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第一部「発掘の開始」について

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  第一部「発掘の開始」について



          編纂者注 廣澤 文彦


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調査の開始からSK-07・SI-0666の検出に至るまでの経緯は、

報告書本文・現場日誌・行政文書・図書館流通記録の

各文書によって記録されている。


これらを通じて確認されることは、

この調査が制度的に正当な手続きを経て開始されたという事実と、

調査の初期段階から記録の信頼性に不安定な要素が

混入していたという事実の、二点である。


現場日誌(木口主査)は、調査開始当初において

極めて論理的かつ客観的な記述を示している。

磁石の偏向・計数値の変動・断面図の上下逆転といった

記録上の異常は、いずれも「特定できないため留置する」という

処理によって次の作業へと接続されている。

異常を異常として記録しながら、

記録者はその異常を乗り越えて調査を継続した。

これは職業的誠実さの表れであると同時に、

記録者が何かに引き留められていたことの表れでもある。


報告書本文に記された「地層の逆転」については、

大正期に筆者が記録した伝承(本書収録分・付録D)と

構造的に一致する。

土は新しいものを下に押し込み、古いものを表面へ送り出すという観念は、

当時の口述者(老婆)の語法のまま留置した。

本書では伝承の解釈は行わない。

構造的な一致についても、編纂者は評価を付さない。


閲覧者は第一部を読み終えた時点で、

この調査を「完了した過去の出来事」として

認識しているかもしれない。

しかし収録文書が示す通り、

記録は現地調査の終了によって完了したのではない。


報告書の刊行、そして閲覧によって、

記録は次の段階へ移行する。


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                  廣澤 文彦


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