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第十二話 災厄を砕く者

夜明け前の本部には、異様な静けさが満ちていた。

これから向かうのは、ただの戦場ではない。


誰か一人でも欠ければ、街は終わる。

そんな極限の緊張の中で、四人は静かに歩き出した。


その先で待つものは・・・

夜明け前の本部は、異様な静けさに包まれていた。

ネオイクリプスが街を巻き込む全面戦争に入れば、

一般市民に甚大な被害が出る――

それだけは絶対に避けなければならない。


ヴァルカは全員を前に立ち、短く告げた。


ヴァルカ「……ルミナス区の地下坑道へ、全員で向かう。

ここで人員が欠けたら、それは事実上の敗北だ。

覚悟しておけ」


その言葉に、空気が一気に張り詰める。


イリスは唾を飲み込み、アレサは無言で頷き、

アルトは――怒りで拳を震わせていた。


アルト「……ダイロン……絶対に許さねぇ……!」


ヴァルカはその肩を掴む。


ヴァルカ「落ち着け。怒りは力になるが、判断を鈍らせる。冷静に行け」


アルトは歯を食いしばり、深く息を吸った。


アルト「……分かってる」


【夜明け前・出発】

まだ空が青黒い時間帯。

四人は静かに本部を出た。


ルミナス区の地下坑道には入口が二つ。

作戦は単純だが、最も効果的だった。


北側入口:ヴァルカ & アレサ(ベテランセイレン化コンビ)

 → 正面から大暴れし、敵の注意を引きつける。


南側入口:アルト & イリス(若手機動力コンビ)

 → 手薄な側から本丸へ最速で突入する。


ヴァルカ「北は俺とアレサで派手にやる。南はお前らが突破しろ。本丸は任せたぞ」


アルト「任せろ」


イリス「……絶対に辿り着く」


アレサ「おう、行ってこい。俺らが派手に暴れてやるからよ」


二手に分かれ、それぞれの入口へと消えていった。


【南側入口:アルト & イリス】

南側は予想通り手薄だった。だが、スプロットの数は多い。


イリス「来るよ、アルト!」


アルト「分かってる!」


アルトの剣が閃き、イリスの七色の矢が通路を貫く。


スプロットの群れは押し寄せるが、二人の前ではただの障害に過ぎなかった。


アルト「このまま奥へ行くぞ!」


イリス「うん!」


二人は迷いなく進む。本丸――ダイロンの元へ。


【北側入口:ヴァルカ & アレサ】

北側は、まるで巣そのものだった。

スプロットが壁のように押し寄せる。


アレサ「数が多いな……!」


ヴァルカ「問題ない。進むぞ!」


二人はセイレン化し、通路を力で切り開いていく。


だが――


その奥から、地響きのような足音が響いた。


オーク・グラットン「……来たかァ、パレットバトラーズ……!」


アレサ「グラットン……!」


ヴァルカは一歩前に出る。


ヴァルカ「予定通りだな。アレサ、先に行け、南側と合流を優先しろ。ここは俺がやる」


アレサは迷わない。ヴァルカが負けるイメージが湧かない。


アレサ「……頼んだ!」


アレサが駆け抜けようとした瞬間、グラットンが巨体を揺らして立ち塞がる。


オーク・グラットン「行かせるかァ!!」


だが――


ヴァルカの大剣が、その進路を叩き割った。


ヴァルカ「グラットン。お前は実力の差が分からない様な木偶の坊の様だな。」


グラットン「テメェ……!」


ヴァルカは笑った。


ヴァルカ「オーク・グラットンと残念だがお前はここまでだ」


その笑みは、歴代最強のパワー戦士の余裕そのものだ。


【ヴァルカ vs オーク・グラットン 開戦】

グラットンの拳が地面を砕き、ヴァルカの大剣が火花を散らす。


アレサでは防戦一方だった怪物――だがヴァルカは違う。


ヴァルカ「来いよ。力比べなら負けねぇぞ」


グラットン「上等だァァァ!!」


二つの巨力が激突し、坑道全体が揺れた。


ヴァルカとオーク・グラットンの激突は、

坑道全体を揺らすほどの衝撃を生んでいた。


ゴォォォォンッ!!


岩壁が震え、天井から砂が降り注ぐ。


アレサはその振動を背に受けながら、

南側へ向けて全力で駆け抜けていた。


【同時刻・ルミナス区 地下坑道・別ルート】

薄暗い坑道を、

静かに歩く影がひとつ。


ヴァイオレット・スパイン。


彼は足を止め、

壁に手を添えて目を閉じた。


次の瞬間、

遠くから響く“衝撃波”を感じ取る。


ドォォォォンッ!!


