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完結済恋愛もの

王子だけど大好きな彼女と結婚するためなら何だってする

作者:悠井すみれ
ある国の王太子が、婚約者のいる身でありながら身分低い令嬢に恋をした。
義務と恋の間で板挟みとなったかに見えた彼は、さほど悩むこともなく決意する。
「そうだ、継承権、放棄しよう」
王位は弟が継げば良い。愛する人も、彼の覚悟を喜んでくれるはず。
婚約者は――不実な男などきっと見捨てて婚約破棄に応じてくれるだろう。

第二王子も兄の決意を心から応援した。なぜなら彼は兄の婚約者を愛している。
王位は割とどうでも良いが、彼女と結婚する機会が巡ってくるなら引き受けよう。
彼女は兄を愛しているのではなく、未来の王を支えるだけのつもりだろうから。
「王位も彼女も僕に任せて。兄上たちは遠くで幸せになってくれ」

だが、彼らが愛する令嬢たちは、王子たちほど恋愛脳でもなければ割り切ってもいなかった。
困惑し思い悩む彼女たちをごまかすために王子たちは嘘を重ね、誤解とすれ違いが積み重なって――
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