第2話 夕子殿、朝子殿、大船に乗ったつもりでござるよ
その日の夕刻、徳田康代は側近の天宮静女と神使セリウスを伴って秋野神社の赤い鳥居をくぐり社務所を訪問した。
巫女が康代に秋野神主は接客中と伝える。
徳田たちは社務所の入り口で短い時間を潰すことになった。
神社の巫女が徳田たちを奥座敷へ案内する仕草を見せて康代が気付く。
そこには見たことのない同じくらいの歳の美しい女性が2名がいた。
神社と不釣り合いな印象を康代は感じ胸騒ぎを覚える。
「康代さん、紹介するわねーー こちらが昼間夕子先生。隣がお嬢さんの昼間朝子先生」
康代は秋野神主の言葉の意味をまったく理解出来ずにいた。
どう見ても同じ女子高生くらいの年齢に見える。
『先生、たちの悪い冗談ですか』
「いいえ、冗談じゃないわーー セリウスさんと静女さんなら分かるでしょう」
「ええ、死んでおるはずなのに生きています」
『セリウスさま、どう言うこと』
「時の女神の悪戯かと」
『わからないわ』
「康代殿、神隠し覚えておるでござるか」
『ええ、覚えておりますが』
「あれは次元間の並行世界でござったーー これは、時空間でござるよ 」
『静女ーー じゃあ、これは』
秋野晴美がぽつりと康代に囁く。
「康代さん、タイムスリップよ」
セリウスが陰陽師に言った。
「この女性たちは、更に不老不死の秘術の光を全身に浴びております」
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昼間夕子がセリウスを見て言う。
「目の前に黄金の光が現れ、光の中から時の女神さまが現れました」
「いつですか」
セリウスが尋ねる。
「あれは大政奉還からーー 200年が過ぎたころの時代です」
「今は東和暦2年で大政奉還からーー 301年になります」
「私たちの中で時間が止まってしまっています」
『分かりましたーー できる限り先生たちの協力を生徒会が率先して致しますわね』
「夕子殿、朝子殿、大船に乗ったつもりでござるよーー 」
天女の天宮静女は、無邪気な声を上げ神社の境内を見つめている。
⬜︎⬜︎⬜︎
秋野神社の境内に寒桜の蕾みが目立ち始めていた。
少しずつ日没が遅くなって光が強くなっている。
静女の紫色の髪と瞳が宝石のように夕陽の反射でキラキラと輝いていた。
『明日もお天気良さそうね。静女ーー 』
「康代殿、お天気のことはわからぬでござるよーー 」
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三日月未来




