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三茶浪漫  作者: たま


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弐拾陸

「お前がジャマするから、なかなか犯人が顔出さないんじゃないか?

絶対杏さんに近づいてくる男が現れるって言うから待ってたら、

大地主が出てきたよ。

話が違うだろ?」黒田がブーブー文句をたれる。

「仕方ないだろ。あっちもココでのこのこ出てきたらヤバいと思ったのさ。

警察が杏さんに任意同行求めない事で隠してる防犯カメラに気付いたのさ。」大谷がポケットに手をツッコんで先頭を歩く。

「今、飛車を歩で囲ってガードしてるようなもんなんだ。だから違う角度で王将チラつかせて君自身を動かそうと思ってるのかもしれない。

今から王将を動かした銀将に会いに行こう。」大谷が楽しそうに仲見世通りに入っていった。


夜で通りが賑わってる。空き店舗もあるが、またすぐ新しい店が出来るのだ。

バーは2つ曲がってすぐ見つかった。路地沿いに椅子が並んでカウンターには明るい髪の美青年が立っていた。後にはネオン管と酒が綺麗に並んでいる。

「いらっしゃーーーい♪

お兄さん達、楽しい夜を過ごしてるう?」と言いながらウインクした…陽気だ。

「あっ、アクアのアマゾネス!キターーーッ!」お兄さんは杏を知ってるようだ。

「ヒドい!アマゾネスですかあ?」3人で座りながら笑う。

「なに?なに?同伴?2人もすごいね!やり手だね〜」と言いながらメニュー表を見せる。

「今日は唐揚げなんだ。それを考えて選んでね。」アクアと同じ酒のメニューだけでアテはお兄さんが決めるようだ。

「お兄さん、アクアに来たことあったっけ?」杏が聞く。

「う〜ん、しょっちゅう隅でコソコソ飲んでるよ。

アクアでは大人しく1人で飲んでるし。」そこは小声で杏に囁く。

確かにこれは、高嶺さんが喜びそうだ。

明るいが配慮もある。何より不快感が全然ない。

大谷と黒田は杏とのやりとりを聞いている。

唐揚げを揚げながら美青年が聞いてくる。

「お兄さん達もアクアで見たこと有るんだけど…」

「うん、俺も1杯飲んでサクッと帰る感じ。」まず黒田が話す。

「アマゾネス姉さんとは?どんな関係?」下を向いたまま聞いてきた。

「今口説いてる所かな?でも、なかなかだよ。」黒田が悔しそうな演技をする。

さすが刑事!名演技である。

「僕はもうちょっとかな?今、子供の方から攻めてる。子持ちの女は、まずそこから攻めるのが王道だよ。」大谷が優位だと言わんばかりに挑発する。

良くこんだけハッタリをかませるもんだと杏は内心呆れる。

「ほい、お待ち!唐揚げ揚がったよ〜」ドンと3人の真ん中に置かれる。

「エーーッ、大丈夫?採算これで合う?」杏が思わず心配する。

「今はオープン祝いで出血サービス中だよ!

食べてみて〜っ♪」一口頬張ると、サクッジュワ〜で美味い!

「これは!お酒進むわ〜ヤバい!」杏が驚く。

両側の男はすでにビールを飲み干してる。

「はーい、おかわりだよ〜」とハイボールがビッグジョッキで置かれた。

ふとメニュー表を見るとさすがにグラスのビールより高い。

が、両側の男たちは唐揚げを頬張りハイボールジョッキをグビグビ飲んでる。

「お兄さん、料理も上手いし商売上手じゃない?」杏がほめる。

「そうかな?アクアはヘルシーだから、うちは肉で攻めようかなと。」照れた顔がまた愛くるしい。

これは…高嶺さんがハマるのも分かる。


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