スパイン「……ほう」


薄く笑みを浮かべる。


スパイン「グラットンが開戦したという事は……私の相手は“戦車”の彼ですね……」


ゆっくりと槍を構え、闇の中で瞳が妖しく光る。


スパイン「……楽しませてもらうとしましょう」


その声は静かだが、確かな殺意と愉悦を含んでいた。


グラットンの拳が地面を砕き、ヴァルカの大剣が火花を散らす。

ヴァルカ「来いよ……!力比べなら負けねぇって言ったろ!」


グラットン「ガアアアアアッ!!」


二つの巨力がぶつかり合い、坑道が再び揺れた。


【南側:アルト & イリス】

アルト「……今の揺れ……ヴァルカだな。相手するやつがかわいそうだぜ」


イリス「うん……ここまで感じる……!」


アルト「急ぐぞ。北側が派手にやってくれてるうちに、本丸へ突っ込む!」


イリス「了解!」


二人はさらに奥へと駆け抜ける。



【北側坑道】

岩壁が震え、砂が降り注ぐ。


オーク・グラットンは、最初は余裕そのものだった。


オーク・グラットン「ハッ!お前もすぐに潰してやるよ、ヴァルカァ!!」


ヴァルカは大剣を肩に担ぎ、薄く笑った。


ヴァルカ「言ってろ。どうせすぐ黙る」


グラットンは怒り狂い、巨体を揺らして突進する。


オーク・グラットン「ガアアアアアッ!!」


拳が地面を砕き、衝撃波が坑道を揺らす。


だが――


ヴァルカは微動だにしない。


大剣を片手で受け止め、逆に押し返した。


ヴァルカ「軽いな」


グラットン「……は?」


次の瞬間、ヴァルカの大剣が横薙ぎに走る。


ガギィィィンッ!!


グラットンの腕が大きく弾かれ、巨体がよろめいた。


オーク・グラットン「なっ……!?」


ヴァルカ「お前……、俺をアレサと同じタイプだと思っていないか?」


グラットンの顔が歪む。


オーク・グラットン「テメェ……!」


ヴァルカ「悪いが、俺はアレサより“ずっと強えぇ”ぞ」


グラットンは再び突進する。

今度は両腕で地面を砕きながら、

全力のラッシュを叩き込んだ。


オーク・グラットン「オラァァァァ!!」


だが――


ヴァルカはすべて受け止める。


受けて、弾いて、押し返す。


まるで“重機”のような安定感。


グラットンの額に汗が滲む。


オーク・グラットン「……なんだよ……なんで押し返せねぇ……!?」


ヴァルカ「言ったろ。相性最悪だって」


拳を振るうたびに、

ヴァルカの大剣がそれを受け止め、

逆に押し返してくる。


ヴァルカの一撃は重い。

重すぎる。


グラットンの足が、

じり……じり……と後退し始めた。


オーク・グラットン「……っ……!?押されてる……俺が……!?」


ヴァルカは笑う。


ヴァルカ「お前、気づいてねぇのか?」


グラットン「な、何がだよ……!」


ヴァルカ「“俺はまだ本気出してねぇ”ってことだよ」


グラットンの顔から血の気が引いた。


【グラットンの過去:怪物が生まれた理由】

グラットンは、生まれた時から“異様に大きかった”。


村の誰よりも背が高く、

誰よりも腕が太く、

誰よりも力が強かった。


だが――頭はあまり良くなかった。


そのせいで、村の大人たちにも、同年代の仲間にも、都合よく使われる存在だった。


「グラットン、あれ運べよ」

「お前力あるだろ、代わりにやっとけよ」

「おいデク、こっち手伝え」


彼はそれでも笑っていた。


“みんな仲間だ” そう信じていたから。


【裏切りの日】

だがある日、偶然耳にしてしまった。


「アイツ、便利なだけのデクのぼうだよな」

「馬鹿だから何でもやらせ放題だし」

「罪も全部押し付けられるしな」


グラットンの心が、初めて“冷たく”なった瞬間だった。


その直後、村で起きたトラブルの責任を――

全て彼に押し付けられた。


仲間だと思っていた者たちが、一斉に彼を指差した。


「グラットンがやったんだ!」

「アイツが全部悪い!」


グラットンは震えた。


(……なんで……?俺……仲間だと思ってたのに……)


その瞬間、胸の奥で何かが“切れた”。


【怪物の誕生】

怒りが爆発した。


グラットンは初めて“本気”で暴れた。


家が砕け、

地面が割れ、

村が崩れ落ちていく。


誰も止められなかった。


彼は叫んだ。


「もう……誰にも……利用されねぇ!!

俺が……全部……壊す!!」


その日、

集落は壊滅した。


こうしてグラットンは“力で支配する”という歪んだ価値観となっていったのだ。


【超えられない壁】


ヴァルカの大剣が迫る。


グラットン「……っ……!?」


(なんだ……この力……

俺の……何倍……いや……何十倍……!?)


ヴァルカは笑う。


ヴァルカ「どうした?自慢のパワーはそんなもんか?」


グラットンの胸が締め付けられる。


ヴァルカが一歩踏み込む。


その圧だけで、グラットンの膝が震えた。


(……何故だ、こんな小さい体のどこにそんな力が……、え?

小さ……、くない……?こいつこんなでかかったっけ??)


グラットンは本能的にヴァルカに勝てない事を悟っていた、


体格差のあるはずのヴァルカが、自分よりも強大な存在である事を認識すると、

自分よりとても大きな存在に見える様になっていた。


オーク・グラットン「……や、やめろ……!

来るな……!!」


ヴァルカ「これで終いだ。」


大剣が振り上げられた瞬間――




after100yearsは、パレットバトラーズを元とした作者による二次制作に近い位置づけなのですが、

ミニプラ先行で展開している各キャラのイメージ補足として、

今回はヴァルカをメインとした彼の現在地等を、災厄級の存在であるグラットンの来歴と

ぶつける事により、パレットバトラーズを追ってくれている方々へ紹介出来たらな、という

思い出書いています。

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