未来シコウのチートデータガール 61
静夜たち三人の目の前を通り過ぎて、ラウンジの中央へ。部屋の中心にある椅子を引くとその椅子にドカリと座り、そしてニコニコ。呆れるような視線を受けて初めてズームォは三人がついて来ていない事に気が付いて『どうぞ座って?』と促したのだった。
「対談の場を作っていただきありがとう。ワタシはファン・ズームォ。八龍建設という建築会社の代表取締役社長をしていて、日本の政界にもお金をたくさん流してるので、とても強いコネクションを持っている。そして後ろに控えているのはワタシの護衛。少々気が短くてすぐ殺気立つ難点もあるけれど、なにとぞ優しく受け流してくれるとありがたいな」
「甘咲ハジメです。この度は私の為に貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。元の世界は目上の方との話す機会がなかったので、失礼な事を言ってしまうかもしれませんがどうかお許しください」
ズームォが砕けた口調で言ったのに対して、ハジメは緊張した様子で言葉を選びながらゆっくり応じる。
口調に対する強制力が働いていない事からも、彼女は今必死に演技をしているのがわかる。
社会的立場がある目上の人間と話すのに敬意を演じられる方がこの世界では生き易いのでその点は安心してみていられた。
「もっと、気楽に。そう、敬語とか使わなくていいんだよ?」
「……いえ、そういう訳には行きません」
「これから君を救うかもしれない男からのお願いでも?」
「どうか、そこは」
その頑なな言葉選びに、少しの緊張が走る。が、そもそも本来、ズームォは人の上に立つ人間で、その中でも一握りの権力者なのだ。タメ口を強要してそれを言わせたところで、第三者が見たらそれは、礼儀知らずな小娘がズームォと話しているという目で見られるだろう。静夜みたいに、どう見られても構わないと思っている人間は兎も角として、ハジメの主張は正しいだろう。
「うん。よかった。転移者は礼儀知らずが多い。肩入れするにしても、ワタシだって気持ちよく肩入れしたい。だが、口調補正がはいる人間もいるからね、うっかりタメ口をしたところで許すから、好きなようにしていいよ」
ズームォは破顔してそう宣言する。ともすれば静夜を非難している様だが、ズームォにはきっと本当に他意がないのだろう。
「転移転生どちらの者でもないシズヤさんは敬語をすぐに投げ捨てるのに、ハジメさんは良い子ですね」
絶妙に、静夜だけに聞こえる様に、隣に立った百花が囁く。言い返したらこの場で一番の間抜けが決まる。静夜は声の加減が百花程上手くないし、そもそもぐうの音も出ない程の真実だ。
苦い顔で、忌々し気に目付きだけで訴えて、涼しい顔で受け流されてそこでお終いだった。
「では早速だ。甘咲君。君は自分の置かれている状況を正しく理解しているかい?」
「……状況、ですか? この国は、私を歓迎していないという話ですよね」
「そう。強すぎる存在は懐柔するか、排斥するか、封じ込めるか。これ以外に選択はない」
「私は、ついこの間、いきなりこの世界に連れてこられました。なのに、もう嫌われているんですね」
「凡夫も天才も、人間とは皆臆病だ。あるいは、勇敢なのかもしれない。根底にあるのは、君が強すぎるので対処しようという行動だね」
「私がどうして強いかも解らないですが……そういう事なんですね」
「どうして強いか……前の世界では普通の女の子。そういう珍しいパターンも、まぁあるんだろう」
本当に不思議そうな顔をしたズームォだが、言い終わるにつれて納得したようにうなずく。
「では、どうやって君を排斥するかいうと、この国の政治はザルなのにも関わらず、どういう訳か有能だ。敵と認めた相手には徹底的で、そして陰湿。恐ろしい国だ」
