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二十四話

「みかちゃん、カイロあげます。それに、ダイオウイカ。ガチャガチャで手に入ったんです。」


「ありがと。好きだよね、ガチャガチャ。」


「何か運命を感じる気がして。」


「そうなんだ。」


自動販売機の前。

暖かい缶珈琲のボタンを押した。


「馨は?」


僕の分までお金を入れてくれている。


「んー、コンポタージュで。」


「朝食べてないの?」


暖かいコンポタージュが落ちてくる。


「布団でぬくぬくしてたら時間がなくなりました。」


「パンは?食べる?」


コンポタージュを渡された。熱い。

交互に持ち替えて、熱を掌で奪う。


「そんなに貢がなくて良いですよ。」


「お互いさま、じゃあね。」


とカイロと缶珈琲を持ちながら、職員室へと歩いていく。ポケットにはダイオウイカ。


「可愛い。」


朝のルーティン。気分があがる。



「お砂糖ちゃん、おはよ。」


「おはよう。髪染めた?」


「んー、染めちゃったあ。可愛いっしょ?」


「すごく可愛い。」


ふわふわの髪型に淡い色のピンクが良く似合う。可愛くて柔らかい印象。


「お砂糖ちゃんも染めてみたら?気分あがるよ?」


「でも、僕は黒髪しか似合わないから。」


「黒髪も、の間違いじゃない?」


なんて冗談で笑ってくれる。


「髪色、ピンク?」


ザキも集まってきた。


「そー、良いっしょ?」


「十二月だからって、浮かれてんなあ。」


飴ちゃんの髪を無造作に撫でる。


「ふふっ、関係無くない?」


「ああ、これだからリア充は。」


ザキが僕は何か言いたげ。


「あはっ、非リアの嫉妬だ。」


飴ちゃんはこの状況を察して笑ってる。


「霰、お前もだろ?」


「俺?俺は最近できたよ。」


「「え、まじ?」」


「見事にハモった。」


興味がリア充非リア充論争から飴ちゃんの恋人の話へ一瞬でうつった。


「いつから?」


「十一月の終わり頃?」


「何で出会ったん?」


「出合い系アプリ。」


「うわ、時代だわあ。」


なんてザキが感心してる。


「ザキも入れてみたら?」


「いや、俺はいいや。」


「運命的に出会ってみたいから?」


「あはっ、ロマンチストじゃん。」


「別に悪くはないだろ。」


少し拗ねられた。


「それで、どんな人なの?」


「俺より三つ上の大学生のお姉さん。だけど、超可愛いの。無理に大人ぶってるところが。」


「ああ、好みそう。」


「デートももう三回くらいしたかな?」


「キスは?」


「ザキ、それ聞いちゃう?」


なんて聞き返してるけど、話したくてウズウズしてる。


「聞かせてよ。」


「もうべろちゅーまでしちゃった。」


恥ずかしがりながら楽しそうにそう言った。


「うわ、やべえわ。こいつ。」


ザキが囃し立てる。


「まあ、お砂糖ちゃんには負けるけど。」


「ん?」


「人畜無害そうな顔して、やることはやってんじゃん?」


「確かに、エキスパートだわ。」


なんだよ、エキスパートって。


「ふふっ、これに関しては笑うことしかできない。」


「馨も随分と浮かれてんなあ。」


そう言って、ザキが僕の肩を叩く。


「あははっ、クリスマス警察だ。」


十二月はテレビでも、街中でも、至るところにクリスマスが潜んでいる。

そして、恋人がどうのこうのも付随して。


「浮かれてなんかないよ。やるのにクリスマスも何も関係無いから。」


「うわ、かっけえ。何?今の台詞。」


「やるのにクリスマスも何も関係無い、だって。かっけえ。痺れるわ。」


ザキがすげー笑ってる。というより煽ってる?


