第十三話 道を選ぶ者、道を塞ぐ者
グラットンとの激闘が終わり、ヴァルカはひとつの答えに辿り着く。
倒すだけが戦いじゃない。
力の使い道を示すこともまた、戦士の役目だ。
その裏で、アレサはひとり坑道を駆け、
かつて相対した紫槍――スパインと再び向き合う。
赦しと対峙。
二つの“決着”が同時に動き出す。
【ヴァルカ vs グラットン:決着】
ヴァルカの大剣が振り下ろされる――
その瞬間、グラットンは完全に戦意を失っていた。
ドンッ!!!
ヴァルカの大剣が地面が割れ、火花が散る。
グラットンは驚き、しりもちをついたままヴァルカを見上げている。
オーク・グラットン「……な、なんで……殺さねぇ……?」
ヴァルカは肩で息をしながら、
だがその声は不思議なほど穏やかだった。
ヴァルカ「もうお前は悪さできないだろ。その力……もっと活かせる場所があるはずだ」
グラットンは理解できず、ぽかんと口を開ける。
オーク・グラットン「……活かす……?俺の力を……?俺はまた利用されるのか…」
ヴァルカは大剣を背に戻し、ゆっくりとグラットンの前にしゃがんだ。
ヴァルカ「街は今、お前らネオイクリプスのせいで崩壊してる。その復旧を……お前自身の手でやれって言ってんだよ」
グラットンの目が揺れる。
オーク・グラットン「……俺が……街を……?」
ヴァルカ「そうだ。ダイロンに何吹き込まれたか知らねぇが……お前はたぶん、自分の活かし方が分からなかっただけだ」
グラットンは息を呑む。
ヴァルカ「根っからの悪は……そんな目してねぇよ」
その言葉が、グラットンの胸に深く刺さった。
グラットンは震える声で呟いた。
オーク・グラットン「……俺は……ずっと……間違ってたのか……?」
ヴァルカ「間違ってたかどうかは知らねぇよ。でもな――」
ヴァルカ「“今からどうするか”は、お前が決めろ」
グラットンは目を見開く。
オーク・グラットン「……俺が……決める……?」
ヴァルカ「そうだ。街を壊すんじゃなくて……街を支える力になれ」
グラットンの目から、ぽたりと涙が落ちた。
オーク・グラットン「……俺がまた破壊の限りを尽くすとは思わないのか……?」
ヴァルカは笑った。
ヴァルカ「お前、まだ俺に勝てると信じているのか?」
グラットンは胸を押さえ、震える声で呟いた。
オーク・グラットン「……ヴァルカ……俺……やってみる……」
ヴァルカ「よし。じゃあまずは――」
ヴァルカは立ち上がり、坑道の奥を指差した。
ヴァルカ「俺たちがこの戦いに決着をつけたら街の復旧を手伝え。それが……お前の“最初の仕事”だ」
グラットンは深く頷いた。
【アレサ、スパインと遭遇】
北側坑道を抜け、アレサは南側へ向かうために走り続けていた。
だが――その先の通路に、ひとつの影が立っていた。
細身の体。
紫の槍。
冷たい瞳。
ヴァイオレット・スパイン。
アレサは足を止め、戦斧を構える。
アレサ「……来やがったな」
スパインは静かに槍を回し、まるで“待っていた”と言わんばかりの落ち着きで言った。
スパイン「ようこそ。あなたが来るとは少し意外でしたが」
【ヴァルカの読み:五分五分の勝算】
アレサは知らないが、ヴァルカはこの戦いを“想定済み”だった。
ヴァルカ(心の声)
(スパインは槍の名手。戦闘センスは幹部の中でもトップクラス。アルトでは相性が悪い。そもそも剣と槍じゃ分が悪すぎる)
だからこそ――
盾と戦斧を扱うアレサなら、五分五分……いや、経験で上回れる
ヴァルカはアレサに賭けていた。
【スパインの読み違い】
スパインは、今回の戦いをこう予想していた。
グラットン vs アレサ
自分 vs ヴァルカ
それが“当然”だと思っていた。
スパイン(心の声)
