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三茶浪漫  作者: たま


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弐拾漆

男2人はあっという間に出来上がり眠ってしまった。

酔っぱらいながら杏は、陽気なお兄さんにからむ。

「昨日、高嶺さんアクアに来たよ〜

お兄さん、何か吹き込んだでしょ?」

お兄さんは手前のカウンターの食器やコップを片付けながら鼻歌交じりに笑う。

「何のこと?高嶺さんは前からお姉さんの事好きだったんだよ〜知らなかった?

僕はちょっと背中を押してあげたの。

それだけ…」杏の空のコップを下げようとした時、杏がその手を掴む。

「私はお兄さんみたいな子が良いけどな。」陽気なお兄さんは手慣れたように杏の手をどける。

「お姉さん、飲み過ぎ!もう!僕、怒るよ!」少し笑い顔が引きつる。

「なんでえ?私が好きだと困るの?」杏も出来上がりそうになりながら上目遣いでお兄さんを見る。

「…お姉さんが高嶺さんと引っ付かないと…僕の借金が消えないでしょ…」下げた食器を洗いながら小さな声で呟く。

急に男の手が伸びて水道の蛇口が止まる。


黒田の手だ。

「お兄さん、その話もうちょっと詳しく教えて?」黒田が起きていた。

「借金って誰にしたの?教えて?お兄さん。」大谷も起きていた。

「素直に言わないと絞めちゃうぞ♪」杏が指を鳴らす。


バーのお兄さんは、古河家のホストと同じ店のホストだった。

ホストクラブが色恋営業禁止なると、途端に女の子達は引いてしまったらしい。

彼はナンバー1だったが、それでも売り上げは一気に半分に。

ブルードラゴンは金にシビアなのでホストクラブをすぐ畳み、ホスト達は転売ヤーに鞍替えした。

しかし、彼はそれがイヤで自分の飲み屋を開業する事に。

しかし、宵越しの金は持たない主義でギャンブル狂だった彼に軍資金はない。

で幹部に相談したら、高嶺に取り入り杏と結婚まで持ち込めたら

借金は全部チャラにしてやると言われたらしい。

「あーあ、ダメかあ〜

高嶺さんは上手く乗せれたのになっ!」お兄さん改め西条がむくれる。

「それは人生遊んできた男が急に子育て向き合わなくてはいけなくなって逃げが入ってるんだよ!

細い女が好き♪なんて男が真剣に家庭持って赤ちゃん産んで育てるイメージ持ってる訳無いでしょ?」

杏が呆れる。

「高嶺さんは大金持ちだよ。玉の輿じゃん!

いい話だと思うけど。

幹部、俺らは刑部(おさかべ)さんと呼んでたけど、未亡人に優しい人だなと思ったけど?」どうも西条は

ホストはしてたが、暗黒社会の闇は分かって無かったみたいだ。

「人殺しの噂のある女と大地主が結婚してハッピーエンドなんかある訳ないだろ!」

「大地主が倒れて嫁が疑われるんだよ。アリバイが1番証明しづらいからな!」黒田と大谷が西条をにらみつけた。


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