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三茶浪漫  作者: たま


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拾玖

「エーーッ、思い切ったねえ〜」配達に来たスーパーの店長が杏の髪型を見て驚く。

「へへっ、コッチが本来なんですよ〜髪長くしたの主人と知り合ってからなんで。

本当はもっと刈りたいくらい。」杏が胸を張る。

「そうなんだあ〜ウチに買い物来るようなったの結婚してからだもんね〜知らなかった!

しかし…肩がゴツいね…僕より強そう…」店長が自分の貧相めの身体を見る。

「それ、女性に失礼ですよ!この肩、本当にコンプレックスなんで!」両肩を隠して怒る。

「オッ、なんか楽しそうだね。」黒田が主婦の世間話に部屋から顔を出す。

「ヒッ!」店長がデカい厳つい男が出てきて驚く。

「あっ、三茶署の刑事さんですよ。スナックの送迎の警備して下さってるんです。」杏が紹介する。

「そうかあ〜ウチで今働けないし、仕事ないと困るもんね〜

ウチなんか今だに急にパートさんを殴ろうとする頭の変な人をいるからね。危ないよ。」店長が不安そうな顔をする。

「あっ、スナックはもう別人だと思われてますね。

新人はブスだね。とか言う客居るし〜」狙ったんだが

言われるとムカつく。

「この人は?…いや、見たことあるような…」黒田が思い出せないのか聞く。

「昼職のスーパーの店長ですよ。やっと有りついた正社員なのに!働けなくて、本当に困る!」杏が腕組みして店長をにらむ。

「いや…あの…分かってよ〜

僕が採用決めた訳だし、本当に今肩身が狭いんだよ。」店長が狭い肩幅を余計に縮こめる。

「しかし、わざわざ店長が配達っておかしくないですか?夕方なんてかきいれ時じゃあないですか?」ニコニコしながらも黒田が質問する。

「確かに!そう言われたら。私が働いてた時も配達してる店長なんて見たこと無かった…」杏も1月だが働いてて店長が部屋から出てる事自体、滅多に無かったのを思い出した。

パートさんが怖いのか?店長室から滅多に出てこない。

「いや、あの、ほら、世間で噂の女じゃん!

今どうしてんのかなあ〜と。」店長の目が泳ぐ。

「ハッ、本当他人事ですね!物見遊山ですか?キモっ!」杏は手で出てけと合図する。

店長はそそくさと出て行った。

「顔馴染みなのかもしれないが、今は危ないよ。

大手のネットスーパーに変えた方が良いよ。」黒田が杏の肩に手を置いて心配する。

「ネットで売ってるからペットカメラを玄関と居間に置いた方が良いよ。外は実は防犯カメラ付けさせて貰ってる。中も自分で付けたほうが良いよ。」

杏は驚く。知らぬ間に外に警察の防犯カメラが付けられてるとは!

いや、だからマスコミも変な人もこの家に近づかないのか?

しかし、24時間見張られていたとは…なんか恥ずかしい。

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