6話
あれから2日程た経ち、広場のベンチに少年少女はまたパイを食べていた。
「あのおバカ、見かけないわね。」
「・・・うん、そうだね。」
「元気にしてるかしら。」
「アリスは、気になるかい?」
「・・・何よ。」
「結構気にしてそうかなって。最近ここ通る時よくキョロキョロしてるから。」
「ま、まぁ?アイツバカだし?どっかでまた揉めて行き倒れてたりするかもだし?」
「ふーん、へー、そう。」
「何よニタニタして。気持ち悪いわよロード。大体アイツには保護者が必要じゃないかしら!どうせまた商人にあの手この手で足元見られてすぐスッカラカンになるわ!」
「さすがにあれから2日経ったし、そこら辺は強く───」
ガタッ
「・・・」
「・・・」
「み、みず───」
いつか見た光景である。
「やっぱこのパイは最高だな!」
「あったり前じゃない!メリーおばさまのパイは世界一なんだから!」
「たしかにこれは世界取れるぜ!」
「はぁ。」
ため息をつくロードとは正反対に元気な2人を眺め、さてどうしたものかと思考する。
「ギルドの依頼はどうしたんだい?」
「んあ?今のところバッチリだぜ。ゴブリン掃討だとかホワイトウルフの討伐だとか。」
「もうホワイトウルフ討伐してるんだ。」
「へぇ、アンタ以外とやるわね。」
「おう、一人で行くと1、2匹やられただけですぐ逃げちまうから追いかけるので大変だけどよ。」
「「一人!?」」
「?おう、そうだぜ。なんだよ2人してその目は。」
「・・・ゴブリン掃討の依頼で出てきたゴブリンの数は?」
「10からは数えてねぇな。」
本来ゴブリン単体の討伐ランクはFであり、ゴブリンの上位種が出てこない15匹までの討伐ランクはDとされている。そしてこの依頼は推奨3〜5人パーティ、lv15とされており、ソロで殲滅出来るランクは最低でもランクC、lv30前後である。つまりシデンの実力は最低でもCランクはあるということになる。
「そんな依頼の報酬独り占め出来るなら相当稼げた筈じゃないかしら?」
「まぁな、ゴブリン討伐3万、フォレストウルフ討伐は4万だったけか。」
「大金じゃない!いったいそのお金どうしたのよ。」
「・・・まぁ、いろいろあったんだよ。」
「何をどう色々したら2日で7万飛んでいくんだい君は・・・。」
「「はぁ。」」
珍しくアリスとロードのため息が被る。
「アンタのせいでロード病が移ったわ!」
「なんで俺のせいなんだよ。」
「人の名前を病気にするのはさすがに酷いと思うよ。」
「よし、決めたわ!」
人の名前を病気にしといて何がよしなのか、怪訝な目でロードはアリスを見た。
「シデン、ロード!冒険者ギルドに行くわよ!」




