↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
70/90

異変

同棲して2年。


生活は落ち着き、


愛華も5歳になった。


愛華はすっかりパパっ子になって、


三人で過ごす毎日は穏やかだった。





——そのはずだった。




ある朝、


シャワーを浴びていた時だった。




(……ん?)




胸の横を洗った瞬間、


指先に“いつもと違う感触”が触れた。




小さな、硬いもの。




(……え……?)




もう一度触る。


やっぱりある。




小さな“しこり”のようなものが。




(……気のせい……?


 いや……でも……)




胸がざわつく。


心臓が早くなる。




シャワーの音がやけに大きく聞こえた。




(……なんで……?


 なんでこんなところに……)




怖くて、


息が浅くなる。




その時、


脱衣所の向こうから尚文の声がした。




「香織ー?タオル取ってこようか?」




「っ……! だ、大丈夫……!」




声が震えた。




尚文は気づいていない。


いつも通りの優しい声。




(……言えない……


 こんなこと……言えない……)




シャワーを止めて、鏡の前に立つ。




濡れた髪のまま、


胸にそっと触れる。




やっぱり——ある。




小さいけれど、


確かにそこにある。




(……どうしよう……)




怖い。


でも、もっと怖いのは——




(……もし……


 もしこれが“あれ”だったら……)




尚文の顔が浮かぶ。


愛華の笑顔が浮かぶ。




胸がぎゅっと痛くなる。





(……まだ言えない……


 確定したわけじゃない。


まだ……)




私はタオルで胸を隠し、


深呼吸をした。




(……大丈夫。


 きっと大丈夫……)




そう自分に言い聞かせながら、震える手でドアノブを握った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。