「絶対、馬鹿にしてる。」


とザキを指さして笑う。


「だって、やべーもん。」


「でも、そうじゃん。関係無くない?」


「それはそうだけど、クリスマスって、そういうもんじゃなくね?」


「どういうの?」


「やっぱ、恋人と楽しく過ごすのが醍醐味っしょ。プレゼント渡したり、ケーキ食ったり。」


「何のために?」


「何のために???」


ザキが復唱して答えを模索している。

そもそも、クリスマスって何?


「お砂糖ちゃん、クリスマスは空っぽな箱なんだよ。意味なんてまるっきりなくて、ただ騒ぎたいがための行事。言うなれば、購買意欲促進のための企画みたいなもの。」


「ロマンの屑すらねえな。」


「そんな悪風、なくなっちゃえばいいのに。」


そのせいで寂しさが生まれるのならば。


「お砂糖ちゃん、好きだわあ。」


「やった、好かれちゃった。」


「恋人がいるのに寂しい奴ら。」


ザキが的を射たコメントをする。


「ザキも一緒じゃん。」


「クリスマス、何も考えてないのかよ。」


「ないね。」


「俺はイルミネーションみるつもり。」


「霰が及第点とすると、馨は落第点。恋人悲しむぞ?」


「じゃあ、セックスはするよ。」


「あはっ、笑った。」


「真面目に答えろ。」


「といわれても、酷い金欠だからなあ。」


財布の中身、すっからかん。



「うう、さみぃ。地球温暖化、まじで恨む。」


「温暖化なのにさみぃから?」


「温暖化だからさみぃんだよ。」


「へえ、知らねえし、興味ねえよ。」


「窓、閉めていい?」


「やめろ、煙草くせぇ。」


「あはっ、冷たいね。」


「みーちゃんのが残酷。」


「そうかな?」


「ほら、そーいうとこ。」


自覚はある。悪いけど。


「ていうかぁ、煙草。やめんじゃねーの?」


「やっぱ、やめらんないんだよね。」


「さすが、ダメ人間。」


「よく言われる。」


「なのに、浮気はしないんだあ。」


「しないよ。そもそも、あいつより魅力的な奴がいないから。」


「うへえ、気持ち悪ぃ。考え方が違ぇんだよなぁ。浮気なんかぁ、ただの性処理じゃん?」


「あははっ、クズ野郎だぁ。」


「彼女の他にぃ、性処理相手がいないとぉ、俺、生きていけなぁい。」


「笑った。典型的クズすぎて。」


「そもそもぉ、彼女だって彼氏がモテた方が嬉しくない?」


「独占欲の塊みたいな奴が何言ってんの?」


「違うって、俺のは支配欲。君の彼氏のが、怖いくらいの独占欲。」


「へえ、違いがわからない。」


「わかりやすく言うと、嫉妬するか否かじゃん?ジェラシーぃ。」


「しないの?」


「じゃあ逆に聞くけど、飼い犬が他の犬に尻尾振ってるのを見て嫉妬するかい?」


「しない。恋愛対象外だから。」


「そういうこと。」


「理解した。お粥は恋愛しないって。」


「恋愛はする。美しいものには心奪われる。それを恋愛と言わなければ、俺は恋愛をわからない。」


「えーと、言葉を間違えたよ。普通の恋愛はしない、だった。」


「みーちゃん、また賢くなったね。俺について。」


「くそどーでもよ。」


「あはっ、可愛いなあ。キスでもしない?」


「しない。」


「あーあ、腹減ったあ。死にそー。」


「絵に描いた餅でも食えば?」


「ああ、そうするわあ。超現実主義(シュルレアリスム)らしく。」


「喉に詰まらせて死ぬなよ?」


「みーちゃん、優しぃ。死にそー。」


「ふふっ、どーせ死ぬじゃん。」


「病んでるときのみーちゃんみたいじゃない?」


