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シリウス・ステラ・フォール  作者: 佐藤羊
理想を友へ
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19/34

18話

炎の弾丸は寸分違わず丸太に当たった。


「ごめん、待たせた!」


「─別に待ってねぇ!なんで来たんだ!お前もアリスも!!」


「友達を助けに来たんだ!」


『 』


ロードは影に置いていた魔道具を拾い、ここに駆けつけたのだ。そしてシデンの隣へ並んだ。


「待たせた分ちゃんとやれんだろうな!」


「任せてくれ。ここからは、もう何もさせないさ!!」


精一杯の強がりだった。

ロードがまだ、手足をまだ震わせてるのがシデンには分かる。ただ、恥じることのない立派な強がりだった。


「おい、ロード!」


「なんだい!」


「笑え!!」


「はい!?」


『 』


「笑うんだよ!ハッハッハァ!」


「はっはっ」


「ハッハッハァ!」


「「ハッハッハァ!!」」


『 』


アリスが二人の頭を眺め、もう視界に入れたくないとばかりに目を瞑った。

シデンに勇気を貰い、アリスに見守られ、ロードの震えは止まった。


(ああ、僕はこんなにも仲間に恵まれてたんだ。)


「いい面になったじゃねぇか。」


「ああ、おかげさまでね!」


「そんじゃま───」


「グァアアアアアアアアアアアアア!!!」


「いっちょやってやるかぁ!!!」


「ああ!!」


『 』


全員がこの絶望的な状況に、笑顔で応えた。



「ロード!アイツの弱点はおそらく炎だ!全身を冷気で纏って近ずくだけで凍らされちまう!!温めねぇと近接攻撃は至難だ!!」


「了解!」


「そんでもって、1分耐えてくれ!」


「どうしてだい!?」


「今出来る一番の技をあの化け物に喰らわせんだよ!」


ロードは深く息を吸いこみ、そして自信満々に言い放つ。


「任せて!」


『 』


「そうだね、アリスも一緒だ。大丈夫さ!!!」


「任せたぜ!」


(あの硬い皮膚を貫き、骨まで絶つなら力だけじゃダメだ。俺の持てる全てを注ぐ。)


覚悟を決めたシデンは剣を1本鞘ごと手に持ち、居合の構えで体の内から膨大な魔力を解き放つ。


「っ、君剣士じゃなかったのかい!?」


「剣士だ!世界最強になるな!!これから俺は1歩も動けねぇ!頼んだぜ!!」


「了解!来るよ!」


『 』


「グルゥアアアアアアアアア!!!」


ロードは飛んできた丸太をフレイムバレットで撃ち落とす。明らかに様子が変わったシデンを狙い始めた。


(5、6あと9発)


獣は別の方へ回り込もうとした所をアリスが聖域を伸ばす。


「グアアアアアッ!?」


「アリス!良い足止めだね!!」


『 』


思わず聖域前で足を止めた獣にフレイムバレットが3発入った。それぞれ頭、胸、左肩だ。当たった所が所々炭化する。


残り時間を確認するためシデンを見れば綿密に魔力を剣に折り畳むように封じていく。


(凄い緻密な魔力コントロールだ。あの調子なら約15秒)


その間にも獣はがむしゃらに丸太を投げてくる。それらもフレイムバレットで処理していき、残り2発。


「待たせた、行くぜ!!」


「『フレイムバレット!!』」


最後2発をロードは獣の目に食らわせた。これには獣も堪らずたたら踏み、叫んだ。


「グォオオオオオオオ!?」


「行って!!シデン!!」


「でかしたロード!!」


シデンは雷を纏い、疾く駈ける。その前にいかなる障害も無く、いかなる抵抗もなく、ただ真っ直ぐ敵に向かい、そして───


(裏・迅雷流、壱の雷改め──)


「紫電無閃」



雷が天へと昇る。

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