また話が脇道に逸れていくのかと内心うんざりした静夜だが、今度はそうはならなかった。
ズームォはいつもの脱線をせずに、ハジメに伝えたのである。
「君には今、殺人の容疑がかけられている」
「……先ほど聞きました。色々な事件の罪を全部私の所為にしたいと。殺人は、詳しくは解らないですが、驚きはありません」
「落ち着いているようで結構。この容疑は、いわば言いがかりで間違いない。九龍大迷宮の最上階に現れた怪物。君が消滅させた怪物を、一部の権力者がまだ生きている人間だとした。助けられたかもしれない人間を殺したと。この世界にはなじむことの出来ない異物だと言い張りたいようだ」
ハジメの表情が強張る。弁明したいだろうが、目の前の男はそんな事は解っていると言わんばかりだし、静夜も百花も何一つ疑っていない。つまり、声を荒げて否定したいという欲求は、から回るばかりなのである。言ってしまえばいいのにと、静夜は思うが我慢強いハジメは拳を握るばかりである。
だからこそ、ファン・ズームォは笑みを深くするのだ。
「念の為に確認しますが、彼が生きていたという認識は? 生きていると知ったうえで、殺害していないと断言できるかな?」
「違うっ! ……違います。あの化け物は、放置したら静夜君達皆を飲み込んで当たり一面が――いえ、あれは、人ではなくて、悪意をもつ植物でした。人体はプランターの様なもので、だから、その、殺害を……」
耐え切れずに叫んだハジメの勢いは、すぐに弱まってしまった。語るにつれて声もどんどんと元気を失い、しぼんでいく。
「横から口出すぜ? バケモンが現れたのぁ甘咲まだ来ていないタイミングだ。そんで俺たちの目の前で頭はぶっ飛んだんだ。あれで生きてる訳がねぇ。安心しな。殺したってんなら俺の方がよっぽどだし、助けられたって言ったら俺も古御堂もシキも、あそこにいた全員だ」
「……うん」
「甘咲君、ならばそれは駆除と言わないと駄目だ。苗床にされた人間の為の敵討だ。これを一切気に病む必要はなく、無意味に気に病むと存在しない罪を心に棲まわす事になる」
「……はい。そうですね」
わざと刺激して、本音に近い感情の発露を誘発させたかったのだろう。それはこの場の誰もが察している。その証拠に、ズームォの後ろに控える二人は微動だにせず、ハジメの様子を見ているだけだった。
だがすこし刺激が強すぎた。ハジメは既に小さく、殺害をしてしまったのではないかという不安と負い目を覚えてしまっている。ズームォは上に立つ人間なだけあってハジメの心の機微を理解して諭すような指摘をした。
「わたしも口を挟んで良いですか?」
「おっと、貴女が北陸最強の剣だね。かねがねお噂は聞き及んでいるよ。初めまして。そしてどうぞ?」
「では失礼して。ハジメさん。貴女からは人殺しの気配がしません。これを私からの補償としましょう。愛凪流の師範が言うこの言葉には重みがありますよ」
百花がそういう物に敏いという事は聞いた事がなかったが、これを指摘するような野暮天ではない。
「それとそこのファン家の長男が言ったように、ありもしない罪で罪悪感を抱かないようにしてください。何時だって割を食うのはする必要のない後悔を持つ人です。ねぇ、シズヤさん」
「ワンチャン殺しちまっている俺がこれっぽっちも悩んでねぇんだ。助けてくれた甘咲が悩むのはちげぇな」
「結構台無しな事を言ってますが、この男の半分くらいでいいんですよ」
「……解かったよ。切り替えるさ」
そう言って切り替えられるものでもないだろうが、それでもハジメの声からは険呑さが薄れていた。
そしてズームォに向き直り、再度言葉を紡ぎだす。
「あの怪物は、とても危険でした。世界とは言いませんが、放っておいたら東京の半分くらいが、壊滅的な状態に追い込まれる程です。なので、独断で駆除をしました。それを問題と言われるのは、私としては心外です」
