10話
「これでいいわ!」
「ホントにこれ受けるのアリス・・・。」
三人が眺めてる掲示板から1枚の依頼をアリスが手にする。
依頼難度C
深緑の森中腹で出現したフロストベアの討伐
報酬15万シル
「私たちなら問題無いわ!」
「へっ、おもしれぇ。歯ごたえのありそうな敵じゃねぇか。」
「はぁ、仕方ないか。」
そうして決まった初パーティ初依頼の日程は二日後。受付で誰がリーダーをやるかでもまた一悶着あったが、パーティの空気を乱した事を突かれ、シデンの意見はすぐさま撃沈。リーダーはアリスとなり、パーティは一度解散した。
そして二日後の依頼当日───
パーティ一行は深緑の森の前で準備をしていた。
「それにしても、この中で1番ランク高いのがロードとはな。」
「前に、少し齧ってたんだ。」
「ふふん、ロードは凄い魔術師なのよ。そして、シデンが1番下だわ!」
「・・・」
「フン、今に見てやがれ。すぐ追い抜いてやるよ。」
(僕はもう、君の思う魔術師じゃないんだ、アリス。)
今回依頼を受けれたのはロードの冒険者ランクがCだった為である。次にアリスがD、シデンがEである。
「それじゃ、準備いいかしら?」
「俺はいつでもいいぜ。」
「っ、僕も大丈夫。」
「行くわよ!」
パーティ一行は深い森へ足を踏み入れる。
「しっかしホント緑緑どこまでも緑で退屈だな。」
「油断しちゃダメよ。木の上から蛇や虎が降ってくるわ!」
「油断は───」
シデンは振り向き、アリスの頭上に降りかかる猫型の魔物の首に一閃───
「───してるように見えたか?」
「・・・ふーん、まぁまぁやるじゃない。」
シデンの目に、後ろで杖のような魔道具を構えていたロードを捉える。
「それ役に立つのかよ。」
「値段相応の仕事をしてくれるはずさ。君こそ、その剣達は使わないのかい?」
「チッ。」
シデンは木刀以外に何の変哲もない長剣を3本持ってきていた。
ロードとアリスの服装とは変わり、ロードは全身をローブで纏い、ただ重そうには見えず動きに支障は無さそうだった。
アリスは教会で黒基調の修道服とは正反対に、白基調の修道服を身にまとっている。普段とは違い所々薄く、各関節部を守るように鉄製のサポートが付いている。
「『神ネクタよ、我らは自由なり。なればこそ、彼の者に自由と安らぎを。ホーリー』」
聖職者は魔の生き物を討伐した後、浄化しなければならない。魔物の死体が残れば瘴気が溜まり、その肉を食べた魔物がまた強くなっていくからだ。浄化した魔物の肉は灰になり、一部何かを残し消えていく。
「こうしてみれば、一端の聖職者に見えるよな。」
「珍しく意見が合うね。ただ─」
「何?言いたいことでもあるのかしら?」
つい先程まで教会全体を代表するような敬虔なシスターに見えた彼女は、大きな朱いルビーの瞳でこちらを睨みつける。
「こっちの方が彼女らしいさ。」
「ああ、普段ああしてたら調子狂っちまうぜ。」
「悪口?悪口ね!リーダーに向かって生意気よ!」




