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太田君の彼女は妖精さん⁈  作者: 本田 そう
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大平 沙也加 その3

スミマセ〜ンm(__)mまだ過去話続きます。

(๑╹ω╹๑ )

四月の新学期。私と太田君はクラス替えで同じクラスになった。あの不良の問題児達も一緒に。


新学期が始まり四、五月はなにごともなく平穏な日々が続いたが、六月のある日を境に周りの様子がおかしくなる。特に太田君が‥‥。

て、言うか太田君表情暗いし顔や態度に出ないからわからないわよ!

周りのいじめをされた子達は顔や態度に出てすぐにわかったけど、彼の場合はほんとーにわからなかった。

太田君に対してのいじめは最初は物が(教科書など)がなくなる程度だったが三学期の終わり頃にはあの不良達が太田君を人気のないところに呼び出し殴る蹴るを繰り返ししていたみたいだった。


そして三年生になりまた太田君と同じクラスになったが、私は太田君の事を余り気に掛けなくなっていた。

(だって、太田君殴られたアザとかあったのみんなが気づいて心配しても暗い表情で首を横に振るだけだし。先生もお手上げ状態)


そんな状態が続いて三年生の二学期の10月のある日、私は太田君の真実の心を知る。


私は文化祭の準備などで帰るのが遅くなり教室に鞄を取りに行くと、誰もいない夕方の教室に一人誰かいた。

私がドアの取っ手に手をやり開けようとした時、


「バァン!!」


と机を叩く音がした。

私はビクッとし取っ手から手を離した。


『な、なに?誰かいるの?』


私はそっと取っ手に手をやると少しドアを開け教室内を覗いた。

そこにはイスに腰掛け机をバンバン叩いていた太田君が居た。


『えっ?‥‥太田君‥‥何でこんな時間にいるのよ』


そして私は太田君を見て驚いた。彼は悔しそうに机を叩いて泣いていたのだ。あんなに悔しそうにした太田君の顔を私は見たこともない。


「‥‥俺はこのまま‥‥生きていていいのかよ!‥‥お前が死んで‥‥俺が生きているのわ!」


えっ!なに?死んだ?太田君‥‥このまま生きていて、て、どう言うこと?

私はもう少し聞けるようにとドアに寄り添った時、「ガタッ」とドアが動いた。


太田君はその音に「ハアッ」と気づき両手で涙を拭うとイスから立ち上がりドアの方に駆け寄って来た。


『‥‥マズイ、マズイ、マズイ‥‥』


私がアタフタとしているとドアがガラッと開らきそこには太田君が立っていた。


「‥‥‥‥‥あ‥‥‥あのう‥」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥見てた?」


長い空白の後太田君が言った。あの無言で喋らない太田君が。


「‥‥うん‥‥それよりも‥‥『生きていていいのか』とか『死んだ』とが聞こえたけど‥‥‥」


私がその言葉を言うと、太田君は私に背を向け自分の机の所に行くと鞄を持って私の前を通ると


「‥‥今の、別に喋っても‥‥いいよ」


太田君はまたいつもの暗い表情しながら私に言ってきた。私は『えっ!』と驚いた。だってあの無口で無表情、おまけに暗いあの太田君が!返事だって首を縦か横に振るぐらいのイエスノー状態の太田君が‥‥‥けどなぜ『別に喋ってもいいよ』なのよ!自分の見られたくない物を見られたら普通は『喋らないでお願い!』何だけど‥‥。

で、私なりの結論。あれは太田君なりの照れ?隠しみたいな物でわ。『喋っても気にしませんから』てな。

‥‥‥けど‥何故泣いていたんだろう?

(結局それは中学を卒業しても分からずじまいのままだった)


けど‥あの悔しそうな顔は‥‥‥‥‥。

私は考えたが結論が出ない。太田君はいじめられても平然(ただたんに顔や態度に出さないだけかも)としているし、一人いじめられていたって‥‥‥‥えっ!一人!


「そういえばこの半年余りあの不良達、他の子をいじめているの見かけないわね‥‥‥‥‥まさか!太田君が原因」


太田君が一人で不良達からのいじめを受けて‥‥だから他の子達がいじめられなくなった

私はそう思った。

(後に太田君と再会した時聞いたら笑いながらそれは違いよと言われた)


そして、私はある行動に出た。不良達以外のクラスのみんなを集め先生達を巻き添えにして。最初はみんな不良達を怖がって集まらなかった‥‥が、一人また一人と集まり出し、クラスの保護者、そして私達の行動が市までも動かし卒業二ヶ月前には不良達の太田君へのいじめがなくなった。(まあ、あれだけの人達が動けば‥‥ね)


そして中学の卒業式の日、私は人生で一番驚く体験をする。あの、あの太田君が私に告白をしてきたのである!あいかわらずの無表情だったけど。ただ一言「付き合って」と。

私は一瞬「何処に?」て言いそうになったが、あの太田君だ!たぶん告白してるんだろうと思った。私は暫く考えて『けど、この心のモヤモヤした気持って?』と心のなかで呟くと私は、


「今は誰とも付き合うつもりはないの。ごめんなさい」と言うと、


「‥‥大平さんならそう言うと思った。‥‥ありがとう」


太田君がニコリと笑顔で言うとその場を立ち去った。


「えっ!ありがとうって?あの笑顔って?」


「あっ!」と言いかけた時太田君の姿はなかった。あの太田君の笑顔を見た時、私の心のモヤモヤはさらにモヤモヤしだした。


そして、高校は太田君とは別々になった。私は高校も何事も?(告白は何人かの男子にされたけど断った。太田君の時みたいなモヤモヤ感が一人も感じ無かった)なく卒業し大学へ。

そこで私は人生で最大の汚点を、後戻り出来ない事を起こしてしまう。



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