「うんうん。それでいいし、そうだろうとも。ワタシもその言葉が聞けて良かった」
「私が止まっていたホテルの件は……私の命が狙われた結果です。ホテルごと破壊して私を殺そうとしたと本人は言っていました。私が例えば冤罪で逮捕されたとしても、あの男はきっと私を殺しに来ると思います。今度は刑務所ごと破壊して私を狙うかもしれません。でもその時死ぬのは私以外の誰かです。その罪すら私のものになっても……、結局私以外が被害者になり続けます」
「ほう、君は殺されたりするとは思わないのかな?」
「私を殺せる人なんて、きっといないですから」
一瞬だけ百花に目を向けたが、それでもハジメは確信をもってそう言ったようである。
「あっは。聞いたかいルォシェン、フォーカード。彼女はこの世界にきて一週間目にして、殆ど全てが有象無象だと認識しているよ」
「残念ながら事実ですな」
「あ、いえ。そういう失礼な事を言っているつもりはなくて」
「社長は貴女をほめているんですよ。かしこまらないで前をお向きなさい」
二人の護衛の態度が酷い。具体的には静夜に対する態度と、それ以外に対する態度が露骨にちがうという意味で酷い。静夜以外は皆怪物じみた実力者だから、静夜が特別見下されているのではなくて、他が特別扱いされているのだと信じたいものである。
「よし。ワタシ達八龍建設は君の言葉を全面的に信じよう」
信じていてもいなくとも、結局そういう言葉になるだろう。ズームォはハジメを利用したいと考えているのだから当然である。
「それとさっきの話に戻るけど、君はそもそも逮捕される事はない。それはワタシが後ろ盾になるからではないし、君に罪がないという現実の話が理由でもないよ。君が強すぎるから、君は逮捕されない。逮捕なんて出来る訳がない。それは君に罪がないからではない。君を罪人にしたところでとらえられないからさ。蟻が必死に牢獄を作っても、人類は気が付かずに踏みにじる様に、台風を逮捕監禁する事はできない様に、このフォーカードや、そこの愛凪さんを拘束する手段など限られているように、たかが一人殺したかもしれない程度で、たった十五人が巻き込まれる事故があった程度で、君を拘束する訳がない。逮捕したのに気軽に外に出て来られてしまうのは、逮捕できないよりもずっと悪いんだよ」
せっかく持ち直したハジメのメンタルを逆撫でするかのようにズームォは殺人の話題に触れるが、それが必要な事なのだろう。ハジメも曇りそうな表情を隠してズームォの言葉を聞いている。
「じゃあ……私に殺人容疑を掛けられているのは……なぜ? なんですか?」
「国が亡びるかもしれないと解かったら、重い腰を上げて国防軍でも引っ張ってくるかもしれないが、この世界にやってくる異世界人のほとんどは世界征服なんて狙わないからより腰が重くなる。どういう訳か静かに穏やかに暮らしたがるのが大多数とされているね。そういう認識のもと、強力な異世界人に殺人犯のレッテルを張る理由。いくつか考えられるが、ワタシが辿り着いた結論はたった一つだ」
聞いているだけの静夜が不機嫌になりそうな事を言っている。
静夜は答えを知っているし、実際にそれが効果的であるとも知っていて、静夜はそれを唾棄すべき手法だと思っていた。だから、ズームォには感謝しないといけないかもしれない。話しが出なければ、後で静夜が話す事になっていた話である。
そういう事を、ズームォはこれから言おうとしているのだ。言いたくないが、言わなければならない事を嬉々として話せる才能が、ズームォには確かにある。
「連中はね。奪いたいんだよ。君から。君から奪いたいんだ。この世界における、君の居場所を。この世界になんの希望も抱いて欲しくない。むしろ絶望して、自主的にこの世界からいなくなってもらいたい。そういう考えなんだね」
