歳は超えているだろうか白髪頭で優しそうに見える先生だったが俺を見るなり
「君があの子の彼かね?」
少しキツそうな言葉で言って来た。
「「「あっ」」」とカンナと青葉、千晶さんが言い掛けたが俺は先生から見えないようにカンナ達に右手で静止のポーズを取ると
「はい。今回はありがとうございます」
俺は先生に一礼をした。
「うむ、しかしもう少し決断(中絶の)を早くする事が出来なかったのかね!」
また先生はキツそうな言葉で。
「えっ?と言いますと?」
俺は先生の言っている事がわからなかった。
「君は男だから見守るだけでいいが、女性にとってはかなり身体に負担が掛かるんだよ!しかも中絶は早ければ母体に対しての負担はかなり減るんだ。君はもう少し彼女の身体を大切にしないとダメだ!」
先生かキツく言うので俺の後ろで「あっ」とまた言い掛けたので俺は背中に手を回してまた静止させた。
「ハイ!これからは彼女を大切にします!」
俺はさっきよりも深々と一礼した。
「あと、する時は避妊具を使用する事!」
「ハイ!本当にありがとうございました」
俺は一礼した体制で言うと先生か俺の背中をポンと叩くと
「君みたいに物分かりのいい若者ばかりだとこちらも助かるんだがな」
そう言うと先生は診察室へと戻って行った。先生の横に居た看護師さんは
「ごめんなさいね。先生がキツい事を言って。けど勘違いしないでね、あれは君の事を思って言った事だから」
「ええ、わかってます。本当にありがとうございました」
看護師さんに俺は一礼し、看護師さんはニコリとして
「本当に先生の言うとうり物分かりのいい人ね。彼女の事大切にしてあげてね。あとね、彼女さん、麻酔が効いているから今日は入院だけど明日には退院できるから。面会もできるけど‥‥」
看護師さんがそう言うと俺は
「ハイ!行きます!」
と俺達は処置室の隣のベッドの所に案内をしてくれた。その内の一つのベッドに大平さんが寝ていた。千晶さんが
「沙也加、沙也加、大丈夫?」
「‥‥‥あっ‥‥千晶‥‥うん‥大丈夫」
麻酔が効いているのかまだ反応が悪い?大平さん。
「大平さん、大丈夫?」
俺が続けて言った。
「太田君‥‥うん‥大丈夫」
俺の後ろに居たカンナと青葉は心配そうな顔をしていたがその言葉を聞いて「ほっ」と安堵の溜息をした。
が、俺は麻酔が効いた弱々しい大平さんを見て
「‥‥‥ゴメン‥ゴメン‥ゴメン‥ゴメン‥ゴメン‥ゴメン‥」
なぜかずっと謝っていた。
「ちょ、ちょっと太田君!何故君があやまるのよ」
千晶さんが慌てて俺に言った。
「‥‥そうよ‥‥何故太田君があやまるの」
大平さんも麻酔が効いた身体でなんとか言葉にして言った。
しかし俺は大平さんの右手を両手で取るとギュッと握り
「ゴメン‥ゴメン‥‥ゴメン‥ゴメン‥」
と。そして目が潤んで頬に一雫の涙が流れた。それを見たカンナは「何故ヒロが泣くの?」と。千晶さんや大平さんは言葉が出ないでいたが、青葉だけは
「‥‥‥ほんと、ヒロ君は昔からその辺りは変わらないのね。人の為に一緒に悩んで、人の為に一緒に泣くその性格は‥‥だから私は‥‥‥」と。