「確かに。」


「あの頃は可愛かったなあ。脆くて儚くて消えてしまいそうで。何を血迷ったのか、俺なんかに頼っちゃってさあ。」


「ああ。」


「余計に傷を深く抉った気がしたんだけど。気のせい?」


「それは、間違いなく合ってるよ。」


「あははっ、強化イベ強化イベ。杏仁豆腐メンタルを絹ごし豆腐メンタルくらいに。」


「結局、豆腐なんだ。」


「みーちゃんはそのままが可愛いんだよ。豆腐のまま生きて、豆腐のまま死んで。」


「たぶんそう。そうなるよ。」


「あはっ、てきとー。」


「え?」


「ん、違った?馬鹿な話してんなあって。思ってなかった?」


「どうだろ、思ってたらどうなんの?」


「いや、どうにもなんないよ。ただ、俺が他人の心を読めたってことがわかるだけ。自己満足。」


「そっか。」


お粥は心底、真面目じゃない。


「そう言えば、もうすぐクリスマスだよね。予定ある?」


「ないよ。」


「まじ?すげー予想外。馨くんは?」


「一切、そういう話してこないんだよね。きっとクリスマスの存在を忘れてるんじゃないかな。」


「えー、そんな人いる?この現代に。しかも高校生で。」


「絶滅危惧種なんじゃん?」


「あはは、笑う。だったらあ、俺が予定埋めてあげよっか?」


「良いね、朝までオールしようよ。せっかくの土曜日だから。」


「え、なになに?珍しくめっちゃ乗り気じゃん。やる気出ちゃうなあ。」


「ただ呑むだけだって。それ以上は何もしない。絶対に。」


「はいはーい、わかってますよお。」


「すごい胡散臭いんだけど。やっぱ、やめよっかなあ?」


「じゃあ、正直に言うわ。酔わせて判断基準狂わせれば、俺の勝ちってことで。手ぇ打ってくんない?」


「そもそも、そんなに呑まないよ。」


「そこは俺の技量でしょ。」


「ふふっ、楽しみにしとく。」


「よっしゃあ、めっちゃやる気出る。どうしよ、仕事捗っちゃうなあ。これ。」


「良かったじゃん。」


「うん、ありがとね。みーちゃん。」


なにそれ、子供っぽい。変人のままでいてくれ。


「どういたしまして。」



クリスマスイブは平日。特に何もない。

強いて言うなら、冬休みだ。

名前の通りに、休みじゃないけど。


冬期講習でクリスマスが潰れ、正月が潰れ。

勉強は学生の仕事だと言うけれど、だとしたらブラック企業。趣味も仕事人間。


「まあ、みかちゃんも仕事してるからなあ。」


なんて考えながら、黒板に書かれた白い文字をノートに写す。理解はできる。

理解はできるけど忘れてしまうのが弱点。

捻った問題だと解けなくなってしまうのも。

と言っても、ひたすら暗記しかない。


馬場くんはご飯を食べるときも単語帳片手に暗記してるくらいだ。そりゃ負けるよ。

恋人へのプレゼントを用意している時点で。

ああ、宿題というクリスマスプレゼントはいらなかった。


帰り、楽しみにしてる。サプライズ。

サンタになって、こっそりとプレゼントを枕元に。できるかな。


二十二時、脳味噌の疲れを抱えながらの帰宅。


「馬場くん、クリスマスプレゼントあげるよ。」


「チョコレート?」


「つい買いすぎちゃって。」


自分も糖分補給をして、脳を休める。


「ありがとう。いつか返すよ。」


「いいよ、それぐらい。」


「俺が良くない。借りっぱなしは嫌なんだ。」


「あはっ、真面目、っていうより完璧主義者?」


「こだわりが強い面倒な奴とは言われる。」


「確かに、それかも。」


と僕が笑うと彼は少し目を泳がせた。そんな彼に