ね。陰湿だ。
ズームォは笑っている。
「孤高は最強を作り出すが、孤独と孤立は最強を殺す。どんなに強くても、どんなに優れていても、この世の全てから嫌われる事には耐えられない。平気だと嘯く異世界人は多くいるが、結局人生を諦めた。本来なら、世界中から好かれる事も、世界中から嫌われる事も、人間には不可能なことだから、強制的に嫌われていると錯覚させるその状況は、想像を絶する精神状態だっただろうね」
「世界中から? ……転がり同盟とか助けてくれないんですか?」
「根回しされる。まずは転がり同盟に情報が入らない様な徹底的な情報統制をおこない、転がり同盟と異世界人――君が遭遇しないように手配する。この工作が次はばれたら国の偉い人が談判する。それも通じなければ、次は脅しになる。利権を失いたくなければ言う事を聞けとね。そして、それでも時折突っぱねるのが転がり同盟だが、多くの場合は受け入れられる。国家がなりふり構わず始末したがるからには理由がある。国家から嫌われるような人物は、転がり同盟から見ても難があるとされる」
「絶望的だね」
面白くなさそうに、ハジメはぽつり。
直後にあっという顔をして表情を取り繕うのは、たぶん皆が見てみぬふりをした。
心当たりが過ってしまうのだろう。転がり同盟の本部に赴き、そしている筈だった転がり同盟のトップがいなかった。ズームォが語るような根回しされていたと推測できるような出来事である。
「そう。絶望的だ。だから、その絶望が確定する前に、ワタシが横やりを入れる。一度凝り固まればこの国の方針転換は難しい。けれどもその前なら随分融通が利くのがこの国の良いところだ」
さすが、袖の下を駆使してきた男が言うと説得力が違う。
「あの、待ってください。信じてくれるからと言って、無条件に私を助ける理由には、ならないですよね?」
「うん?」
「さっき、弓代さん達から聞いた話だと、ファンさんは、私となにか、取引のような事をしたいと聞きました。あの……後から見返りを求められても、応えられない事もあります」
「弓代君話してくれていたんだね。そうなんだ! ワタシは君と交渉しに来たんだよ。だから本来は君が上で、ワタシがへりくだる側なんだ」
ズームォは派手に喜び、手を叩きすらする。
ルォシェンがこのタイミングでこの場を離れる。一瞬何か問題かと思ったが百花は全く興味なさそうにしているので少なくとも周囲に危険な問題が起きたなどと言うことはなさそうだった。
「だけど、悪いけど。ワタシは偉そうにする以外の人格形成を怠ってしまった。肩が凝るほど偉そうにしろと周囲に求められ居る。このままこの態度で話させてもらうよ」
「あ……はい。はい」
「ワタシが出来る事は殺人容疑の解除。戸籍の用意。こんなところだ。これに対して、甘咲君、君は何か返礼品を用意できるかな?」
「……私は、この世界の事をゲームの中だと思っていました。体験する事、見える事、街並み、全部知っています。少なくとも、この一週間で見てきたものの多くは合致しています。だから、人為的には変えられない事柄なら、高い精度で知っている可能性があります」
「未来予知が出来ると?」
「正直に言いますと無理です。ゲーム内の出来事は、ゲームプレイヤーのゲーム進行状況に依存して物事が起きるんです。だからゲームが進行していなければ起きないイベント、出来事が殆どです」
「……では、それでは何が君の強みなんだね?」
まるで就職の面接みたいな問答だ。静夜は内心でそんな感想を抱く。
「既に存在する筈の、けれど未発見のダンジョン。既に踏破されたであろうダンジョンの、隠し部屋への経路の全て。現在攻略されていないダンジョンの完全踏破。希少な魔石を体内で生成する希少モンスターの安定的な狩場の情報提供。これが私には出来ると思います」
