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三茶浪漫  作者: たま


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弐拾伍

「ハア〜ッ、やるの?」イヤモニを付けながら杏が溜め息をつく。

「だって僕は顔出せないだろ?今回は本当に地元の古い顔見知りなんだし。」

香典返しを持った杏が、夫の元後援会長の加賀さんの店をたずねる。

大谷は途中で西◯スーパーへ入っていった。

「遅くなってすみません。まだ、主人の両親からは連絡ないんです…」と言いながら、後援会関係の人の香典返しまとめて渡す。

「本来は、1軒づつ回るべきなんですが…」と謝る。

「全部聞いてるよ。今は大変だろうが絶対楽になれる時が来るから!

それにやっぱり噂を怖がってる人も居るから私から渡しておくよ。その方が良い。」加賀さんもやはり謎の女=杏説を知っている。

「そうですよね。今、私に会うのは皆さん怖いと思うんですよ。

でも、仲見世通りの地主の高嶺さんがわざわざ私が働いてるアクアまで来てくださったんですよ。」杏が様子見しながら加賀に告げる。

「えっ、そうなの?スゴイな〜積極的だな、アイツ!」加賀さんが驚く。

「あ〜、でもだから、追悼公演にサポートお願いしたら2つ返事だったのかも?」加賀が言う。

「加賀さんがお願いして下さったんですね。ありがとうございます。劇団の皆もホッとしてました。

でも、それなら加賀さんも一緒にアクアに来て下さったら良かったのに…」杏が誘い水をする。

「いやいや、私は下戸だしね。

そうだ!仲見世に新しく出来たバーの子が高嶺に気に入られてるんだよ。

その子がアクアのママのファンらしいよ。通って勉強してるって。

ほら、高嶺って奥さんが次々と亡くなるから、もうね、結婚諦めてたから。

金目当ての女なら、いくらでも要るだろうが、そんな女じゃ息子をちゃんと育てられないし。

もしかして、その子が杏ちゃんを勧めたのかも?」加賀さんが推測する。

「いや、つい腫れ物みたいに敬遠してゴメンね。

顔見せてくれて良かったよ。」加賀さんがニコニコと送り出してくれた。

「完璧だよ!イヤモニ要らなかったね♪」スーパーの食品売り場で待機してた大谷が小躍りする。

「私も少しだけど香典返しできて気が楽になったわ。」杏が清々しい顔をする。

「次は、その仲見世通りのバーだな。

アクアは今、夜8時からだし黒田も誘ってそのバーに行こう。

犯人の新しいシナリオ見せて貰おうじゃあないか?」

大谷がニヤニヤしながら言う。

大谷には、犯人の筋書きが見えるようだ。

それを抑え邪魔して、また新しい筋書きが書き足された。

それを読み解き、また邪魔する気みたいだ。

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