(グラットンはアレサを足止めし、ヴァルカがこちらへ来る……そのはずだったのですが)
だが現実は違った。
先陣を切ってアレサがここへ来た
スパインは少しだけ眉を上げる。
スパイン「……あなたがここに来るとは。ヴァルカが来ると思っていたのですがね」
アレサ「悪いな。ヴァルカは別の奴をぶっ倒してる最中だ」
スパインはため息をつくように、しかしどこか楽しげに笑った。
スパインは槍を構え、アレサを見据える。
スパイン「……楽しませてもらうとしましょう」
【スパインの本音:アレサは“格下”】
スパインはアレサを見下していた。
以前の戦いでアレサの力量は把握済み
グラットンよりはマシだが、ヴァルカには遠く及ばない
自分の相手ではないそう思っている。
スパイン(心の声)
(アレサは悪くない戦士ですが……私の相手ではありません。
本命はヴァルカ。彼との決着こそが目的)
だからこそ、
アレサとの戦いは“作業”だと考えていた。
スパイン「では――あなたを倒して、ヴァルカを待つとしましょう」
アレサは戦斧を構え直し、低く息を吐く。
アレサ「俺で良かったな。ヴァルカに勝つつもりでいたのか?」と挑発する。
スパイン「ええ。だから、少しは楽しませてくださいね」
【開戦直前:緊張が張り詰める】
坑道の空気が変わる。
スパインの槍先が揺れ、
アレサの戦斧が唸る。
二人の間に、静かで鋭い殺気が走った。
アレサ(心の声)
(こいつ……やっぱり強ぇ……でも――負けられねぇ!)
スパイン(心の声)
(さて……どれほど抗えるか、見せてもらいましょう)
次の瞬間――
二人の足が同時に動いた。
それが“当然”だと思っていた。
スパイン(心の声)
(グラットンはアレサを足止めし、ヴァルカがこちらへ来る……そのはずだったのですが)
だが現実は違った。
先陣を切ってアレサがここへ来た
スパインは少しだけ眉を上げる。
スパイン「……あなたがここに来るとは。ヴァルカが来ると思っていたのですがね」
アレサ「悪いな。ヴァルカは別の奴をぶっ倒してる最中だ」
スパインはため息をつくように、しかしどこか楽しげに笑った。
スパインは槍を構え、アレサを見据える。
スパイン「……楽しませてもらうとしましょう」
【スパインの本音:アレサは“格下”】
スパインはアレサを見下していた。
以前の戦いでアレサの力量は把握済み
グラットンよりはマシだが、ヴァルカには遠く及ばない
自分の相手ではないそう思っている。
スパイン(心の声)
(アレサは悪くない戦士ですが……私の相手ではありません。
本命はヴァルカ。彼との決着こそが目的)
だからこそ、
アレサとの戦いは“作業”だと考えていた。
スパイン「では――あなたを倒して、ヴァルカを待つとしましょう」
アレサは戦斧を構え直し、低く息を吐く。
アレサ「俺で良かったな。ヴァルカに勝つつもりでいたのか?」と挑発する。
スパイン「ええ。だから、少しは楽しませてくださいね」
【開戦直前:緊張が張り詰める】
坑道の空気が変わる。
スパインの槍先が揺れ、
アレサの戦斧が唸る。
二人の間に、静かで鋭い殺気が走った。
アレサ(心の声)
(こいつ……やっぱり強ぇ……でも――負けられねぇ!)
スパイン(心の声)
(さて……どれほど抗えるか、見せてもらいましょう)
次の瞬間――
二人の足が同時に動いた。
今回は、ヴァルカとグラットンの戦いにひとつの区切りがつきました。
グラットンは“倒される側”から“選ぶ側”へ。
彼の物語はここからようやく始まります。
そして後半は、アレサとスパインの再戦。
スパインの読み違い、アレサの覚悟、
二人の間に流れる緊張は、前回よりもずっと濃いものになりました。
次回からは本格的に、
アレサ vs スパインの死闘が幕を開けます。