「ほうっ!」
ズームォが身を乗り出す。目の輝き方が尋常ではない。
「どうだい。今度ワタシの家でじっくり――弓代君。顔が怖いよ?」
「そうかい?」
「小僧。不敬な殺気が隠せてないぞ」
「弱みに付け込んで餌ちらつかせりゃ、そりゃ面も険しくもならぁ」
「貴様は有象無象の雑兵だと自覚はあるか?」
「フォーカード? 僭越だよ」
「失礼しました」
「思わず口走ってしまったよ。あっははは。忘れてくれるとありがたい。有能な人材を見つけるとついつい目の色が変わってしまうのはワタシの悪い癖だ」
「食事、くらいなら……」
まるで悪代官に身を差し出す村娘のような、深刻すぎる面持ちでハジメが言うと、目を丸くしたズームォが慌てて首を振る。
「やめとこう。甘咲君には焦りがある。そう簡単に我々の様な人間と、内容の見えない約束してはいけないよ」
「……はい。解ります。そうですよね」
ハジメもズームォの態度に困惑しているようで、返事の言葉がふわっとしている。
ここで、戻ってきたルォシェンがハジメとズームォに飲み物を置いて行く。ハジメにはおそらくアイスの烏龍茶。ズームォには湯気の立つ何らかのお茶である。
「しかし随分にダンジョンに偏っている」
ズームォがおいしそうに茶で口を湿らせた。
「ゲームの世界は、経済の話も、政治の話も、技術革新のような話も登場しませんでした。情勢不安の話や、自然災害の話はありましたけど、ゲームイベントの一環で、繰り返し没頭するのはモンスターハントや、強力な武器や魔法、特殊技能の作成ばかりでした。なので、提案できるものと言ったら……」
「その辺も聞きたい所ではあるが……我々八龍建設は人工ダンジョンに力を入れているし、魔石の利用研究にもそれなりに出資している。対価としては充分だ。こちらがおつりを用意できるかという話にすらなる」
「では――」
「あとはワタシ達が頑張るだけだ」
ズームォの言葉にハジメの表情の緊張が解れる。
交渉成立といったところだ。
もとよりズームォはハジメに取り入りたかったのだから当然の結果だ。ハジメに肩入れして無条件に助けろと言ってもよかったのだが、曲がりなりにもズームォはハジメを助けようとしてくれているのだから、無理のない話ならズームォにも利益があるべきだと静夜は考える。
それにハジメもきっと無条件を望まない性格だろう。
双方の心の利益を考えると落としどころとしてはベストと言っていいのではないだろうか。
「ところで甘咲君、アルバイトに興味はないか? 弓代君が仕事を斡旋してくれるかもしれないが、どうせカフェの給仕とか、ラーメン屋の給仕とか、焼き肉やの給仕とか」
「なんで飯運んでばっかなんだよ?」
せっかく話が良い具合に纏まりそうだというのに、ズームォが蛇足を重ねていく。
「そういう面白みのない仕事だろう? その点ワタシが紹介するアルバイトはエキサイティングで――」
「失礼。無礼者どもが身の程をわきまえずに乗り込んできたようです」
ズームォが活き活きとハジメに何かを依頼しようとし始めたところと言った所で、フォーカードが話に割って入ってきた。
それと同時に百花とハジメの表情に緊張が走る。
「百花ちゃん」
「ええ」
……ちゃん? 反応する前にハジメはきりっとした顔で、今度は静夜を見る。
「静夜君も、たぶん閉じ込められた」
「ですね」
「……なんでわかるんだよお前ら」
それは笑顔を張り付けた笹月と、その部下たちの襲来の前触れであった。
直後、静夜の視界の色は影を落としたように暗くなり、小さなガラスの箱の様な物が一体に浮遊した。
静夜でも視認できる程の、異常空間。遠くに見える窓の外は、モザイク処理の映像のように四角くひび割れているように見えた。
こうして世界は箱の中と外で断絶された。




