表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三茶浪漫  作者: たま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/46

肆拾弐

銭湯内のどこにも出入り口は見つからなかった。

しかし、犯人達は消えたのだ。

自分達の仕掛けで銭湯外に出るのは不可能だ。

SITにも囲まれていた。

しかし、消えた。


表沙汰にすると杏の命に関わると伏せられたが、実相の孫が契約者のため内偵捜査が始まる。黒田が契約書を写メっていたのだ。

「おい、今日中には書類を確認してくれよ!」

「お前が動けないなら司法書士に行かせて確認しろよ!」「司法書士も監視されてるのかあ〜じゃ、他の司法書士で良いじゃないか?」

「なんで拘るんだ?もう、じゃあ女はじーさんに返すぞ!死んだら三茶の開発事態厳しくなる!」携帯を閉じた。

犯人達が現場から消えて3日が過ぎた。

刑部は渋谷のミヤシタパークホテルに居た。ベッドには杏が下着姿で朦朧としている。

「これ以上、薬やると抜けなくなる…」刑部は母が売人と付き合っててシャブ漬けにされてソープで死んでるので、今の杏を見てるのが自分のトラウマだと今更気付いたのだ。

ホストもするくらいなので、女に薬を使う必要が無かった。掃いて棄てるくらい女に困った事はない。

初めの2日くらいは欲望の赴くまま抱いてたが、ご飯を食べさせようとしたが全部吐いてしまう。飲み物も無理やり口移しで飲ませる以外飲んでない。欲しがらない。排泄もしてない事に気付いた。

だんだん忘れていた恐怖がよみがえる。

薬が切れると苦しみだす。

食べる事に興味が無くなるので痩せ薬に使う人もいるが、最後は食べ物が鉄を食べてるような感覚になるだけなのだ。飲み込むのすら苦行になる。

自分を好きにならないなら殺しても良いと思ってたが、杏の死んだ顔はきっとソープで見た干からびた骨と皮だけの母と同じ死に顔になる。

それを想像するのが怖い。

この世に怖いものなど無いと自分の死すら恐れてなかったが…

あの死に顔を見るのだけは嫌だ!

子供時代の恐怖が蘇った。

杏が消えてから3日目の夕方。

ママがアクアを開けようと店に入ると奥のソファに杏が倒れていた。


シッターをハシゴして凌いでいたが、腎不全なりかけた身体はなかなか大変で高嶺となぜか巻き込まれた大谷も疲弊していた。

日中はシッターが見てくれるが、夜は帰ってしまう。

深夜シッターは男が多いし人物も何だか怪しい人が多くなる。

体力が戻らない高嶺は仕事帰りの大谷と修斗の世話に明け暮れた。

黒田は1度本庁預かりとなった銭湯の現場検証になかなか立ち会えずイライラしていた。

病院からやっと杏が自宅に戻ると凛が抱きつく。

「ごめんなさい!ごめんなさい!私が私が…」と言葉にならない。

母が戻らない間、沢山色んな事を考えたのだろう。

3人を抱きしめながら、杏は実はホッとしてる。

「凛じゃなくて良かったよ。凛がこんな目にあったら、母さんもう、生きてく自信無くなったよ。

凛、大人になろうと人に褒められようとしちゃダメだよ。

親切なんか大人にしちゃダメ!絶対!」


まだ身体は、万全じゃなかったがシッターに戻った。

不思議と修斗の世話をしてる方が薬の抜けが良いのだ。

食欲や気力も戻ってきた。ママの美味しいお料理を食べたくてスナックにも復帰した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