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転生した王女は「検索」でまったりと生き残りたいと思ってる  作者: せいざ


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優秀な兄弟とスキル


 エトリア王国には私の他に、三人の王子と一人王女がいる。


 十四歳になる第一王子のエトリア・ベル・リデアは国王似で、ライラックの毛に新緑の瞳を持つ線の細い美青年。昔から感情を表に出すのが苦手らしく、あまり笑ったりはしないけど、会った時はいつも美味しいお菓子をくれる優しい兄。


 次に十三歳で第一王女のエトリア・アン・アイリーン。王妃似で藤色の波打つ髪に猫目、スカイブルーの瞳が美しいセクシーな美女。アイリーンは流行りのアクセサリーやドレスをプレゼントしてくれる、気前の良い姉。


 次はアイリーンと双子の第二王子、エトリア・ベル・グレイブ。藤色の波打つ髪を短く切り、エメラルドグリーンの瞳をもつキリッとした美少年。体力自慢らしく、よく私の住む小屋までトレーニングがてら来てくれる。何かと世話を焼いてくれるツンデレの兄。


 最後に、十歳で第三王子のエトリア・ベル・ローレンはサラサラなラベンダー色の髪の毛を肩で切り揃え、ミントグリーンの瞳を持つ美少年。優しい笑顔で人当たりがいいからか、使用人達からも人気が高いみたい。歳が近いから良く遊び相手になってくれる可愛い兄。


 兄も姉も優しいのに、何故か父である国王だけは強欲で冷徹で傲慢である。似てなくて本当によかった。


 この優秀な兄や姉の力を借りつつ、自分で婚約者を見つけなければいけないという超面倒くさい展開になってしまったけど…ご覧のように、家族以外から隔離され生きてきた私には、人との交流は無いに等しい。しかも平民との間に生まれた、なんちゃって王女である。今の所、兄弟以外は、私の『スキル』を使い物にならないと思っている。婚約者などと大それたものを見つける事はまず茨の道だろう。


 この世界には、生まれた時から人が持っているスキルと、魔獣や精霊が扱える自然魔法と、空気中に漂う魔素というものが存在する。スキルは個人の魔力から練り出す特殊能力、自然魔法は漂っている魔素を集めて使う現象。


 転生した私が一番最初に試したのは、自分のスキルがどの程度使えるかだった。


 生まれた赤子が息を吸うように、魔力の流れる身体が、自然と『検索』のスキルを発動させた。

 検索画面の様なものが目の前に現れ、前世で見慣れた画面に最初は安心したけど、使ってみればその驚異的な知識量に冷や汗をかいた。自分が知りたいと思ったあらゆる事を教えてくれる。些細な日常の疑問から、世界の秘密まで。私の知っている『検索』ではない。これはこの世界の説明書なのでは…。


 私に『検索』スキルがある事を家族は知っているけど、どれだけ便利なものなのかを分かっていない。なんせ書かれている言葉が『日本語』だから。

 まだ転生する前に、エメラルダがこちらの世界の言語ではない『検索画面』を国王に見せた時、かなり失望されたみたい。王家の血が流れるものは、例外なく素晴らしいスキルを授かるらしい。かなり期待して現れたのは、訳のわからない文字と、薄っぺらい四角の発光体。 やはり、平民の血が入っておる出来損ないはなんやかんや…みたいな事を言われた記憶が残っている。初手で国王から見放されて個人的には助かったけど、あと三年か…


「まぁ、今すぐどうにかできるわけでもないし、ひとまずは今日の木の実を取りに行こうかな」


 畑仕事を終わらした後は、いつも森に入り木の実を収穫する。何かあった時の為に、保存用のジャムを作る為だ。と言っても、普通のジャムでは無いのが異世界仕様というかなんというか。

 玄関に引っ掛けてあったカゴを手に取り、昼食用の水とサンドイッチをリュックに入れる。木の実を摘んだ後はいつもの場所で昼食を摂るのが定例。


「じゃあ、今日も張り切って収穫だー!」


 元気よく、誰も聞いていない掛け声と共に森へ出発した。


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