「ごめん、冗談だよ。気分悪くした?」


なんて声をかけると彼は目を丸くした。


「驚いた、どうしてわかるんだい?」


「え、見てれば何となく。」


「へえ、感心する。馨くんの洞察力の高さには。」


「ありがと。」


「彼女いるでしょ?」


「ふふっ、いきなりだね。」


「顔良いし、頭良いし、性格良いし。天は二物を与えずどころか、三物も与えてるから。」


「困った、そんなに褒めてくれてもチョコレートしか渡せない。」


「そんなのはどうでもいい。今は彼女がいるいないの話。」


「そうだね、いるかな。うん、いると思う。」


「随分と、はっきりしないね。」


「彼氏彼女らしいことを久しくしてないからさ。曖昧になっちゃって。」


「生憎、本日のクリスマスは冬期講習。勉強と恋愛の両立は難しそうだな。」


「本当、数三より難しい。クリスマスって、社会全体がそういう、恋人重視って雰囲気だから、会えないとなると余計にね。」


「そっか、男子校で良かった。」


「ふふっ、羨ましいよ。」


時間は作るもの。睡眠時間は真っ先に削る対象となった。



「みかちぃ、呑みすぎ。」


「つい楽しかったからさあ。」


「なのに、俺の誘いはことごとく断るしぃ。」


「やっぱあ、無理なもんは無理。」


「はあ、すげえ辛辣よな。でも、流石に俺もこんな酔っ払いとは無理やわあ。」


「何なん、振っといて振られた気分。」


「寸分の狂いもなく、そのまんま。」


千鳥足のみーちゃんを支えながら家まで送る。ここまでが呑みの醍醐味だ。


「ほら、家着い…たけど、大丈夫そ?」


酔いが一気に覚めた。馨くんが玄関前に座って寝てる。この寒空の下。


「んー?馨?」


この酔っ払いと馨くんをエンカウントさせてはいけない。

俺が馨くんの立場なら、完全にブチ切れてるから。

けど、エンカウントさせずにこの酔っ払いを家に帰すのは不可能。

その前に、馨くんの健康状態が心配。


「みーちゃん、ちょっと黙ってて。」


とりあえず、みーちゃんは階段に座らせて、馨くんの安否確認。


「おーい、大丈夫か?」


腕を揺らすと、目を覚ました。


「…みかちゃんは?」


第一声がそれかよ。


「あの酔っ払いはそこで座ってる。」


「ああ、呑んでたんですか。」


「君は?何で?」


「クリスマスなので恋人の顔を一目見たかったんですが、もう日付も変わっちゃいましたね。」


スマホを確認して悲しそうに笑う。


「…寒くない?大丈夫?」


その恋人に対して、俺が言えることはない。

発端、俺だから。


「そりゃあ、寒いですよ。」


と笑って立ち上がって、手をさすって温めている。血色が悪い唇と、ぎこちなく動く手。


「馬鹿でしょ。」


そんなになるまで人を待つなんて。

寒さ対策ぐらいはしとけよ。


「何ですか、酔ってるんですか?」


いきなり抱きしめると体温同様の冷たい対応をされる。


「温めてやってんの。」


「余計なお世話です。」


やっぱ、人の親切を踏み躙る生意気な餓鬼。


「でも、みーちゃんも酷いよねえ。クリスマスなのに、恋人ほっぽいて呑みに歩いちゃうんだからあ。」


それなりの攻撃。


「良いんですよ、僕が一人にさせたのが悪いですから。何か文句でも言ってました?」


無傷を装う。自己否定。かなりのダメージ。


「もう俺が文句言いたい。あいつ、恋人の話をベラベラベラベラ喋りたいだけ喋りまくって、俺の誘いは一切合切全て断りキスすらさせてくれなかったんだよお?クリスマスなのにぃ。」


