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三茶浪漫  作者: たま


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参拾壱

シッターで正社員で雇って貰ったが、いつ雇い止めになるか分からない。

杏は黒田に教えて貰った警察のテストを受けようと猛勉強も始めた。送り迎えを毎日させるのも黒田と大谷に悪いのでアクアは週3に減らして貰った。

代わりに夜は勉強タイムにしてる。

まあ余りの倍率にほぼ絶望的なんだが…

長女の凛は将来公務員をめざしてるので杏が集めたテスト集を自分も解いている。

「悔しいなあ〜解けない問題もある。」凛が悔しそうだ。

「まだ高校で習う事もあるしね。さすがに難しいでしょ?」杏が笑うと不服らしい。

「お母さんに解ける問題が私に解けないなんて!」と舌打ちする。

「あの〜それはお母さんがバカだと言いたいのかな?」凛は優秀だが、こういう所は大人になる前に直した方が良いだろう。

「だってお母さんと慶は、頭より身体の人じゃん?」

我が子ながら辛辣である。


高嶺のお母さんは、翌日初出勤前には家から消えていた。

高嶺から翌日から来ても、夜の6時には帰ってしまうと聞いて自宅での生活をもう諦めたらしい。世田谷の富裕層向けのホテル仕様の介護施設に自ら入った。

6時に退勤して自宅で子供とご飯を食べてからアクアに出勤すると

なぜか背中に抱っこ紐で息子君を背負って飲む高嶺が居た。

どうも夜泣きやグズりでベッドに寝かせられないようだ。背中に背負って高嶺が夜の街をうろつくと後ろでスヤスヤ寝てくれるらしい。

「最初はどうしょうかと思ったが、こうしてると大人しいんだよね〜」高嶺さんがグズると身体を揺らしてあやす。

「私も最初そうやって店やってたわ〜懐かしい!」とママも目を細める。

夜の仕事だが、まだ末っ子は乳飲み子でスナックやりながらおんぶして店を切り盛りしてたそうだ。

意外に高嶺さんは夜の街で前よりモテるようになった。

「う〜ん、アレはどうなの?子供の環境として…」黒田は問題を感じてるようだ。

「高嶺さんは高嶺さんの子育てを見つけたんだよ。

子育てなんて子供と親のコラボだからね〜人それぞれだよ。」杏が凛にバカにされてるが、こういう雑さだろう。

しかし、自分が子育てして本当に1人1人子供が違う人間なのに驚いた。生まれてから1歳なるまですら、1人として同じパターンで育った子が3人居てもいないのだ。

それぐらい子供は千差万別。

それに家で寝かされてるよりお父さんの背中で喧騒の中でスヤスヤ寝てる子は高嶺さんのお子さんらしいような気がする。

大谷の方がこの頃変だ。

帰り道も口数が少ない。

「どうしたの?」杏が聞くと腕を組んだまま大谷が答える。

「犯人の先手を読んで玉を囲んだが、静かすぎる。

こんなので諦める奴じゃない。早く会いたいのに

次の手が読めないんだ。」いつものメモを見ている。

「子供達に聞いてみたら?」杏が指さす方を見ると子供達が大谷に変顔して遊んでいた。

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