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転生した王女は「検索」でまったりと生き残りたいと思ってる  作者: せいざ


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魔素の森

いつも読んでくださりありがとうございます。


 執務室に辿り着き、グレイブから解放されたエメラルダは、フラフラとソファへ座り込んだ。


(グレイブ兄様は身体強化のスキルでは無かったはず…恐ろしい身体能力だわ)


 ソファにくたっと座っているエメラルダに、リデアとローレンが近づく。


「アイリーンの居場所がすでにわかっているみたいだが、何処にいるんだ?」


 リデアがエメラルダの側に膝をつき、優しく問いかける。執務室の中には兄達しかおらず、スキルを見える様に表示した。


「ここです。」


 アイリーンと書いてある丸を指差す。


「ここは…」

「離宮の近くに在る魔素の森か」


 リデアの冷える様な声に、グレイブが被せるように答えると、先ほどまでやる気に満ちていたローレンの顔が曇る。


「リデア兄様…申し訳ありません。あそこの魔素は特殊で、僕の『転移』スキルが発動しません」

「私の『時間変更』のスキルも発動しない」


 リデアとローレンの言葉に、エメラルダが驚きで目を見開く。


(スキルが発動しない?…そんなまさか。私のスキルは問題なく発動出来るのに?)


 そんな疑問を口にしようとしたが、今はアイリーンの救出が先である。一度頭を振り、冷静に考える。


「今すぐ森へ向かいましょう。森にはよく出入りしているので、問題ありません。友達のマメも手伝ってくれます。」


 そう言いながら、髪の毛に隠れていたマメを指先に移動させる。リデア達は初めて見るアルコスパイダーに驚いていた。


「お前…魔獣をそんな所に連れて歩いてるのか」


 呆れ声のグレイブにエメラルダがにこりと笑う。


「マメは友達兼護衛なんです」

「とりあえず、僕のスキルでエメラルダの離宮まで移動するよ」


 ローレンが『空間移動』と唱えると、目の前に人が一人通れるほどの四角い光の空間が現れる。エメラルダ、リデア、グレイブ、ローレンの順で光の中に飛び込むと、目の前はすでに離宮の裏にある畑だった。


「俺のスキルで近衛兵をこちらに呼んでおく」


 グレイブが『召喚』と唱えると、グレイブの目の前に魔素が集まり鳥の魔獣が現れる。


「近衛兵を呼んで来い」


短く命令すると、魔獣は従順に空へと飛び立っていった。


「近衛兵が魔素の森に入ったら、迷って出られなくなる。森の周辺に配備して、俺らだけで見つけるぞ」


(近衛兵が入れない?魔素の森ってそんなに危険な場所だったの?)


 エメラルダが今更森の危険性に慌てていると、その様子に気づいたリデアが優しく宥める。


「魔素の森は、王族が身につけている特殊な魔道具がないと出ることができないんだ」


 そう言って首から下げている金色のチェーンに、琥珀色の石がぶら下がっているネックレスを見せる。


「アイリーンを攫った犯人は、この魔道具の存在を知っていたのだろう。アイリーンと一緒にいる限り、森から出られる。近衛兵を頼ることが出来ない今、私たちがしっかりしなければいけない。頼りにしてるよ、エメラルダ」


 そう言ってエメラルダの頭を撫でるリデアの手が、少し冷たいことに気がついた。


(冷静に行動している様に見えるけど、アイリーン姉様の事が心配で緊張しているのね…)


「エメラルダ。危険な事に巻き込んでごめんね。でも、アイリーン姉様の為に一緒に来て欲しい」


 いつも柔らかい笑顔で周囲を癒すローレンの表情も、何処か固い。自分も怖いはずなのに、エメラルダの為に気丈に振る舞っているのだ。


「リデア兄様、ローレン兄様。任せてください!アイリーン姉様は私にとっても大切な家族です。私の持てる力を全力で活用して犯人をやっつけちゃいましょう!」


 どこかほっとした三人の兄達の顔を確認して、マメを指先に出す。


「マメ、ネバネバの糸をだしてくれる?」


 エメラルダの言葉に反応して、マメがシュッと糸を吐き出す。


「今マメが出してくれた糸は、粘度が高く伸縮性があります。触っても怪我をすることは無いので、安心してください。犯人を捕える時に使えるので、この糸を持っていてください。兄様達にはくっつかないようにマメが魔力で糸を調節してくれました」


 そう言って三人に糸の束を渡す。


「では、私から離れない様に着いて来てください。」


 それぞれが緊張した面持ちで森へと足を踏み出す。

 いつもの見慣れた森の木々が、怪しげに騒めいている様な気がした。



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