「あははっ、守備が硬かったんですね。」


「しかも、聞きたくもないくっそ甘ったるい恋愛幸福話を聞かされた被害者である。」


「それはご愁傷様です。」


これで馨くんの笑顔が見れたからプラマイゼロか。


「みーかちゃん、かなり呑んだんですね。」


俺のは嫌がるくせに、みーちゃんにはバックハグするんだ。


「ふふっ、馨だあ。」


それに応えて、みーちゃんは後ろに振り向いて嬉しそうに笑う。

あーあ、俺の役目はもう終わり。帰ろ。



「一日遅れですがメリークリスマスです。」


リボンが付いた四角い箱を渡された。


「んー?何?」


開けてみるとシルバーのネックレス。髑髏の刻印がとても可愛い。


「どうですか?」


「ふふふっ、俺の好みぃ。ありがと。」


とキスをしようとすると、待って、と合図されて、ネックレスを付けてくれる。

このために後ろから抱きしめてきたんだ。


「冷たっ。」


首に触れた瞬間、咄嗟に手で抑えてしまうほど。

驚いて振り返ると、両頬に触られた。


「やめて、冷たいって。」


と笑うと体温が上がる気がした。


「冷めちゃった。」


そう笑う馨の言葉が冷たい。心が冷たい。たぶん、この指先より。ああ、背筋が凍る。


「温めてあげる。」


手を握ろうとすると、


「いいですよ。寒さには強いですから。」


と逃げられてしまう。


「そんなの理由にならないから。」


服を掴んで捕まえた。


「ふふっ、なにその表情。」


戸惑うに近い無表情、言葉を考えている。


「…言葉が見当たりません。」


「心が冷めちゃった?」


「意地悪なこと聞きますね。」


てことは、図星か。

頭がフリーズした。


「ふふっ、何でそんな平気そうな顔してるんですか?酔ってるんですか?」


一つ、外れ、一つ、当たり。そして、八つ当たり。


「ああ、吐きそう。」


酒と毒と血が。


「吐いていいですよ。」


と背中をさすられる。


「…もういいよ。やめて、そんな優しさいらないから。」


怠くて重い頭を自分の手の中に埋める。どんどん惨めになってくる。


「そうですか。じゃあ、もう帰ります。また冬休み明けに会いましょうね、塩先生。」


と俺の傍から離れていくのが足音でわかる。


「ああ、うん。…え?」


耳を疑った。冬休み、会わないつもりなんだ。



正月は炬燵に蜜柑に正月番組。

テレビに映る妹を見て、「あけましておめでとう」と心の中で言った。


「みぃ、お餅でも食べるぅ?」


「いらない。」


正月ってのは尽く、暇だ。


「れも、忙しそうやなあ。」


とお餅をトースターで焼きながら話しかけてきた。


「んー。」


正月は音楽番組もたくさん。繁忙期だ。


「連絡しとるけ?」


「してない。」


「ちゃんとしぃ。可哀想やろ。」


「…はーい。」


スマホを持って、炬燵に寝っ転がる。

連絡したところで、忙しくて返信もできなさそうだけど。…連絡は無しと。


炬燵の横に餅を持って座ってきた。


「あつ、あっつ。ばりあっついわあ、この餅。」


「ふふふっ。」


「…食べられへん。」


「どんまーい。」


「あれえ、えらい洒落たネックレスしてはるなあ。」


餅から俺へ興味が移った。ネックレスをまじまじと見ている。


「もらいもん?」


「何で?」


「いやあ、素敵な彼氏さんからのプレゼントかなあ思おて。」


「…違う。」


「嘘やあ。自分、こうゆうん買うへんやろ?」


「素敵な彼氏ではない。」


「ああ、そっち?何や?喧嘩でもしとんのか?」


「そ、連絡もよこさない。」


スマホ画面を見る度に憂鬱になる。


「何したん?」


「何もしてない。」


「ほな、喧嘩にならへんやろ。」


「…嫌われた、完璧に。」


「まあ、恋人なんて喧嘩してなんぼや。」

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