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三茶浪漫  作者: たま


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肆拾肆

「…どういう意味だ?このタイルの下のコンクリは新しいのか?おかしいだろ?」黒田が意味が分からないと言う顔をする。

「いや、警察やSITが攻めあぐねた銭湯砦に目隠しした人質はどうやって入った?

犯人達も、どうやって入った?

そっちの方がおかしいだろ?

地下通路がどこかに繋がってたと考える方が普通だろ?」大谷が話す。

「杏さんが車乗るなり袋かぶされたと聞いた時からおかしいなと思ったんだ。

凛ちゃんが発見された時も目隠しされてたのも。」大谷が続ける。

「なぜだ?何が変なんだ?」黒田には犯罪者のセオリーのような気がする。

「だって、ここに入れば銭湯だとすぐ分かるじゃないか?連れて来られた時間でどこの銭湯かもすぐ分かる。犯人は銭湯までのルートを杏さんと凛ちゃんに知られたくなかったんだよ。」大谷が上を見ながら説明する。

「そうか!2人は知ってる銭湯だもんな。

じゃ、ココが地下通路の入り口だったのか?しかし、中は空洞じゃないぞ!これは?」黒田が確認のためにタイルを叩く。

「仕掛けか?こういうのって物語では何らかのトリックで開くとか?」黒田は謎の隠し扉で盛り上がっている。

「いや、それはエンタメだから。

現実には、早く隠滅した方が良いんだ。

在った事を無かったものにしないと…」大谷は暗い顔で言う。

「もしかしたら、事件直前なら何とかなったかもしれないが…コンクリがもう完全に固まってる…隠し通路は完全に消された…な」大谷が溜め息をつく。

きっと仮面の男が1年前三茶に入りスーパーの店長をしながら地理を覚え住人を把握し練り計画したのだ。

銭湯の外に出る。出入り口がもしかしたら在った場所から地下通路を想像しながらビルを見あげる。

郵便局と都銀の間の細い存在感のない実相ビルにほぼ直線で行ける場所が銭湯のタイルの切込みのあった場所だ。

しかし、都心の地下は複雑怪奇だ。

上下の水道管や電柱のない地帯なので地下に電気系も全てあるのだろう。

それはを避けて地下通路を作るのは容易ではない。

それもコンクリートを送り込んで、あそこまでキッチリ埋めてしまうとは…

通路を作りそれを埋めて隠すまでプロに計算させて造ったのだろう。

実相はコンクリートのプロでもある。

「あ〜っ、会いたいなあ〜仮面の男。」大谷は呟く。

とそこで閃く。

「実相は防犯カメラがあの日壊れていたとか言ってたが、郵便局と都銀の防犯カメラに実相の前も写ってるじゃないか?

もしかしたら、犯人や杏さん、凛ちゃんの姿も映ってるかも?」大谷が言う。

「そうか!実相ビルは小さいから両方の大きなビルの防犯カメラから表玄関辺り映ってるかも?」黒田が目を輝かせる!

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